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番外編
ある日のアルファの嫉妬 後編※
「そんなに気になるか?」
後ろから強く逞しい腕に抱かれて硬い体に引き寄せられた。ビターな魅惑的なフェロモンが俺を包む。
「私の雪をこれ以上困らせないでもらえるかな」
「あ……っ」
目の前の愛斗くんは頬を染めてまんまるな瞳を輝かせて須賀を見上げている。さっき俺と結婚したいだなんて言ったが須賀を前にしたら彼もΩだ、αに釘付けになっているようだ。
チリチリと胸が妬けた気がした。
須賀元親は俺のαだ。そんな目で須賀を見てほしくない。見るからにΩらしい愛くるしい愛斗くんに、俺は焦りを覚えた。もし、須賀が一目惚れでもしたら……。
不安が過りながらおずおずと須賀を見上げると、須賀の瞳とすぐに合った。俺だけを見つめていて、俺と目が合うとすぐに微笑した。
「迎えに来たよ」
栗茶の髪にちゅっとキスをした。ふんわりと須賀のフェロモンが香る。
「センパイ……もしかして」
愛斗くんが話しかけてくるが、俺は須賀から目を逸らすことができなかった。
須賀は敢えてじっと俺の目を見ていて、このΩは誰だと俺に言っているみたいだった。何も答えられないでいると、須賀の目が逸れ愛斗くんを見た。
──駄目、他のΩを見ないで!
すると軽く須賀のフェロモンが変わった。須賀が少し意外そうにこちらに向き直る。
「ぐ…っ、わ、分かりました! 僕は失礼します!」
すると突然愛斗くんは慌てて椅子から立ち上がった。須賀がフェロモンを放ったのだろうか、かわいらしい顔を引きつらせ慌てて控室を出ていったのだ。須賀はその後ろ姿を見送ってゆっくりこちらを向いた。
「理解が早くていいね、小賢しいΩ」
「え……?」
「話はすべて聞こえていたよ、センパイ」
須賀は冗談ぽく言うけれど、目が笑っていなかった。
「雪、帰るぞ」
「……はい」
須賀は俺の手を引いて階下に降りる。スタジオの出口で波野さんとすれ違うと、須賀は無言で波野さんの前を通り過ぎた。波野さんはとても慌てた顔をしていたが、俺が「大丈夫ですから……」と声を消して口パクで謝ると、波野さんは苦笑いを見せた。
「………ハァ………っ、ンッ…………」
四つん這いにされ、須賀の長い指が差し込まれて俺の内壁を擦る。もう何度目だろう。自重を支えられなくなってぐったりシーツに沈んだ。俺だけ後ろを指で突かれ掻き回され何度となくイかされている。
須賀の定宿であるこの部屋に連れてこられ、ドアが締め切らないうちに熱い体に抱きしめられた。『雪に寄ってくる虫はαだけじゃなかったか……』と嘆きのようなその声に、嫉妬に駆られた須賀のα性を感じた。俺は背伸びして須賀の首に縋りついた。
あのときの部屋だというのは、なんとなく頭のどこかで分かってはいた。初めて須賀と我を忘れて求めあったホテルの一室。でも今はどこもかしこも熱い須賀の身体を、早く受け入れたい、それだけだった。
そういえばあのときもそうだったかもしれないと思った。目があっただけでお互い唇を貪りあった。相手の熱が欲しくて欲しくて仕方なかったんだ。
「あぁ……っ」
いきなり腰を掴まれると尻だけ上に持ち上げられ、後ろに突き出すような格好にさせられた。再び俺の孔を指の腹で撫で始めると次第にくちゅくちゅという水音が聞こえはじめた。孔には今まで感じたことのない快感が広がった。
「…………ンッ……元親さ……っ」
「いい子だ」
孔に息がかかった。えも言われぬ快感は須賀の舌だった。舌先を尖らせて俺の中に入り込もうとしている。
「だめだ……そんなとこ…………ンッ……」
「……私の雪、全て私のものだからな」
須賀の息をそこで感じるたびに、本当に俺の孔を舐めているのだと感じるともう羞恥で逃げ出したくなる。思わず腰を引いてしまうが、すかさず逞しい腕でそれは簡単に阻止され、須賀の指が急に貫いた。
「ひぁ────……っっ」
須賀の親指が根元まで侵入しグリグリとナカを刺激すると、さっきまで恥ずかしげに逃げていた腰が今度はそれを求めて須賀に突き出していた。
須賀は、愛斗くんと俺の仲を嫉妬している。俺をもっと自分のもにしたくて俺を支配しようとしてる。やはり皆が言うように須賀は嫉妬深いのかもしれない。
けれど、俺はそれが心から嬉しい。こんなふうに須賀に攻められること、求められることに悦びを感じてる。
自分がΩになれる唯一の瞬間だからかもしれない。
それにそんな須賀がとても可愛らしく思えるんだ。
「──ンッ!」
発情期ではない俺に、須賀はローションを塗り付けた。少しひんやりしたものが須賀の指と共に俺の中に入り込んで、抜き差しされると腹の奥がしくしくと疼く。
「元親さ……、もう……っ、…………ンッ」
「もう、なんだ?」
「来て……おねがい……」
二本の指で掻き回されると、須賀が欲しくて欲しくて堪らなくなった。
「男に言い寄られて、悪い気はしなかったろ」
「……んなの、ンッ……ないってばぁ……」
「どうだろうな」
シーツを握りしめ後ろを振り向くと、須賀は熱っぽい眼差しに耐えきれないという表情を浮かべながら、空いている方の手でネクタイを少し緩めた。
そう、須賀は上着こそ脱ぎ捨てたがネクタイも外すことなく、俺だけが一人裸にされている。
須賀の長い指が俺の敏感なところに届くと、指の腹で数回擦られるだけで俺は呆気なく達してしまった。
「あ──っ…………ンァ────……っ」
「雪、かわいいよ雪……」
そう囁きながら俺の尻たぶをなめ回す須賀に、俺はふらふらになりながら身体の向きを変えて須賀と向き合った。須賀のネクタイを抜き取り、ワイシャツのボタンを外していく。
黙ってされるがままになる須賀が、ふと笑みをこぼした。
「雪、私は嬉しいんだ」
「脱がされて?」
俺が聞くと須賀はふっと再び笑う。
「あぁ、そうだな。でも、これよりもっと嬉しいことだ。さっきあの男に雪がフェロモンを放っただろう?」
「フェロモン? 違う! 本当に誤解だよ! なんの関係も──」
「そうじゃない、わかってるよ」
なだめるかのように須賀が俺にキスをした。
「雪があのΩに威嚇のフェロモンを使っただろう。その感じだと気づいていなかったか?」
──威嚇?? 俺が?
確かに愛斗くんはフェロモンに当てられて慌てて逃げるように控室を出ていった。須賀が威嚇を放ったんじゃないのか?
「そんな。あれは元親さんが……」
「私じゃあない」
「違うの……?」
須賀は嬉しそうに俺を抱き締め膝に乗せた。
「私に近づけさせたくなかったのだろう?」
「……!!」
俺の気持ちを完全に言葉にされて、顔から火が出そうに熱くなった。
「それがどれだけ嬉しかったか、雪に分かるかな?」
そう話しながら須賀のキスは下へと移っていく。
「ン──……っ」
「雪……私は雪のものだ、永遠にな」
胸の尖りを強く吸引され仰け反ると、その勢いのままシーツに雪崩込んだ。須賀のフェロモンが増して俺の思考がふわりとする。麻薬のように、須賀から与えられる快感に溺れたくなる。他は考えたくないのだ。
「私を欲しがってくれ」
まるで縋るように俺の胸に顔を寄せて背を丸める須賀を、俺は両手いっぱいに抱きしめた。
「雪、……愛しているんだ」
「俺もです、だいすき……元親さん……」
須賀は俺にキスとすると上体を起こし大きな手が俺の太ももを撫でると、遂に須賀の屹立した性器が貫いた。
待ち望んだ快感に俺はしがみついた。須賀は野獣のように喉の奥を唸らせながら腰を強く打ち付ける。
「ハァ……雪、受け入れてくれ、私を、私の全てを!」
「んぁ──……っ……あ……あぁ…………っ」
発情期でもないのにすっかり根元付近まで熱を受け入れてしまっている自分に、俺は歓喜した。
──俺はΩだ。
正真正銘の、須賀だけのΩ。
後ろから強く逞しい腕に抱かれて硬い体に引き寄せられた。ビターな魅惑的なフェロモンが俺を包む。
「私の雪をこれ以上困らせないでもらえるかな」
「あ……っ」
目の前の愛斗くんは頬を染めてまんまるな瞳を輝かせて須賀を見上げている。さっき俺と結婚したいだなんて言ったが須賀を前にしたら彼もΩだ、αに釘付けになっているようだ。
チリチリと胸が妬けた気がした。
須賀元親は俺のαだ。そんな目で須賀を見てほしくない。見るからにΩらしい愛くるしい愛斗くんに、俺は焦りを覚えた。もし、須賀が一目惚れでもしたら……。
不安が過りながらおずおずと須賀を見上げると、須賀の瞳とすぐに合った。俺だけを見つめていて、俺と目が合うとすぐに微笑した。
「迎えに来たよ」
栗茶の髪にちゅっとキスをした。ふんわりと須賀のフェロモンが香る。
「センパイ……もしかして」
愛斗くんが話しかけてくるが、俺は須賀から目を逸らすことができなかった。
須賀は敢えてじっと俺の目を見ていて、このΩは誰だと俺に言っているみたいだった。何も答えられないでいると、須賀の目が逸れ愛斗くんを見た。
──駄目、他のΩを見ないで!
すると軽く須賀のフェロモンが変わった。須賀が少し意外そうにこちらに向き直る。
「ぐ…っ、わ、分かりました! 僕は失礼します!」
すると突然愛斗くんは慌てて椅子から立ち上がった。須賀がフェロモンを放ったのだろうか、かわいらしい顔を引きつらせ慌てて控室を出ていったのだ。須賀はその後ろ姿を見送ってゆっくりこちらを向いた。
「理解が早くていいね、小賢しいΩ」
「え……?」
「話はすべて聞こえていたよ、センパイ」
須賀は冗談ぽく言うけれど、目が笑っていなかった。
「雪、帰るぞ」
「……はい」
須賀は俺の手を引いて階下に降りる。スタジオの出口で波野さんとすれ違うと、須賀は無言で波野さんの前を通り過ぎた。波野さんはとても慌てた顔をしていたが、俺が「大丈夫ですから……」と声を消して口パクで謝ると、波野さんは苦笑いを見せた。
「………ハァ………っ、ンッ…………」
四つん這いにされ、須賀の長い指が差し込まれて俺の内壁を擦る。もう何度目だろう。自重を支えられなくなってぐったりシーツに沈んだ。俺だけ後ろを指で突かれ掻き回され何度となくイかされている。
須賀の定宿であるこの部屋に連れてこられ、ドアが締め切らないうちに熱い体に抱きしめられた。『雪に寄ってくる虫はαだけじゃなかったか……』と嘆きのようなその声に、嫉妬に駆られた須賀のα性を感じた。俺は背伸びして須賀の首に縋りついた。
あのときの部屋だというのは、なんとなく頭のどこかで分かってはいた。初めて須賀と我を忘れて求めあったホテルの一室。でも今はどこもかしこも熱い須賀の身体を、早く受け入れたい、それだけだった。
そういえばあのときもそうだったかもしれないと思った。目があっただけでお互い唇を貪りあった。相手の熱が欲しくて欲しくて仕方なかったんだ。
「あぁ……っ」
いきなり腰を掴まれると尻だけ上に持ち上げられ、後ろに突き出すような格好にさせられた。再び俺の孔を指の腹で撫で始めると次第にくちゅくちゅという水音が聞こえはじめた。孔には今まで感じたことのない快感が広がった。
「…………ンッ……元親さ……っ」
「いい子だ」
孔に息がかかった。えも言われぬ快感は須賀の舌だった。舌先を尖らせて俺の中に入り込もうとしている。
「だめだ……そんなとこ…………ンッ……」
「……私の雪、全て私のものだからな」
須賀の息をそこで感じるたびに、本当に俺の孔を舐めているのだと感じるともう羞恥で逃げ出したくなる。思わず腰を引いてしまうが、すかさず逞しい腕でそれは簡単に阻止され、須賀の指が急に貫いた。
「ひぁ────……っっ」
須賀の親指が根元まで侵入しグリグリとナカを刺激すると、さっきまで恥ずかしげに逃げていた腰が今度はそれを求めて須賀に突き出していた。
須賀は、愛斗くんと俺の仲を嫉妬している。俺をもっと自分のもにしたくて俺を支配しようとしてる。やはり皆が言うように須賀は嫉妬深いのかもしれない。
けれど、俺はそれが心から嬉しい。こんなふうに須賀に攻められること、求められることに悦びを感じてる。
自分がΩになれる唯一の瞬間だからかもしれない。
それにそんな須賀がとても可愛らしく思えるんだ。
「──ンッ!」
発情期ではない俺に、須賀はローションを塗り付けた。少しひんやりしたものが須賀の指と共に俺の中に入り込んで、抜き差しされると腹の奥がしくしくと疼く。
「元親さ……、もう……っ、…………ンッ」
「もう、なんだ?」
「来て……おねがい……」
二本の指で掻き回されると、須賀が欲しくて欲しくて堪らなくなった。
「男に言い寄られて、悪い気はしなかったろ」
「……んなの、ンッ……ないってばぁ……」
「どうだろうな」
シーツを握りしめ後ろを振り向くと、須賀は熱っぽい眼差しに耐えきれないという表情を浮かべながら、空いている方の手でネクタイを少し緩めた。
そう、須賀は上着こそ脱ぎ捨てたがネクタイも外すことなく、俺だけが一人裸にされている。
須賀の長い指が俺の敏感なところに届くと、指の腹で数回擦られるだけで俺は呆気なく達してしまった。
「あ──っ…………ンァ────……っ」
「雪、かわいいよ雪……」
そう囁きながら俺の尻たぶをなめ回す須賀に、俺はふらふらになりながら身体の向きを変えて須賀と向き合った。須賀のネクタイを抜き取り、ワイシャツのボタンを外していく。
黙ってされるがままになる須賀が、ふと笑みをこぼした。
「雪、私は嬉しいんだ」
「脱がされて?」
俺が聞くと須賀はふっと再び笑う。
「あぁ、そうだな。でも、これよりもっと嬉しいことだ。さっきあの男に雪がフェロモンを放っただろう?」
「フェロモン? 違う! 本当に誤解だよ! なんの関係も──」
「そうじゃない、わかってるよ」
なだめるかのように須賀が俺にキスをした。
「雪があのΩに威嚇のフェロモンを使っただろう。その感じだと気づいていなかったか?」
──威嚇?? 俺が?
確かに愛斗くんはフェロモンに当てられて慌てて逃げるように控室を出ていった。須賀が威嚇を放ったんじゃないのか?
「そんな。あれは元親さんが……」
「私じゃあない」
「違うの……?」
須賀は嬉しそうに俺を抱き締め膝に乗せた。
「私に近づけさせたくなかったのだろう?」
「……!!」
俺の気持ちを完全に言葉にされて、顔から火が出そうに熱くなった。
「それがどれだけ嬉しかったか、雪に分かるかな?」
そう話しながら須賀のキスは下へと移っていく。
「ン──……っ」
「雪……私は雪のものだ、永遠にな」
胸の尖りを強く吸引され仰け反ると、その勢いのままシーツに雪崩込んだ。須賀のフェロモンが増して俺の思考がふわりとする。麻薬のように、須賀から与えられる快感に溺れたくなる。他は考えたくないのだ。
「私を欲しがってくれ」
まるで縋るように俺の胸に顔を寄せて背を丸める須賀を、俺は両手いっぱいに抱きしめた。
「雪、……愛しているんだ」
「俺もです、だいすき……元親さん……」
須賀は俺にキスとすると上体を起こし大きな手が俺の太ももを撫でると、遂に須賀の屹立した性器が貫いた。
待ち望んだ快感に俺はしがみついた。須賀は野獣のように喉の奥を唸らせながら腰を強く打ち付ける。
「ハァ……雪、受け入れてくれ、私を、私の全てを!」
「んぁ──……っ……あ……あぁ…………っ」
発情期でもないのにすっかり根元付近まで熱を受け入れてしまっている自分に、俺は歓喜した。
──俺はΩだ。
正真正銘の、須賀だけのΩ。
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