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41 筋肉少女×2と、ナンパお出かけ
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レジと魔法戦士の二人は、馬より速い速度で、街への最短距離を疾走していた。
猫の持久力はあまりないが、この世界は魔力に満ち溢れている。したがって魔力を自然に補給できる。
よって、三人は労せず長時間疾走できる。特に森林や丘陵地帯。魔物の多くもそこに住んでいる。
猫又ナイトによれば、魔物も少なからず魔力を持っているそうだ。
ただし、魔法陣や言霊を操れないので、魔法は使えない。
レジと魔法戦士は、ひのえ熊に遭遇。魔物とは野性の動物が、魔力の影響で、遺伝子が変異し、肉体が強化された物を指す。
だから魔物は、魔力が希薄になる人間界と一歩距離を置いている。
未熟な魔法使いの、中クラス程度の魔法では、歯がたたない魔物も存在する。だが、魔物にとって人間は天敵であり、強い魔物は、ためらいなく攻撃してくる。
近くに人間の気配がある。多分猟師だろう。
ひのえ熊は最大体長五メートルに達する。一抱えもある樹木を一撃でへし折る力を持っている。
それに体格のわりに俊敏だ。こんなモンスターに出会ったら、ベテラン猟師でも超ヤバイ。
猟師たちは危険覚悟で森林に入るが、うまくやつから逃げられる保証はない。
レジはこの熊を始末すると決めた。
「俺が仕留める。ブルー、挑発。イザベル、弓で威嚇攻撃」
レジは簡単に戦術を決め、大木を駆けのぼった。
三人はひのえ熊と、何度か戦った経験がある。素早く動けるブルーが、熊の注意をひきつけ、遠くからイザベルが矢で熊の目を狙う。
遠近感を失った熊の上部から、短槍を装備したレジが、一気に下降し、熊の後頭部を狙う。
三人は本格的に戦闘を開始する前に、思い思いの補助魔法で強化。
レジとブルーは、熊パンチを二三発くらっても、軽傷ですむ防御力強化魔法。イザベルは逃げ足強化。
そしてそれぞれの武器、短槍・長剣・矢に火属性の付与。哺乳類の多くの魔物は、植物属性だ。ひのえ熊は雑食だから、効果は低いが、一応火属性は弱点だ。
「お~い! のろま熊、おいしい美少女だぞ!
ほら、お尻の肉だけは、柔らかそうだろ!」
ブルーが熊の前に立ちふさがり、お尻ふりふり。
熊は二本足で立ち上がり、「ぐわ~!」と威嚇。
すかさずイザベルが「ファイアアロー!」と唱え、矢を射る。
矢は炎をまといながら、過たず熊の右目に命中。
熊はドサッと前のめりに倒れた。
「あれ?」
三人はびっくり。威嚇のはずが、とどめを刺してしまったようだ。
活躍の場を完全に失ったレジは、肩を落として大木から降りてきた。
「イザベル、ゆうべの伽、俊也さんとしたのね?
しかも中出しの清浄魔法なし?
今妊娠しちゃったらまずいよ」
ブルーはイザベルを糾弾する。
「だって~……、レジさんとしたら、ムキムキになっちゃうんだもん。
あなた、相当来てるよ」
イザベルは手厳しく反撃。
「それはわかるんだけどさ。
お腹のシックスパック、全然色っぽくないし、胸だって筋肉におっぱいが、ちょこんと乗ってる感じ。
どうやったら脂肪つくのかな?
冬に向けて脂肪蓄えたいんだけど」
「だよね~」
ブルーは、はたと気づいた。ごまかされてる。
「じゃなくて~、問題は……」
「はい、気を付けます! 次からは清浄魔法付きで」
「ならよろしい」
ブルーは潔く矛を納めた。
実はブルー、レジモードとのセックスが大好きなのだ。いくら腹上で激しく暴れても、レジさんは平気だから。
俊也さんとなるとそうはいかない。驚くほどもろいから、受身一辺倒となってしまう。
筋肉少女にはなりたくないが……、相当なってしまっているが、レジさん形態は捨てがたい。
筋肉少女の悩みはけっこう深い。
レジは人間の匂いをたどり、五人の猟師を発見。レジは木に登り、身を隠す。
猫目猫耳二本の尻尾は隠したい。
「おじさ~ん、さっきひのえ熊に襲われちゃった。
この子、こう見えて超ド級の魔法戦士。
襲う相手が悪すぎた。
ひのえ熊といえば、皮は高額で取引できるし、肉は最高でしょ?
私たち、運べないから上げるわよ」
ブルーが気さくに声をかけた。「この子」とは、もちろんイザベルを指す。
こんな深い森で美少女二人に遭遇し、オジサンたちの鼻の下は大いに緩んだ。
一人は赤毛の筋肉質少女。腰に見事なこしらえの長剣を帯びている。愛嬌あふれる丸顔の中でも、やや垂れた茶色の目が印象的。
もう一人は、栗色の髪と目を持ったクールビューティー。赤毛の女の子より背が高く、ほっそりとして見えるが、多分脱いだら意外にマッチョなのではないか。
これも見事な装飾が施された短弓を装備し、腰にはダガーを吊っている。
そして、二人が身に着けている服装は、きわめて軽微だ。ジーンズにハーフブーツ。赤と白のトレーナー。
猟師たちが見たこともない服装だった。そして、こんな森の奥に、決して入るべきではないスタイルだ。もちろんユニ×ロで俊也が買い求めた逸品。
「マジでお嬢ちゃんたちが倒したのか?」
「マジだお。案内する。付いてきて」
二人の美少女は走り始めた。
必死で付いていく猟師たちは思った。
あんな服装で、この森に入れるはずだ。とてつもない俊敏性……。
「お嬢ちゃん、もう少しゆっくり! ぜいぜい……」
すぐ息が切れた猟師たちだった。
猟師たちは、ひのえ熊がばったり倒れた地点に着いた。
「でかいな……」
「こんなのに襲われたら、五人でもかなわない」
「おい、見ろよ! 矢一本で仕留めてるぞ!」
猟師たちは、びっくりして熊を囲む。右目に深く矢が突き刺さっていた。これは脳まで届いている。
目の周辺が焼け焦げているところを見ると、炎の魔法を付加したと想像できる。
多分脳内は焼けただれているだろう。
優れた魔導師の魔法が付加された場合、傷自体より、体内で爆発する魔力が脅威だ。
矢はありふれているが、相当以上の魔力の持ち主だ。
「いい毛皮がとれるな。右目以外は無傷だ」
「うん。高く売れる。さばいても肉、全部は運べないぞ」
「高値の付く部位だけ持って帰ろう。お嬢ちゃん……」
気づいたら、二人の姿は消えていた。猟師たちは、ぽかんとし、目を見合せた。
「夢か?」
「バカ、現に熊の死体がある」
「だよな……」
タヌキとキツネの魔物にでも、化かされた?
幸いなことに、猟師たちの感想が、二人の少女に伝わることはなかった。
猫の持久力はあまりないが、この世界は魔力に満ち溢れている。したがって魔力を自然に補給できる。
よって、三人は労せず長時間疾走できる。特に森林や丘陵地帯。魔物の多くもそこに住んでいる。
猫又ナイトによれば、魔物も少なからず魔力を持っているそうだ。
ただし、魔法陣や言霊を操れないので、魔法は使えない。
レジと魔法戦士は、ひのえ熊に遭遇。魔物とは野性の動物が、魔力の影響で、遺伝子が変異し、肉体が強化された物を指す。
だから魔物は、魔力が希薄になる人間界と一歩距離を置いている。
未熟な魔法使いの、中クラス程度の魔法では、歯がたたない魔物も存在する。だが、魔物にとって人間は天敵であり、強い魔物は、ためらいなく攻撃してくる。
近くに人間の気配がある。多分猟師だろう。
ひのえ熊は最大体長五メートルに達する。一抱えもある樹木を一撃でへし折る力を持っている。
それに体格のわりに俊敏だ。こんなモンスターに出会ったら、ベテラン猟師でも超ヤバイ。
猟師たちは危険覚悟で森林に入るが、うまくやつから逃げられる保証はない。
レジはこの熊を始末すると決めた。
「俺が仕留める。ブルー、挑発。イザベル、弓で威嚇攻撃」
レジは簡単に戦術を決め、大木を駆けのぼった。
三人はひのえ熊と、何度か戦った経験がある。素早く動けるブルーが、熊の注意をひきつけ、遠くからイザベルが矢で熊の目を狙う。
遠近感を失った熊の上部から、短槍を装備したレジが、一気に下降し、熊の後頭部を狙う。
三人は本格的に戦闘を開始する前に、思い思いの補助魔法で強化。
レジとブルーは、熊パンチを二三発くらっても、軽傷ですむ防御力強化魔法。イザベルは逃げ足強化。
そしてそれぞれの武器、短槍・長剣・矢に火属性の付与。哺乳類の多くの魔物は、植物属性だ。ひのえ熊は雑食だから、効果は低いが、一応火属性は弱点だ。
「お~い! のろま熊、おいしい美少女だぞ!
ほら、お尻の肉だけは、柔らかそうだろ!」
ブルーが熊の前に立ちふさがり、お尻ふりふり。
熊は二本足で立ち上がり、「ぐわ~!」と威嚇。
すかさずイザベルが「ファイアアロー!」と唱え、矢を射る。
矢は炎をまといながら、過たず熊の右目に命中。
熊はドサッと前のめりに倒れた。
「あれ?」
三人はびっくり。威嚇のはずが、とどめを刺してしまったようだ。
活躍の場を完全に失ったレジは、肩を落として大木から降りてきた。
「イザベル、ゆうべの伽、俊也さんとしたのね?
しかも中出しの清浄魔法なし?
今妊娠しちゃったらまずいよ」
ブルーはイザベルを糾弾する。
「だって~……、レジさんとしたら、ムキムキになっちゃうんだもん。
あなた、相当来てるよ」
イザベルは手厳しく反撃。
「それはわかるんだけどさ。
お腹のシックスパック、全然色っぽくないし、胸だって筋肉におっぱいが、ちょこんと乗ってる感じ。
どうやったら脂肪つくのかな?
冬に向けて脂肪蓄えたいんだけど」
「だよね~」
ブルーは、はたと気づいた。ごまかされてる。
「じゃなくて~、問題は……」
「はい、気を付けます! 次からは清浄魔法付きで」
「ならよろしい」
ブルーは潔く矛を納めた。
実はブルー、レジモードとのセックスが大好きなのだ。いくら腹上で激しく暴れても、レジさんは平気だから。
俊也さんとなるとそうはいかない。驚くほどもろいから、受身一辺倒となってしまう。
筋肉少女にはなりたくないが……、相当なってしまっているが、レジさん形態は捨てがたい。
筋肉少女の悩みはけっこう深い。
レジは人間の匂いをたどり、五人の猟師を発見。レジは木に登り、身を隠す。
猫目猫耳二本の尻尾は隠したい。
「おじさ~ん、さっきひのえ熊に襲われちゃった。
この子、こう見えて超ド級の魔法戦士。
襲う相手が悪すぎた。
ひのえ熊といえば、皮は高額で取引できるし、肉は最高でしょ?
私たち、運べないから上げるわよ」
ブルーが気さくに声をかけた。「この子」とは、もちろんイザベルを指す。
こんな深い森で美少女二人に遭遇し、オジサンたちの鼻の下は大いに緩んだ。
一人は赤毛の筋肉質少女。腰に見事なこしらえの長剣を帯びている。愛嬌あふれる丸顔の中でも、やや垂れた茶色の目が印象的。
もう一人は、栗色の髪と目を持ったクールビューティー。赤毛の女の子より背が高く、ほっそりとして見えるが、多分脱いだら意外にマッチョなのではないか。
これも見事な装飾が施された短弓を装備し、腰にはダガーを吊っている。
そして、二人が身に着けている服装は、きわめて軽微だ。ジーンズにハーフブーツ。赤と白のトレーナー。
猟師たちが見たこともない服装だった。そして、こんな森の奥に、決して入るべきではないスタイルだ。もちろんユニ×ロで俊也が買い求めた逸品。
「マジでお嬢ちゃんたちが倒したのか?」
「マジだお。案内する。付いてきて」
二人の美少女は走り始めた。
必死で付いていく猟師たちは思った。
あんな服装で、この森に入れるはずだ。とてつもない俊敏性……。
「お嬢ちゃん、もう少しゆっくり! ぜいぜい……」
すぐ息が切れた猟師たちだった。
猟師たちは、ひのえ熊がばったり倒れた地点に着いた。
「でかいな……」
「こんなのに襲われたら、五人でもかなわない」
「おい、見ろよ! 矢一本で仕留めてるぞ!」
猟師たちは、びっくりして熊を囲む。右目に深く矢が突き刺さっていた。これは脳まで届いている。
目の周辺が焼け焦げているところを見ると、炎の魔法を付加したと想像できる。
多分脳内は焼けただれているだろう。
優れた魔導師の魔法が付加された場合、傷自体より、体内で爆発する魔力が脅威だ。
矢はありふれているが、相当以上の魔力の持ち主だ。
「いい毛皮がとれるな。右目以外は無傷だ」
「うん。高く売れる。さばいても肉、全部は運べないぞ」
「高値の付く部位だけ持って帰ろう。お嬢ちゃん……」
気づいたら、二人の姿は消えていた。猟師たちは、ぽかんとし、目を見合せた。
「夢か?」
「バカ、現に熊の死体がある」
「だよな……」
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