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103 レジ、パオーンを大公開する

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※手違いで102話、同一の内容をダブって投稿しました。削除済みです。

◇ ◇ ◇

 ノベチャンは、国会を終え、合同記者会見に臨んだ。

昼間男を上げたノベチャンは、詳しい説明を終え、会見を閉じようとした。

ところが、その会場に、昼間あの猫に付き添っていた美少女二人が現れた。

実は野本秘書の手引きだ。彼は猫の手と手を結んだら損はないと、全面協力を約束していた。

「それではこれにて記者会見を……」
 司会が終了を告げようとすると、報道陣がくってかかった。

「総理、いろいろ不明な点があります。質疑応答お願いします」
「そうだよ。わからないことが多すぎて国民、納得できないな」
 
記者が納得できないというのは、コ〇ナに関する「有益なご指導」の、具体的な内容だった。

総理は秘書の原稿通り読んだため、後で党幹部や役人に叱られてしまった。
「あんな数字は絶対出せない。会見ではうまくごまかしてください」
てな感じで。総理は確かに、と思ったが、文句を言うべき、第一秘書の姿が見えない。

慌ただしさにまぎれて、とうとう秘書と会えずじまいで、会見に臨むはめとなった。

「どうかお静まり下さい! 私は野辺総理の第一秘書を務めている野本と申します。
実は首相のスマホに、シュンヤーダ王国特任大使から、連絡がはいりました。
尊敬する野辺首相が、なんだか突き上げを食らっているようで不愉快だ。
会見で首相に代わり質疑に答えたい。
警護の者に見とがめられる可能性があるから、迎えに来いとのことでした。
私は大使と面識がありましたので、今こうしてお連れした次第です。
大使、これでよろしいでしょうか?」
 野本秘書は、猫又の俊也を振り返る。

「それでよい。御苦労」
 そう言って、猫又ナイトは、会見場のデスクに飛び乗った。

「私がシュンヤーダ王国、特任大使、猫の手である。
首相の歯切れが悪かったのは、私が猫の姿をしていたからだ。
コ〇ナ騒動で、どんなアドバイスを送ったかも、言えなくなった。
我々は貴国のマスコミを、全く信用できないからだ。
野辺首相、国会で、そして、今、懇切な謝罪を受け、恐縮している。
ありがとう」
 ナイトは慇懃(いんぎん)に礼をする。

びっくりしていた首相も返礼する。唖然としていたマスコミは大騒ぎ。

「&%‘&#“$!」
 ユーノが王国語で抗議した。

「まあよい。この二人は、私の側室だ。
銀髪がユーノ、黒髪がローランと申す。
ユーノは攻撃魔法の名手だ。怒ったら夫の私でも抑えきれない。
気をつけてくれ。
ユーノが怒っているのは、これが一国の大使を迎える姿勢か、ということだ。
要するに、猫で悪いか! となる。
黙れ、無礼者ども!」
 ナイトは局所集中豪雨を、記者席に降らせた。

「冷静になれたかな? 質問を受け付けよう」
 びしょぬれになった記者は、天井をきょろきょろとうかがい、ざわめいている。

「もっと魔法を見せてほしいか! 
総理、あなたの誠意は認める。
この者ども、一挙に抹殺してよろしいか! 
無礼きわまりない!」

「申し訳ございません!」
 総理はあわててナイトに駆け寄り、最敬礼。

「なんだよ。あの猫。総理、ふざけてんのか? こんな水までしかけやがって」
「ふざけんなよ!」
びしょぬれになったマスコミ席からは、ヤジが飛ぶ。

「よし、わかった。テレビ局の者、今から異形(イギョウ)の人間が現れる。
それは私の別の姿でもある。
猫から人間に変身するから全裸となる。
それでよいか?」
 民放からは、OKで~す、の声が。彼らはいまだに全く信じていない。

「予告はしたぞ。ローラン」
 ちゅっ、ローランはナイトへ唇キス。
ボフン。レジ形態の俊也に変化。実はアンに顔を少しいじってもらった。

「余はシュンヤーダ・ガターオ一世。
シュンヤーダ王国の国王である。
首相。私はこれ以上がまんできない。この者どもを滅ぼしてよろしいか? 
否とお答えなら……」

「$%#“&!」
 ローランが涙ながら(ウソ)、レジに抱きつき、必死で止める(しぐさ)。

「わかった。気を鎮めよう。者ども、ローランに感謝せよ。
この妻は治癒魔法の大魔導師だ。私を鎮める役割も果たす。
そうだな。民間人までせん滅するわけにいかんな。
首相、私の軍隊と貴国の自衛隊、堂々と勝負をしようではないか。
この侮辱はたえられん。
そう、私は元人間だ。転移魔法の事故で猫と合体し、このありさまだ。
笑うがよい。二本の尻尾と猫耳。
だが、私が合体したのはただの猫ではない。莫大な妖力を秘めた猫だった。
人間にこの姿は見せたくなかった。
……ん? どうした? テレビ局、OKではなかったのか?」
 レジのピーは、パオ~ン状態になっていた。俊也形態より凶悪なブツは、凶悪なメイクとあいまって、威圧を与えていた。

特定の趣味を持つ一部はよだれを拭った。

「総理、私は総理にではなく、自衛隊に決闘を申しこんだ。答えを聞こう」
 レジはパオ~ンをフルフル振って首相をにらむ。

「本気ですか?」

「無論。本当はこの無礼なマスコミのやつらだけでもよいのだが、ここまできたら引っ込みがつかない。
一国の王としての体面があるからな」
 レジはパオ~ンを、またフルフル。テレビ局、どうしてるんだろうと思いながら。

このレジ形態、いささか変態色が濃く、その点、ブルーと最高に相性が合っている。

 レジはお調子者モード全開。カクカクカク、とあらぬ腰遣いをご披露。

ユーノとローランは、さすがに恥ずかしくなった。
「‘&%$#$“」
 ユーノがマントを着せる。

「ははは。ユーノが私たちの大切なものを、これ以上見せたくないそうだ。
ときに、マスコミの者、貴様らの代表は誰だ。
前に出ろ」
 マスコミ連中は、お互い顔を見合わせ、当然前に出る者などいない。

「なんだ、責任者はいないのか? では、お前たちに責任を取ってもらうしかない。
どのような武器でもよい! 余が決闘に応じる。
誰かが余に勝てば、自衛隊との決闘は許してやろう」
 
一同、シーン。

「ああ、そうかそうか、日本は平和国。武器はタブーであった。
捨てゴロと行こう。カモン!」

 ドン、グシャ! 

レジの一撃で、記者会見用のテーブルが壊れた。

「どうした。かかってくる者はいないのか? お前たちの責任で、余の国と自衛隊は闘う。
そなたたちの血税がフイになる。余は百パーセント勝てる。
なぜなら、余の部隊は神出鬼没、転位魔法で移動できる。
魔法を放って移動、魔法を放って移動。
この国には転移魔法などない。
つまり異世界の余の国には攻められない。
この中に、あの娘たちが写した動画を見た者がいるか? 
たとえばあの火球、あれ一発で戦車が破壊できる。
あれの十倍の威力の火球を、十発も打ち込めば、巡洋艦クラスでも撃沈できる。
それをゲリラ的に、何度でも行う。
どうやって防衛する? 
どうやって攻撃する者に反撃する? 
そうだ。日本に勝ち目はない。
もっと言おう。私はこの一国を、一発の魔法で滅ぼす自信がある。
最後の最後にはその魔法を放つ。核兵器より強力だぞ。しかも、レーダには映らない。
すべての責任はお前だ、お前だ、お前だ。
責任を取る覚悟もないくせに騒ぐな。
報道の自由? 知る権利? 笑わせるな! 
高校生の女二人を、つけ回すのが自由か、権利か、どうだ、答えろ! 
その報道で国民にどんな利益がある? 
確実に国民の二人を追い詰めた。
それが自由か! 権利か! 出て来い! ×××社の記者、***社の記者、 ・・・・社の記者。
お前たちの言い分を聞こう!」               
 
他社の記者に押され、×××社と****社の記者が前に出た。

「あの記事はお前たちか?」
 記者二人は、プルプルと首を横に振る。

「同じ会社は、間違いないな?」
 コクコクとうなずく。
「あの記事を書いた者と、それを認めた責任者の反論を聞こう。
連れて来い! 
ジャーナリストのプライドが少しでもあるなら、申し開きせよ! 
総理、よいな!」
 首相はコクコクとうなずいた。
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