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100 貴族の発想、こわ!
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一週間後。いくつかのアクシデントはあったが、一行は無事カントへ到着。
ふもとの牧場主に声をかける。荷物を下ろしたら、馬を預けるから。
シルバーストーンで買った馬も、案外元気だった。飼馬代の元がとれるか怪しいが、馬肉にするのはかわいそすぎ。いっしょに預けることにした。
ついでに六人の元村人を紹介する。六人には、主に馬の世話を任せるつもり。
その牧場で、本格的に仕込んでもらう予定だ。
俊也はミネットの扱いに迷ったが、ユーノが言うことには、「とりあえずメイド。それでいいんじゃないですか」
とりあえずそれでいいかと納得し、とりあえずそれでいくことにした。
「ただいま!」
俊也は迎えの嫁たちにあいさつ。「おかえりなさ~い」と、満面の笑顔で迎える嫁たちに、キス&ハグで応える。
それはいいんだけど……。
カナは遊びに来ていたのだろうから納得できる。
どうして琴音ちゃんとハグ&キス?
あれっ、琴音ちゃんがいるな、と思ったら、どさくさにまぎれ、唇を奪われてしまった。
カナは琴音を引き離し、お説教モードに入ってしまった。
「カナちゃんが、取り急ぎ相談したいんだって。取り急ぎ相談に乗って」
ルラが、なにやらわけあり顔でそう言い、俊也の腕を確保。リビングへ向かった。
新しいメンバーを紹介したかったのだが。まあ、荷物を運んだ後でいいか。
取り急ぎだそうだから、取り急ぐことにした。
数分後、「え~~~!」 と、俊也の叫びに似た声が、リビング中に響いた。
「そりゃ、そんな映像投稿したらそうなるよ」
俊也は、カナの報告にあきれ返った。なんと、ネットに魔法の実践と、魔法の学習風景を投稿したそうだ。
大反響過ぎる反応に、カナはすっかりおびえている。
しょんぼりしたその様子を見たら、俊也は叱れない。
カエルのつらに何とかの琴音には、あきれるやら、わずかに敬意を抱くやら。
この子、スゲータマだ。
「別にいいじゃん」
の一言でかたづけてくれた。
言いだしっぺはカナ、それに乗ったのはルラたち三人。台風の目は琴音だった。
「どうしてそんなこと、やっちゃった?」
俊也はルラ達三人に聞く。
「ベツニイイジャン。ね~?」
「ね~?」
「ね~?」
最後に俊也へ向けられた、フラワーの「ね~?」、かなりいらっとする。
「どうするつもり?」
俊也の表情と声は、珍しくとげとげ。
「俊也なら、なんとかしてくれるでしょ?」
ルラは見事な笑顔を、俊也に向ける。
「お~い……」
俊也は深くうなだれる。
「隠す必要、ないと思ったからよ。
地球からこっちへは、絶対攻撃できない。こっちからは攻撃可能。
どの世界でも外交は、パワーバランスが一番でかい。
圧倒的に有利な私たちが、どうしてこそこそしなければならないの?
この世界では、身を隠す必要があった。
それは攻撃される可能性があるから。
違ってる?」
ルラの言葉に、俊也はうなずくしかなかった。
違ってない。
「俊也がこの世界との、つながりを隠したかった理由もわかる。
あなたやカナの家族を、巻き込みたくなかった。そうでしょ?」
今度もうなずくしかなかった。
「『新撰組萌ゆ』、あのアニメ、ある程度歴史に基づいているわけでしょ?
尊王攘夷?
攘夷論の原因は、ぺろ~り提督が、力づくで開国を迫った」
「ぺろ~り、じゃなくて本物はペリーだけど。
あのアニメの世界観は別として、アメリカやロシアなんかが、開国を迫ったのは事実」
俊也は力なく応える。
ちなみに。『新撰組萌ゆ』は、かつてブルーがはまったアニメの題名だ。
「アメリカやロシアに力があった。それに、日本から本土を攻撃される可能性は皆無。
だから不平等条約を押し付けた。
要するに、地球人がうるさいようなら、こちらから不平等条約を、押し付ければいいだけ。
とりあえず、日本に開国を迫る?
いっそアメリカか中国にする?」
俊也は大きくため息をついた。基本おっしゃるとおりです、ルラさん。
大貴族の娘の発想、怖っ!
「カナと琴音は、私たち魔法の国、公認広報。駐地球大使は、もちろん猫又ナイト大先生。収拾よろしく」
ルラは、澄まし顔でちょこんと頭を下げる。
よろしくと言われてもね……。どうする?
ハハハ、アメリカや中国、ロシアに戦争ふっかけてやるかぁ~。
戦略核なんて目じゃないもんね~。
だって、こっちに届きませぇ~ん。
こっちには、人間戦術核があるもんね~……。
日和見外交しか手がない日本人として、相当痛快かもしれない。
危険な思想に傾きかけた俊也だった。
「俊也、私たち三人、ずっと遊んでるばかりだと思った?」
リラがにやにやして言う。
「なんかやった? ネット以外にも」
俊也が幾分おびえながら聞く。
「ジャン! どこでもまほうじ~ん!」
エレンがどや顔でトランクを開く。トランクの中には複雑な魔法陣が描かれていた。
「これなら持ち運びに超便利。一々猫又ナイト大先生の、お手を煩わせることはない。アンリ」
ルラが傍らに控えるアンリに声をかける。
アンリは、緊張の面持ちでトランクの中に立つ。
アンリは、トランクの底から、ポリ製円筒状のものを持ち上げ、中側から密封する。
「清浄!」
エレンが清浄魔法をかける。
「トランクBへ転位!」
フラワーが転移魔法をかける。
あ~ら不思議、アンリはトランク多分Aから、トランクBに転移。
「アメリカか中国に、開国迫るとしたら超便利でしょ? これなら税関に止められることはない。
お伴がついていれば、何度も変身する必要もない。
よろしければお使い下さい。旦那様」
ルラはにっこりとほほ笑む。
参ったな~。マジでやれっていうの?
最近とみに苦労性が進行した俊也だった。
「私たちが原因つくったから、私たちがお供したいんだけど、そういうわけにいかないと思うの」
エレンが言う。
「三人でいつも話してるの。魔法とは何かって。
脳、あるいは精神が大きく影響していることは間違いない。
魂と言い換えてもいい。
まあ、議論の内容は、またゆっくりできるときに聞いてもらう。
その魔法の理論に、一石を投じる出来事が進行中なの。
出発前、ルマンダと妊婦さんセックスしたでしょ?
魔力量増大の止まっていたルマンダに、大きな変化があった。
つまり、著しく魔力量が増えたの。
これはお腹の中の赤ちゃんが、影響していると考えるしかない。
ルマンダの赤ちゃんは、人間的な脳、精神や魂でもいいよ、それがかなり形成されている」
フラワーが大真面目な顔で説明する。
「最近お話ができるんですよ。赤ちゃんと。
オヤジ、どこへ行ってたんだ、ですって。ね~?」
ルマンダはお腹に向けて話しかけた。
「お、俺も話せる?」
俊也はルマンダのお腹に耳をあてた。
「耳じゃ聞こえませんよ。ね~?」
ルマンダは幸せそうに笑い、俊也の頭を抱いた。
「結論を言う。転移魔法でミックスするのは、精神の形成された生物が二体以上、同時に転移した場合だと推定される。
だから妊婦に転移魔法は絶対禁止。
実験で推定を検証する勇気はない。
よって、私たち四人は、モブキャラすれすれに、当分甘んじるしかない。
以上。ヨロシク!」
ルラの言葉に合わせ、四人の妊婦嫁がぴしりと敬礼。
よろしくやるしかないか。ウフ、なんだかワクワク感も。
この三人、きっとじれったかったんだ。どうして日本でこそこそするのかって。
確かに正面突破という手はある。
ふもとの牧場主に声をかける。荷物を下ろしたら、馬を預けるから。
シルバーストーンで買った馬も、案外元気だった。飼馬代の元がとれるか怪しいが、馬肉にするのはかわいそすぎ。いっしょに預けることにした。
ついでに六人の元村人を紹介する。六人には、主に馬の世話を任せるつもり。
その牧場で、本格的に仕込んでもらう予定だ。
俊也はミネットの扱いに迷ったが、ユーノが言うことには、「とりあえずメイド。それでいいんじゃないですか」
とりあえずそれでいいかと納得し、とりあえずそれでいくことにした。
「ただいま!」
俊也は迎えの嫁たちにあいさつ。「おかえりなさ~い」と、満面の笑顔で迎える嫁たちに、キス&ハグで応える。
それはいいんだけど……。
カナは遊びに来ていたのだろうから納得できる。
どうして琴音ちゃんとハグ&キス?
あれっ、琴音ちゃんがいるな、と思ったら、どさくさにまぎれ、唇を奪われてしまった。
カナは琴音を引き離し、お説教モードに入ってしまった。
「カナちゃんが、取り急ぎ相談したいんだって。取り急ぎ相談に乗って」
ルラが、なにやらわけあり顔でそう言い、俊也の腕を確保。リビングへ向かった。
新しいメンバーを紹介したかったのだが。まあ、荷物を運んだ後でいいか。
取り急ぎだそうだから、取り急ぐことにした。
数分後、「え~~~!」 と、俊也の叫びに似た声が、リビング中に響いた。
「そりゃ、そんな映像投稿したらそうなるよ」
俊也は、カナの報告にあきれ返った。なんと、ネットに魔法の実践と、魔法の学習風景を投稿したそうだ。
大反響過ぎる反応に、カナはすっかりおびえている。
しょんぼりしたその様子を見たら、俊也は叱れない。
カエルのつらに何とかの琴音には、あきれるやら、わずかに敬意を抱くやら。
この子、スゲータマだ。
「別にいいじゃん」
の一言でかたづけてくれた。
言いだしっぺはカナ、それに乗ったのはルラたち三人。台風の目は琴音だった。
「どうしてそんなこと、やっちゃった?」
俊也はルラ達三人に聞く。
「ベツニイイジャン。ね~?」
「ね~?」
「ね~?」
最後に俊也へ向けられた、フラワーの「ね~?」、かなりいらっとする。
「どうするつもり?」
俊也の表情と声は、珍しくとげとげ。
「俊也なら、なんとかしてくれるでしょ?」
ルラは見事な笑顔を、俊也に向ける。
「お~い……」
俊也は深くうなだれる。
「隠す必要、ないと思ったからよ。
地球からこっちへは、絶対攻撃できない。こっちからは攻撃可能。
どの世界でも外交は、パワーバランスが一番でかい。
圧倒的に有利な私たちが、どうしてこそこそしなければならないの?
この世界では、身を隠す必要があった。
それは攻撃される可能性があるから。
違ってる?」
ルラの言葉に、俊也はうなずくしかなかった。
違ってない。
「俊也がこの世界との、つながりを隠したかった理由もわかる。
あなたやカナの家族を、巻き込みたくなかった。そうでしょ?」
今度もうなずくしかなかった。
「『新撰組萌ゆ』、あのアニメ、ある程度歴史に基づいているわけでしょ?
尊王攘夷?
攘夷論の原因は、ぺろ~り提督が、力づくで開国を迫った」
「ぺろ~り、じゃなくて本物はペリーだけど。
あのアニメの世界観は別として、アメリカやロシアなんかが、開国を迫ったのは事実」
俊也は力なく応える。
ちなみに。『新撰組萌ゆ』は、かつてブルーがはまったアニメの題名だ。
「アメリカやロシアに力があった。それに、日本から本土を攻撃される可能性は皆無。
だから不平等条約を押し付けた。
要するに、地球人がうるさいようなら、こちらから不平等条約を、押し付ければいいだけ。
とりあえず、日本に開国を迫る?
いっそアメリカか中国にする?」
俊也は大きくため息をついた。基本おっしゃるとおりです、ルラさん。
大貴族の娘の発想、怖っ!
「カナと琴音は、私たち魔法の国、公認広報。駐地球大使は、もちろん猫又ナイト大先生。収拾よろしく」
ルラは、澄まし顔でちょこんと頭を下げる。
よろしくと言われてもね……。どうする?
ハハハ、アメリカや中国、ロシアに戦争ふっかけてやるかぁ~。
戦略核なんて目じゃないもんね~。
だって、こっちに届きませぇ~ん。
こっちには、人間戦術核があるもんね~……。
日和見外交しか手がない日本人として、相当痛快かもしれない。
危険な思想に傾きかけた俊也だった。
「俊也、私たち三人、ずっと遊んでるばかりだと思った?」
リラがにやにやして言う。
「なんかやった? ネット以外にも」
俊也が幾分おびえながら聞く。
「ジャン! どこでもまほうじ~ん!」
エレンがどや顔でトランクを開く。トランクの中には複雑な魔法陣が描かれていた。
「これなら持ち運びに超便利。一々猫又ナイト大先生の、お手を煩わせることはない。アンリ」
ルラが傍らに控えるアンリに声をかける。
アンリは、緊張の面持ちでトランクの中に立つ。
アンリは、トランクの底から、ポリ製円筒状のものを持ち上げ、中側から密封する。
「清浄!」
エレンが清浄魔法をかける。
「トランクBへ転位!」
フラワーが転移魔法をかける。
あ~ら不思議、アンリはトランク多分Aから、トランクBに転移。
「アメリカか中国に、開国迫るとしたら超便利でしょ? これなら税関に止められることはない。
お伴がついていれば、何度も変身する必要もない。
よろしければお使い下さい。旦那様」
ルラはにっこりとほほ笑む。
参ったな~。マジでやれっていうの?
最近とみに苦労性が進行した俊也だった。
「私たちが原因つくったから、私たちがお供したいんだけど、そういうわけにいかないと思うの」
エレンが言う。
「三人でいつも話してるの。魔法とは何かって。
脳、あるいは精神が大きく影響していることは間違いない。
魂と言い換えてもいい。
まあ、議論の内容は、またゆっくりできるときに聞いてもらう。
その魔法の理論に、一石を投じる出来事が進行中なの。
出発前、ルマンダと妊婦さんセックスしたでしょ?
魔力量増大の止まっていたルマンダに、大きな変化があった。
つまり、著しく魔力量が増えたの。
これはお腹の中の赤ちゃんが、影響していると考えるしかない。
ルマンダの赤ちゃんは、人間的な脳、精神や魂でもいいよ、それがかなり形成されている」
フラワーが大真面目な顔で説明する。
「最近お話ができるんですよ。赤ちゃんと。
オヤジ、どこへ行ってたんだ、ですって。ね~?」
ルマンダはお腹に向けて話しかけた。
「お、俺も話せる?」
俊也はルマンダのお腹に耳をあてた。
「耳じゃ聞こえませんよ。ね~?」
ルマンダは幸せそうに笑い、俊也の頭を抱いた。
「結論を言う。転移魔法でミックスするのは、精神の形成された生物が二体以上、同時に転移した場合だと推定される。
だから妊婦に転移魔法は絶対禁止。
実験で推定を検証する勇気はない。
よって、私たち四人は、モブキャラすれすれに、当分甘んじるしかない。
以上。ヨロシク!」
ルラの言葉に合わせ、四人の妊婦嫁がぴしりと敬礼。
よろしくやるしかないか。ウフ、なんだかワクワク感も。
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