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第22話 アクアヒル
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箱庭に町を設置したレイは開発を住民達に任せつつアクアヒルに向かい足を進めていった。
そうして粗方町が整い始めた頃、レイとリリーはエルドニア南東部にある町アクアヒルに到着した。
「おぉ~! ここがアクアヒル! 凄い湖だ!」
「キラキラ光ってるなのっ」
二人はアクアヒルの町と湖が見渡せる丘から景色を堪能していた。湖がないフォールガーデンにいたレイはこの日初めて見た湖に感動していた。
「凄いよリリー! これ海じゃなくて湖なんだよね?」
「初めて見るなの?」
「うん、海なら見た事あるけどね。はぁ~……凄いな。リリー、あの中央に浮かんでるのは何?」
湖の中央にひょうたん型の土地があった。
「あれば湖の神様を祀ってるお社があるなの」
「神様の社? やしろって何?」
「神殿みたいなものなの」
「へぇ~。近くで見れたり?」
「ダメなの。あの小島は立ち入り禁止なの」
「そっかぁ。近くで見てみたかったんだけどな」
そう呟くレイの腕をリリーが引く。
「それより早く町に向かうなのっ。それから魚を捕まえて箱庭で飼育するなのっ」
「うん、行こうか。僕の釣りスキルに任せて」
「じゅるり……」
リリーは魚を料理が待ち遠しいのか気が急いでいた。かくいうレイも新鮮七魚料理に飢えていたのか、町に向かう足取りは軽やかだった。
丘を下り湖畔を歩く。湖を見ると結構な数の人が熱心に湖を眺めていた。
「う~む……あそこが良いか……。いや、前のポイントも捨て難いしなぁ」
「よし、俺はここに決めた。来週は俺が優勝だ!」
熱心な人達の声がレイの耳に届く。
「皆何してるんだろ?」
「わか──あ、もしかして!」
「ん?」
リリーは何かを思い出したかのように手を打った。
「あれは毎年開催されてる釣り大会の下見なのっ」
「釣り……大会?」
「うんなのっ。大会は毎年この魚が一番美味しくなる時期に開催してて、一番大きな魚を釣った人が釣り名人として讃えられるなの」
「それだけ? 賞金とかは?」
「あるなのっ。優勝したらアクアヒルに家を貰えるなの」
「い、家を!? なるほど……」
リリーの話を聞き改めて釣り人達を見る。その誰もが真剣だった理由が家を貰えるからだと知ったレイは釣り人達の熱気に納得した。
「家が貰えるから皆気合い入ってるんだなぁ」
「貧しい人が無料で家を貰える機会なんてそうそうない事なの。だから皆毎年ここに集まるなの」
「そっか。じゃあ邪魔はできないかな。僕達の釣りは大会が終わったらにしよう。それまでは町でも見て回ろうか」
「わかったなのっ」
箱庭の中に家があるレイはこの大会に全てを賭けて臨んでいる人達の邪魔にならないように大会が終わるまで待つ事にした。
「お、入り口が見えたな。行こうリリー」
「うんなのっ」
二人は湖畔に面した町に入る。町の中は大会があるためかかなりの賑わいを見せていた。
「さあ~買った買った! 昨年の優勝者が使った竿を作った工房の作品はここだよっ!」
「大物を狙うならウチの糸買っといて損はないよっ! アラクネの糸から仕上げた丈夫な糸はウチでしか扱ってないよ!」
「いらっしゃいませ~。宿ならまだ空きがありますよ~。美味しい魚料理が自慢の宿で~す」
これまで立ち寄った中で一番の賑わいを見せる町に二人は驚いていた。
「凄い熱気だね」
「平和な証拠なのっ」
「うん、戦がないから皆娯楽に興じられてるんだな」
「レイ、あの宿行こっ! もうお腹ペコペコなのっ」
「ははっ、うん行こうか」
レイは呼び込みをしていた女性に声を掛けようと近づく。だがそんなレイの腕を小さな女の子が引いた。
「旅人さん」
「え? 誰?」
女の子は握った手を離さずレイに言った。
「あの宿は高いです。魚料理もそんなに美味しくないですよ?」
「そ、そうなの?」
「泊まる所探してるなら私のとこの方が良いですよ!」
「君の家は宿屋なの?」
「うんっ。どこよりも安いし美味しい料理も出すからっ。お願いしますっ、家に泊まって下さいっ」
レイは悩んだ。どこよりも安い上に美味しい料理を出す宿など普通埋まっているはずだ。大会まであと一週間あるとはいえ空いているのはおかしい。
「空き部屋はいっぱいある感じなの?」
「い、今ならどの部屋も選び放題ですっ」
この言葉から女の子の宿屋は何かしら理由があり不人気なのだと悟った。だがレイは女の子の気持ちを無碍にはできなかった。
「わかったよ、案内してもらえる?」
「あ、ありがとうございますっ! こっちです!」
そのまま腕を引かれ町を歩く。やがて喧騒から離れ着いた先は町外れにある小さな一軒家だった。
「い、家? 宿屋なのここ?」
「い、一応宿屋ですよっ。どうぞっ。お母さ~ん、お客さん連れて来たよ~」
若干怪しさを感じながら建物の中に入る。中はとても宿とは思えない普通の一軒家だった。その中に女の子母親がエプロン姿でテーブルに座っていた。
「お客さん? え? 本当に? 家に泊まるの? こんなオンボロな宿よ?」
「え? どういう事?」
「はうぅ」
女の子を見ると少し落ち込んで見えた。
「あの、家は見ての通りボロボロです。何人か連れてきたけど皆すぐに帰っちゃって……」
「娘がごめんなさいね? 無理にとは言いませんので今からでも他の宿に……」
「だ、だめだよ! お客さん入らないとまた借金増えちゃうよっ!」
「それは家の事情でお客さんには関係ないでしょう? 選ぶのはお客さんなんだから。無理矢理はダメよ」
「け、けど……」
レイは母娘に何かしら事情があるのだろうと察し、泊まる気でいた。リリーも何かしら察したのか首を縦に振った。
「あの、泊まりますよ」
「「え?」」
母娘が驚いた表情でレイ達を見る。
「よ、よろしいんですか? 探せばもっと良い宿もありますよ?」
「お母さん! 旅人さんが泊まるって言ってるのに何言ってるの!」
「け、けど……」
何か母親には泊まらせたくない事情があるようだ。そしてその事情はすぐに判明する事となる。
「あ、あの──」
「お邪魔しますよぉ」
「っ! い、いらっしゃい……ませ」
建物の中に数名の男達が入ってきた。先頭には装飾品をジュラジャラ着けた黒ずくめの男。その後ろに強面で体格の良い男が二人立っている。その男達を見た瞬間母親の表情は強張り、娘は何故かレイの後ろに隠れた。
「客じゃないのはわかっているでしょう? そろそろ利息くらい支払っては貰えませんかねぇ」
「そ、その……今は……」
レイはしばらく様子を伺う事にするのだった。
そうして粗方町が整い始めた頃、レイとリリーはエルドニア南東部にある町アクアヒルに到着した。
「おぉ~! ここがアクアヒル! 凄い湖だ!」
「キラキラ光ってるなのっ」
二人はアクアヒルの町と湖が見渡せる丘から景色を堪能していた。湖がないフォールガーデンにいたレイはこの日初めて見た湖に感動していた。
「凄いよリリー! これ海じゃなくて湖なんだよね?」
「初めて見るなの?」
「うん、海なら見た事あるけどね。はぁ~……凄いな。リリー、あの中央に浮かんでるのは何?」
湖の中央にひょうたん型の土地があった。
「あれば湖の神様を祀ってるお社があるなの」
「神様の社? やしろって何?」
「神殿みたいなものなの」
「へぇ~。近くで見れたり?」
「ダメなの。あの小島は立ち入り禁止なの」
「そっかぁ。近くで見てみたかったんだけどな」
そう呟くレイの腕をリリーが引く。
「それより早く町に向かうなのっ。それから魚を捕まえて箱庭で飼育するなのっ」
「うん、行こうか。僕の釣りスキルに任せて」
「じゅるり……」
リリーは魚を料理が待ち遠しいのか気が急いでいた。かくいうレイも新鮮七魚料理に飢えていたのか、町に向かう足取りは軽やかだった。
丘を下り湖畔を歩く。湖を見ると結構な数の人が熱心に湖を眺めていた。
「う~む……あそこが良いか……。いや、前のポイントも捨て難いしなぁ」
「よし、俺はここに決めた。来週は俺が優勝だ!」
熱心な人達の声がレイの耳に届く。
「皆何してるんだろ?」
「わか──あ、もしかして!」
「ん?」
リリーは何かを思い出したかのように手を打った。
「あれは毎年開催されてる釣り大会の下見なのっ」
「釣り……大会?」
「うんなのっ。大会は毎年この魚が一番美味しくなる時期に開催してて、一番大きな魚を釣った人が釣り名人として讃えられるなの」
「それだけ? 賞金とかは?」
「あるなのっ。優勝したらアクアヒルに家を貰えるなの」
「い、家を!? なるほど……」
リリーの話を聞き改めて釣り人達を見る。その誰もが真剣だった理由が家を貰えるからだと知ったレイは釣り人達の熱気に納得した。
「家が貰えるから皆気合い入ってるんだなぁ」
「貧しい人が無料で家を貰える機会なんてそうそうない事なの。だから皆毎年ここに集まるなの」
「そっか。じゃあ邪魔はできないかな。僕達の釣りは大会が終わったらにしよう。それまでは町でも見て回ろうか」
「わかったなのっ」
箱庭の中に家があるレイはこの大会に全てを賭けて臨んでいる人達の邪魔にならないように大会が終わるまで待つ事にした。
「お、入り口が見えたな。行こうリリー」
「うんなのっ」
二人は湖畔に面した町に入る。町の中は大会があるためかかなりの賑わいを見せていた。
「さあ~買った買った! 昨年の優勝者が使った竿を作った工房の作品はここだよっ!」
「大物を狙うならウチの糸買っといて損はないよっ! アラクネの糸から仕上げた丈夫な糸はウチでしか扱ってないよ!」
「いらっしゃいませ~。宿ならまだ空きがありますよ~。美味しい魚料理が自慢の宿で~す」
これまで立ち寄った中で一番の賑わいを見せる町に二人は驚いていた。
「凄い熱気だね」
「平和な証拠なのっ」
「うん、戦がないから皆娯楽に興じられてるんだな」
「レイ、あの宿行こっ! もうお腹ペコペコなのっ」
「ははっ、うん行こうか」
レイは呼び込みをしていた女性に声を掛けようと近づく。だがそんなレイの腕を小さな女の子が引いた。
「旅人さん」
「え? 誰?」
女の子は握った手を離さずレイに言った。
「あの宿は高いです。魚料理もそんなに美味しくないですよ?」
「そ、そうなの?」
「泊まる所探してるなら私のとこの方が良いですよ!」
「君の家は宿屋なの?」
「うんっ。どこよりも安いし美味しい料理も出すからっ。お願いしますっ、家に泊まって下さいっ」
レイは悩んだ。どこよりも安い上に美味しい料理を出す宿など普通埋まっているはずだ。大会まであと一週間あるとはいえ空いているのはおかしい。
「空き部屋はいっぱいある感じなの?」
「い、今ならどの部屋も選び放題ですっ」
この言葉から女の子の宿屋は何かしら理由があり不人気なのだと悟った。だがレイは女の子の気持ちを無碍にはできなかった。
「わかったよ、案内してもらえる?」
「あ、ありがとうございますっ! こっちです!」
そのまま腕を引かれ町を歩く。やがて喧騒から離れ着いた先は町外れにある小さな一軒家だった。
「い、家? 宿屋なのここ?」
「い、一応宿屋ですよっ。どうぞっ。お母さ~ん、お客さん連れて来たよ~」
若干怪しさを感じながら建物の中に入る。中はとても宿とは思えない普通の一軒家だった。その中に女の子母親がエプロン姿でテーブルに座っていた。
「お客さん? え? 本当に? 家に泊まるの? こんなオンボロな宿よ?」
「え? どういう事?」
「はうぅ」
女の子を見ると少し落ち込んで見えた。
「あの、家は見ての通りボロボロです。何人か連れてきたけど皆すぐに帰っちゃって……」
「娘がごめんなさいね? 無理にとは言いませんので今からでも他の宿に……」
「だ、だめだよ! お客さん入らないとまた借金増えちゃうよっ!」
「それは家の事情でお客さんには関係ないでしょう? 選ぶのはお客さんなんだから。無理矢理はダメよ」
「け、けど……」
レイは母娘に何かしら事情があるのだろうと察し、泊まる気でいた。リリーも何かしら察したのか首を縦に振った。
「あの、泊まりますよ」
「「え?」」
母娘が驚いた表情でレイ達を見る。
「よ、よろしいんですか? 探せばもっと良い宿もありますよ?」
「お母さん! 旅人さんが泊まるって言ってるのに何言ってるの!」
「け、けど……」
何か母親には泊まらせたくない事情があるようだ。そしてその事情はすぐに判明する事となる。
「あ、あの──」
「お邪魔しますよぉ」
「っ! い、いらっしゃい……ませ」
建物の中に数名の男達が入ってきた。先頭には装飾品をジュラジャラ着けた黒ずくめの男。その後ろに強面で体格の良い男が二人立っている。その男達を見た瞬間母親の表情は強張り、娘は何故かレイの後ろに隠れた。
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