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154 魔法訓練基礎編
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俊也は研修生たちの魔法訓練に付き合うことにした。
セックスは、しばらく封印ということらしいが、三人は初めてのようだ。できるだけなじんでおく方が好ましい。
「板に松葉を突き立てる? いきなり難関だね」
外の空気はまだ冷たい。ミネットに採ってきてもらった松の枝を花瓶に活け、研修生はリビングでしきりに魔法の練習をしている。
「そうなんですよ。まるで葉が立たない、なんちゃって」
雰囲気になじんできたか、ややぽちゃのバーバラがおどける。
太っているほどではないし、抱き心地はよさそう。
おっぱいもかなりだし。俊也はついその目で見てしまう。
いけませんか! いけなくないよね?
「松葉針! あは、立った、立った」
俊也の隣で侍るミネットが、たやすく松葉を板に突き立てた。
「ミネットなら出来て当たり前。みんなやる気なくすから」
俊也はクレームをつける。
「私も初心者なんですから。仲間に入れて下さいよ」
ミネットは、ほっぺたをかわいくふくらませて言う。
俊也はよく言うよ、と思う。
だが、他の嫁たちに言わせたら、まだまだらしい。確かに細かな魔力操作は、あまりうまくないようだ。
その点、基本をしっかり積んだ、マサラとエンランの進境はめざましい。魔力量はまだミネットに及ばないらしいが、威力はほぼ互角だ。
全くといっていいほど、魔力のロスがないからだと、門前の小僧俊也は理解している。
「ミネットは、石をターゲットにしなさい」
洗濯物を取り込んだフラワーが言う。
「石? 石に松葉が刺さるんですか?」
ミネットがびっくりして聞く。
「マサラやエンランならできるよ。
派手なだけが魔法じゃない」
そう言ってフラワーは、洗濯物の仕分けを始めた。
俊也は、あれっと思った。いつもは清浄魔法を使って、洗濯なんかしないから。
俊也の不思議そうな視線に気づき、フラワーはにんまり笑った。
「料理はまるで下手だから。主婦の意地よ」
なるほど、と俊也は納得。ゆうべルマンダが家事分担の件を話していた。その流れか。
主婦の意地、いつまで続くことやら。
「いきなり板じゃなくて、紙に通してみようか?」
俊也が提案する。
「紙は貴重品でしょ? トイレや枕もとに置いてある紙、使っていいと言われましたが……」
痩せのっぽさんのクラリスが言う。
手漉きに頼るしかないこの世界では、確かに紙は貴重品だ。印刷技術もないので、写本類は超貴重品。
「そうでもないんだよね。ちょっと待ってて」
俊也はメモ帳代わりに束ねた、新聞広告を取ってくる。「最近の広告、ほとんど両面印刷だから」などと、ぶつぶつ文句を言いながら。
妹の朝陽は「貧乏くさいからやめてよ」と、よく俊也にクレームをつけていた。
裏面白紙の広告を、メモ帳がわりにするのは、小さいころからの習慣だった。
「これ、どうしたんですか? いっぱい絵が描いてある」
ミーナが受け取り、まじまじと広告を見た。
「それは写真を印刷したものだよ。
そうだ、みんなの写真撮っていい?
静香がみんなの顔見たいと言ってたから」
俊也はスマホを取り出す。こちらでは撮影機能しか使えないが。
論より証拠。俊也はミーナを写し、披露する。
「何ですか? ひょっとして魔道具?」
ミーナは驚いて聞く。自分の顔がスマホ画面に映っている。
「この館の道具、もう色々見てるだろ?
これもあちらの世界の道具だよ。
あちらでは魔法がほとんど使えない代わりに、驚くほど技術が進んでいる」
「そうですよね。この長い靴下、どうやって編んでるんだろうと思いました。
目が細くて整い過ぎている」
ソフィアが黒のストッキングをつまみ上げる。
俊也は目を細める。白のパンツがみえちゃったりして。
新人のパンチラはやっぱり新鮮!
「まあ、あちらのことはおいおい話すから。
写真撮らせて」
俊也はパシャリ、パシャリと写真を撮る。表情は硬いけど、仕方ないだろう。
「見せて下さい!」
バーバラが俊也の背後にまわり、スマホをのぞきこむ。
柔らか~い! 新人のおっぱいタッチ、やっぱり新鮮!
俊也は超ご機嫌。
「魔法の練習! みんな気合いが足りないよ!」
ミネットがむっとして檄をとばす。
ミネット、やっぱりまだまだだね~。俊也はミネットの頭をぽんぽんとたたいた。
一時間もしないうちに、ミーナは、板に松葉を立てられるようになった。
研修生は紙二、三枚なら通せるようになった。
ミネットも先っぽだけ石に刺せた。
「休憩しようか。やっぱり練習に裏付けられた自信なんだ?」
俊也はじっくりと基礎練習の様子を観察していた。それは初めての経験だ。
何度もトライし、一度成功したらできるようになる。自転車と同じだ。最近ミネットの練習に付き合った俊也は、改めてそう感じた。自分が自転車に乗れるようになったときのことは、忘れていたが。
「俊也さんは、魔法の練習しないんですか?」
ミーナが聞く。
「この体では全然魔法使えない。まるで役立たず」
俊也は苦笑して言う。
「猫又や猫又2に変身したらすごいのよ。
レジ形態はブルーさんより強い。魔法もバリバリだし」
ミネットは胸を張って自慢する。
「ウソでしょ! いえ…今の形では魔法が使えないなんて。
いや、たしかに……」
ミーナは言いよどんだ。言われてみたら今の俊也には全く魔力が感じられない。
だが、ゆうべと今朝は、何ともいえない優しい魔力に包まれ、圧倒的な魔力が体内に押し入り、最後に噴出した魔力が、熱く体中に駆け巡り浸透していった。
その強烈な経験があったから、ミーナは混乱した。その理由に気づいたのは、ミネットだけだった。
ミネットは、わけのわからない困惑を感じた。ふいっと席を立ち、二階へ駆け上がった。
「俊也さん」
ミーナはすがるような目で俊也を見た。俊也はうなずいてミネットの後を追った。
産みの母親が、自分の夫とセックスした。生々しくその事実を実感し、困惑したのだ。
セックスは、しばらく封印ということらしいが、三人は初めてのようだ。できるだけなじんでおく方が好ましい。
「板に松葉を突き立てる? いきなり難関だね」
外の空気はまだ冷たい。ミネットに採ってきてもらった松の枝を花瓶に活け、研修生はリビングでしきりに魔法の練習をしている。
「そうなんですよ。まるで葉が立たない、なんちゃって」
雰囲気になじんできたか、ややぽちゃのバーバラがおどける。
太っているほどではないし、抱き心地はよさそう。
おっぱいもかなりだし。俊也はついその目で見てしまう。
いけませんか! いけなくないよね?
「松葉針! あは、立った、立った」
俊也の隣で侍るミネットが、たやすく松葉を板に突き立てた。
「ミネットなら出来て当たり前。みんなやる気なくすから」
俊也はクレームをつける。
「私も初心者なんですから。仲間に入れて下さいよ」
ミネットは、ほっぺたをかわいくふくらませて言う。
俊也はよく言うよ、と思う。
だが、他の嫁たちに言わせたら、まだまだらしい。確かに細かな魔力操作は、あまりうまくないようだ。
その点、基本をしっかり積んだ、マサラとエンランの進境はめざましい。魔力量はまだミネットに及ばないらしいが、威力はほぼ互角だ。
全くといっていいほど、魔力のロスがないからだと、門前の小僧俊也は理解している。
「ミネットは、石をターゲットにしなさい」
洗濯物を取り込んだフラワーが言う。
「石? 石に松葉が刺さるんですか?」
ミネットがびっくりして聞く。
「マサラやエンランならできるよ。
派手なだけが魔法じゃない」
そう言ってフラワーは、洗濯物の仕分けを始めた。
俊也は、あれっと思った。いつもは清浄魔法を使って、洗濯なんかしないから。
俊也の不思議そうな視線に気づき、フラワーはにんまり笑った。
「料理はまるで下手だから。主婦の意地よ」
なるほど、と俊也は納得。ゆうべルマンダが家事分担の件を話していた。その流れか。
主婦の意地、いつまで続くことやら。
「いきなり板じゃなくて、紙に通してみようか?」
俊也が提案する。
「紙は貴重品でしょ? トイレや枕もとに置いてある紙、使っていいと言われましたが……」
痩せのっぽさんのクラリスが言う。
手漉きに頼るしかないこの世界では、確かに紙は貴重品だ。印刷技術もないので、写本類は超貴重品。
「そうでもないんだよね。ちょっと待ってて」
俊也はメモ帳代わりに束ねた、新聞広告を取ってくる。「最近の広告、ほとんど両面印刷だから」などと、ぶつぶつ文句を言いながら。
妹の朝陽は「貧乏くさいからやめてよ」と、よく俊也にクレームをつけていた。
裏面白紙の広告を、メモ帳がわりにするのは、小さいころからの習慣だった。
「これ、どうしたんですか? いっぱい絵が描いてある」
ミーナが受け取り、まじまじと広告を見た。
「それは写真を印刷したものだよ。
そうだ、みんなの写真撮っていい?
静香がみんなの顔見たいと言ってたから」
俊也はスマホを取り出す。こちらでは撮影機能しか使えないが。
論より証拠。俊也はミーナを写し、披露する。
「何ですか? ひょっとして魔道具?」
ミーナは驚いて聞く。自分の顔がスマホ画面に映っている。
「この館の道具、もう色々見てるだろ?
これもあちらの世界の道具だよ。
あちらでは魔法がほとんど使えない代わりに、驚くほど技術が進んでいる」
「そうですよね。この長い靴下、どうやって編んでるんだろうと思いました。
目が細くて整い過ぎている」
ソフィアが黒のストッキングをつまみ上げる。
俊也は目を細める。白のパンツがみえちゃったりして。
新人のパンチラはやっぱり新鮮!
「まあ、あちらのことはおいおい話すから。
写真撮らせて」
俊也はパシャリ、パシャリと写真を撮る。表情は硬いけど、仕方ないだろう。
「見せて下さい!」
バーバラが俊也の背後にまわり、スマホをのぞきこむ。
柔らか~い! 新人のおっぱいタッチ、やっぱり新鮮!
俊也は超ご機嫌。
「魔法の練習! みんな気合いが足りないよ!」
ミネットがむっとして檄をとばす。
ミネット、やっぱりまだまだだね~。俊也はミネットの頭をぽんぽんとたたいた。
一時間もしないうちに、ミーナは、板に松葉を立てられるようになった。
研修生は紙二、三枚なら通せるようになった。
ミネットも先っぽだけ石に刺せた。
「休憩しようか。やっぱり練習に裏付けられた自信なんだ?」
俊也はじっくりと基礎練習の様子を観察していた。それは初めての経験だ。
何度もトライし、一度成功したらできるようになる。自転車と同じだ。最近ミネットの練習に付き合った俊也は、改めてそう感じた。自分が自転車に乗れるようになったときのことは、忘れていたが。
「俊也さんは、魔法の練習しないんですか?」
ミーナが聞く。
「この体では全然魔法使えない。まるで役立たず」
俊也は苦笑して言う。
「猫又や猫又2に変身したらすごいのよ。
レジ形態はブルーさんより強い。魔法もバリバリだし」
ミネットは胸を張って自慢する。
「ウソでしょ! いえ…今の形では魔法が使えないなんて。
いや、たしかに……」
ミーナは言いよどんだ。言われてみたら今の俊也には全く魔力が感じられない。
だが、ゆうべと今朝は、何ともいえない優しい魔力に包まれ、圧倒的な魔力が体内に押し入り、最後に噴出した魔力が、熱く体中に駆け巡り浸透していった。
その強烈な経験があったから、ミーナは混乱した。その理由に気づいたのは、ミネットだけだった。
ミネットは、わけのわからない困惑を感じた。ふいっと席を立ち、二階へ駆け上がった。
「俊也さん」
ミーナはすがるような目で俊也を見た。俊也はうなずいてミネットの後を追った。
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