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169 琴音、どうする?
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ここはカナと琴音が通う高校。一応進学クラスながら、専門学校を予定しているカナと琴音は気楽なものだ。
高三の三学期、周囲はピリピリしている。
「琴ちゃん、ずいぶんうまくなったね。針運び」
琴音は周囲の顰蹙の目なんか気にしない。目下ぬいぐるみ制作にいそしんでいる。
その心は、お針子さんに向けての訓練もあるが、魔法のぬいぐるみ、私も絶対ほしい!
「もうカナを抜いちゃった?」
琴音は屈託ない笑顔を向ける。
「まだまだ」
カナはムキになって言う。
「最近誘ってくれないけど、どうなってんの?」
もちろん、俊也を巡る合同エッチイベントのことだ。
「話さなかったけど、戦争に従軍してた。
大勝利だった」
「戦…マジで?」
琴音は大声を出しかけ、慌てて声をひそめる。
「マジで。何人殺したかわかんないって。
あっちの世界はそういうところ。
ひいた?」
カナは琴音の目を見据える。
「相当……。あんた、ほんと腹を据えてる」
「あの人の嫁だもん」
カナは平然として一向にたじろがない。
カナにはかなわない。琴音は率直にそう思った。
「で?」
「ん?」
「大勝利だったんでしょ? 凱旋帰国」
なんのことだか分らなかったカナは、はは~んと思った。要するに、エッチのおねだりだ。
「明日。行く?」
「いかいでか!」
琴音の心は、ふらふらしながらも、やはりあの男とのエッチは忘れられなかった。
琴音はふと気づく。カナはどうして知ってた? 従軍と大勝利。
「あの人、カナの家には通ってた?」
「もちろん。嫁だもん。
あの人、まだ根に持ってるよ。例の海でのイベント。
琴ちゃんは誘いたくないって」
「マジで? あのとき態度が変だと思ったけど、それで?」
「他に考えられない。
あの俊也さんだよ。せっかく大使館にまで来てるあなたを、疲れてるから、なんて言って、拒む人じゃないでしょ?」
「だよね~……。嫌われちゃった?」
「嫌ってるなら、そんな態度とらないよ。
自分でもわかってるはず。理不尽だって。
あなたを縛る権利はない。
だけど、感情は別ということ?
感情をごまかせない人だから」
「だけど、あのイベントの時は、詳しく話してなかったでしょ?
あのとき清廉潔白の証拠も、ばっちり示した」
琴音の言うあのイベントとは、もちろん琴音とのファーストエッチを指す。琴音がナンパされたと聞いて、俊也の処女破りはそれまでと違い、痛みと出血を伴っていた。
そして、俊也は、そのナンパ相手と出くわしてしまった。結果、琴音は落城寸前だったことが判明。カレシでもなかったころのことだから、とがめる資格はないこと、理屈ではわかっている。だが、俊也の感情はいかんともしがたし。
「証拠ね……。たしかに。泣きだすんだもん。
びっくりした。
初心者だから、ちゃんと加減してくれたのに。
痛みを取る魔法もかけてあげたし。
あの後、ふらふらになったんだよ。治癒魔法は魔力消費量がでかいの」
「だってあのド迫力だよ。そうか、カナがぐったりしてたの、魔法が原因だったんだ?」
「親友に感謝しろ。明日もとりなしてあげる」
「はい。カナには一生頭が上がりません」
殊勝にも琴音はそう応えた。なんのことだかわからない方は、前の方を読んでください。
「教えたくないけど情報が二つ。聞きたい?」
カナは勿体をつけて言う。
「うん」
「一挙に四人増えた」
「マジで?」
「マジで」
「まあ、あの人だから仕方ないか。事情は明日聞くとして。もう一つは?」
「耳を貸しなさい」
「うんうん」
琴音はカナの口元に耳を寄せる。
「魔力ゼロでも、妊娠したら魔力が持てるようになる」
「マジで?」
「マジで。静香さんが証明してくれた。どうする?
若さ、かなり保てるよ」
琴音はしばし沈思黙考。
「態度保留」
「この軟弱者」
「たしかに」
琴音のふらふら魂は、いっそうふらふらした。
高三の三学期、周囲はピリピリしている。
「琴ちゃん、ずいぶんうまくなったね。針運び」
琴音は周囲の顰蹙の目なんか気にしない。目下ぬいぐるみ制作にいそしんでいる。
その心は、お針子さんに向けての訓練もあるが、魔法のぬいぐるみ、私も絶対ほしい!
「もうカナを抜いちゃった?」
琴音は屈託ない笑顔を向ける。
「まだまだ」
カナはムキになって言う。
「最近誘ってくれないけど、どうなってんの?」
もちろん、俊也を巡る合同エッチイベントのことだ。
「話さなかったけど、戦争に従軍してた。
大勝利だった」
「戦…マジで?」
琴音は大声を出しかけ、慌てて声をひそめる。
「マジで。何人殺したかわかんないって。
あっちの世界はそういうところ。
ひいた?」
カナは琴音の目を見据える。
「相当……。あんた、ほんと腹を据えてる」
「あの人の嫁だもん」
カナは平然として一向にたじろがない。
カナにはかなわない。琴音は率直にそう思った。
「で?」
「ん?」
「大勝利だったんでしょ? 凱旋帰国」
なんのことだか分らなかったカナは、はは~んと思った。要するに、エッチのおねだりだ。
「明日。行く?」
「いかいでか!」
琴音の心は、ふらふらしながらも、やはりあの男とのエッチは忘れられなかった。
琴音はふと気づく。カナはどうして知ってた? 従軍と大勝利。
「あの人、カナの家には通ってた?」
「もちろん。嫁だもん。
あの人、まだ根に持ってるよ。例の海でのイベント。
琴ちゃんは誘いたくないって」
「マジで? あのとき態度が変だと思ったけど、それで?」
「他に考えられない。
あの俊也さんだよ。せっかく大使館にまで来てるあなたを、疲れてるから、なんて言って、拒む人じゃないでしょ?」
「だよね~……。嫌われちゃった?」
「嫌ってるなら、そんな態度とらないよ。
自分でもわかってるはず。理不尽だって。
あなたを縛る権利はない。
だけど、感情は別ということ?
感情をごまかせない人だから」
「だけど、あのイベントの時は、詳しく話してなかったでしょ?
あのとき清廉潔白の証拠も、ばっちり示した」
琴音の言うあのイベントとは、もちろん琴音とのファーストエッチを指す。琴音がナンパされたと聞いて、俊也の処女破りはそれまでと違い、痛みと出血を伴っていた。
そして、俊也は、そのナンパ相手と出くわしてしまった。結果、琴音は落城寸前だったことが判明。カレシでもなかったころのことだから、とがめる資格はないこと、理屈ではわかっている。だが、俊也の感情はいかんともしがたし。
「証拠ね……。たしかに。泣きだすんだもん。
びっくりした。
初心者だから、ちゃんと加減してくれたのに。
痛みを取る魔法もかけてあげたし。
あの後、ふらふらになったんだよ。治癒魔法は魔力消費量がでかいの」
「だってあのド迫力だよ。そうか、カナがぐったりしてたの、魔法が原因だったんだ?」
「親友に感謝しろ。明日もとりなしてあげる」
「はい。カナには一生頭が上がりません」
殊勝にも琴音はそう応えた。なんのことだかわからない方は、前の方を読んでください。
「教えたくないけど情報が二つ。聞きたい?」
カナは勿体をつけて言う。
「うん」
「一挙に四人増えた」
「マジで?」
「マジで」
「まあ、あの人だから仕方ないか。事情は明日聞くとして。もう一つは?」
「耳を貸しなさい」
「うんうん」
琴音はカナの口元に耳を寄せる。
「魔力ゼロでも、妊娠したら魔力が持てるようになる」
「マジで?」
「マジで。静香さんが証明してくれた。どうする?
若さ、かなり保てるよ」
琴音はしばし沈思黙考。
「態度保留」
「この軟弱者」
「たしかに」
琴音のふらふら魂は、いっそうふらふらした。
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