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150 お父さんの祖国を助けたい
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その日の夜、研修団歓迎会。カナと静香以外のメンバーは全員顔をそろえている。
まずはルラが改めて全員を紹介する。
ついでミーナに始まり、研修団の自己紹介。
「ミーナ・オズモンです。
わたくしはミスト国王の元王妃ながら、お世継ぎを産むことができませんでした。
この館のお噂を聞き、魔法の力をつけた方が、ミストのお役に立つと判断しました。
どうぞよろしくお導き下さい」
ミーナは我ながら白々しいと思いつつ、表向きの口実を言った。
ミスト王室の、大スキャンダルを公にするわけにいかない。
続いて長身やせ気味のクラリス・オネスト、小柄なソフィア・スピリット、ふっくらした感じのバーバラ・サンドが自己紹介する。
ミーナを含め、全員の髪と目の色は茶色だ。ミスト人に多い特徴である。
三人の研修生は、見た目ルラ達と同じ年ごろ。実年齢はマサラやエンランと同じだ。イスタルト貴族風の美人顔ではないが、いずれもあくのない可愛い系で、個性豊か。
十分俊也のストライクゾーン。そして、ミーナは、ミネットとよく似た顔立ちだった。
ミストの密偵ライラが、血縁関係を疑ったのも十分納得できる。
「みなさん、長旅でお疲れでしょう。ごゆっくりお休みください。
飲み物がお望みなら、セルフサービスでどうぞ。
さきほど紹介した使用人は、館外の仕事だけを命じております。
したがって、今後家事は皆様方にも分担していただきます。
ご了承ください」
館の家事をとりしきるルマンダが言う。幸い下級貴族出身の研修生三人は、一通り家事仕事ができるということだった。
ミーナは当然ながら自信がないらしい。
「もちろんなんでもお申し付けください。
俊也様、差し支えなければ、今夜にでもご指導いただけますか?」
ミーナは思いつめた顔で言う。
「ずっと馬車だったでしょ? 大丈夫ですか?」
もちろん美熟女への「指導」に関しては、やぶさかではない。だが、気を張り過ぎではないかと、俊也は心配した。
「大丈夫です。わたくしは一日でも早く、強くならなければなりません」
「そんなに切迫してるんですか?」
「ナームの方は、切迫しているようです。
国境を越えて精鋭魔導師部隊を派遣し、ミスト虎の子の対魔導部隊に、大打撃を与えました。
わたくしは、ミストで数少ない魔導師の即戦力です」
ミーナの言葉は事実だった。つまり、魔物を使った陽動作戦に、ミストはまんまとはまってしまったのだ。
「ナームは、それほど追い詰められている?」
俊也の問いに、ミーナは「そうです」と答えた。
ナームは数年来凶作続き。この冬は多数の餓死者が出た。俊也が思っていた以上に事態は深刻なようだ。
「魔導師の戦力差は、どれほどですか?」
「よくわかりませんが、一対五程度になったのではないかと思います。
ナームには、大規模なせん滅魔法が使える魔導師が、少なくとも三人はいます」
ミーナは苦渋に満ちた顔で言う。つまり、攻撃型の上級魔導師が三人以上存在するということだ。
一つの国で三人程度? そう思うかもしれないが、俊也の魔導師育成システムが異常なだけで、中小国ならそんなものだ。
本来上級魔導師の育成は、基本の大きな器と、長い時間が必要なのだ。
「ミストは?」
「先の王妃、アンナ様のみでございます。アンナ様は魔法戦士部隊に復帰なさいました」
俊也や嫁たちは、ミーナの焦燥の理由がはっきり理解できた。
「俊也さん、私のお父さんの祖国、助けたい」
今まで一言も話さなかったミネットは、決然として言った。
「そっか。お父さんの祖国だもんな。できるだけ目立たない形で俺も手伝う。
ミーナさん、俺の部屋へいきましょう」
そう言って俊也は席を立った。ミーナも席を立ち、ミネットに微笑みかけた。
ミネットはかすかにうなずいた。
「私たちは立場上動けない。アンリ、アン、俊也を手伝って」
ルラの言葉にアンリとアンは、「了解」と簡潔に応えた。
イスタルト貴族出身者が、はっきりした形で一国に加担するわけにいかない。
その点俊也やミネット、アン・アンコンビは身軽なものだった。
傭兵という形をとれば、一応申し開きは立つ。
まずはルラが改めて全員を紹介する。
ついでミーナに始まり、研修団の自己紹介。
「ミーナ・オズモンです。
わたくしはミスト国王の元王妃ながら、お世継ぎを産むことができませんでした。
この館のお噂を聞き、魔法の力をつけた方が、ミストのお役に立つと判断しました。
どうぞよろしくお導き下さい」
ミーナは我ながら白々しいと思いつつ、表向きの口実を言った。
ミスト王室の、大スキャンダルを公にするわけにいかない。
続いて長身やせ気味のクラリス・オネスト、小柄なソフィア・スピリット、ふっくらした感じのバーバラ・サンドが自己紹介する。
ミーナを含め、全員の髪と目の色は茶色だ。ミスト人に多い特徴である。
三人の研修生は、見た目ルラ達と同じ年ごろ。実年齢はマサラやエンランと同じだ。イスタルト貴族風の美人顔ではないが、いずれもあくのない可愛い系で、個性豊か。
十分俊也のストライクゾーン。そして、ミーナは、ミネットとよく似た顔立ちだった。
ミストの密偵ライラが、血縁関係を疑ったのも十分納得できる。
「みなさん、長旅でお疲れでしょう。ごゆっくりお休みください。
飲み物がお望みなら、セルフサービスでどうぞ。
さきほど紹介した使用人は、館外の仕事だけを命じております。
したがって、今後家事は皆様方にも分担していただきます。
ご了承ください」
館の家事をとりしきるルマンダが言う。幸い下級貴族出身の研修生三人は、一通り家事仕事ができるということだった。
ミーナは当然ながら自信がないらしい。
「もちろんなんでもお申し付けください。
俊也様、差し支えなければ、今夜にでもご指導いただけますか?」
ミーナは思いつめた顔で言う。
「ずっと馬車だったでしょ? 大丈夫ですか?」
もちろん美熟女への「指導」に関しては、やぶさかではない。だが、気を張り過ぎではないかと、俊也は心配した。
「大丈夫です。わたくしは一日でも早く、強くならなければなりません」
「そんなに切迫してるんですか?」
「ナームの方は、切迫しているようです。
国境を越えて精鋭魔導師部隊を派遣し、ミスト虎の子の対魔導部隊に、大打撃を与えました。
わたくしは、ミストで数少ない魔導師の即戦力です」
ミーナの言葉は事実だった。つまり、魔物を使った陽動作戦に、ミストはまんまとはまってしまったのだ。
「ナームは、それほど追い詰められている?」
俊也の問いに、ミーナは「そうです」と答えた。
ナームは数年来凶作続き。この冬は多数の餓死者が出た。俊也が思っていた以上に事態は深刻なようだ。
「魔導師の戦力差は、どれほどですか?」
「よくわかりませんが、一対五程度になったのではないかと思います。
ナームには、大規模なせん滅魔法が使える魔導師が、少なくとも三人はいます」
ミーナは苦渋に満ちた顔で言う。つまり、攻撃型の上級魔導師が三人以上存在するということだ。
一つの国で三人程度? そう思うかもしれないが、俊也の魔導師育成システムが異常なだけで、中小国ならそんなものだ。
本来上級魔導師の育成は、基本の大きな器と、長い時間が必要なのだ。
「ミストは?」
「先の王妃、アンナ様のみでございます。アンナ様は魔法戦士部隊に復帰なさいました」
俊也や嫁たちは、ミーナの焦燥の理由がはっきり理解できた。
「俊也さん、私のお父さんの祖国、助けたい」
今まで一言も話さなかったミネットは、決然として言った。
「そっか。お父さんの祖国だもんな。できるだけ目立たない形で俺も手伝う。
ミーナさん、俺の部屋へいきましょう」
そう言って俊也は席を立った。ミーナも席を立ち、ミネットに微笑みかけた。
ミネットはかすかにうなずいた。
「私たちは立場上動けない。アンリ、アン、俊也を手伝って」
ルラの言葉にアンリとアンは、「了解」と簡潔に応えた。
イスタルト貴族出身者が、はっきりした形で一国に加担するわけにいかない。
その点俊也やミネット、アン・アンコンビは身軽なものだった。
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