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第71話 使者到着す
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世界樹の迷宮が解禁され、様々な物資が箱庭内で流通し始めた頃、レイは国境にある調書室でエイジアン王国からの使者と対面していた。
「メディス? あぁ、懐かしい名前だ。彼女は元気にしてる?」
「元気……といえば元気です。しかし今は大変危険な状態にあります」
「え?」
使者はうつむきながらエイジアン王国の現状を口にした。
「ま、魔族に魔人?」
「はい。フォールガーデンが滅亡したのは魔族によるもの。そしてその魔族は今エイジアン王国に牙を剥いているゴルゴーン帝国からもたらされた災いなのですっ」
「ゴルゴーン帝国が魔族を使役しているのですか!? な、なにを考えているんだ!? 魔族は人類が倒すべき共通の敵でしょう!」
「おそらく諦めたのでしょう。そして自分達が生き残るために魔族の手足となる事を選択したのではないかと……」
「そんな……バカげてる!」
レイが頭を抱えていると使者は続けて訪れた目的を口にした。
「レイ殿、今メディス様はほぼお一人で抵抗を続けております。どうかかつての級友を救うために貴方様のお力をお貸し下されっ」
「きゅ、級友? いや、あの……僕メディスとはそんなに仲が良かったわけでは……」
「は、はい?」
使者は唖然とした顔で口を開けたまま固まった。
「学院時代は僕が一位でメディスが二位だったんだけど。メディスは事ある毎に僕にだる絡みしてきてさ。今一何を考えているかわからなかったんだよね」
「い、いやいやいや! 待って下され! 私はメディス様がレイ殿を婿に迎え入れるためと言付けを受けて……」
「む、婿? あるわけないじゃないですか。そもそもメディスとは少し話す位の知り合い程度ですよ? それに……」
レイは申し訳なさそうに言った。
「僕はもう貴族でもなんでもありません。イストリアから追放されたただの平民です。女王となられたメディス様とは身分が違いすぎますよ」
レイは壁をつくり拒絶を示した。
「追放された事はメディス様も承知されております。本来は追放されたあとすぐにエイジアン王国へと迎える予定でありました」
「え?」
「しかしいくら探せどレイ殿が発見できなく、そのままエイジアン王国は戦に巻き込まれてしまいました」
「メディスが……僕を迎えるつもりだった? な、なんでまた……」
使者は呆れた様子でこう言った。
「あのお転婆姫はいつも言葉が足りぬお方なのです。学院時代、全てにおいて何一つ勝てなかったレイ殿にベタ惚れしていたのですよ」
「は、はぁっ!? そんな素振りなんて一度もありませんでしたよ!?」
「あれはアホなのです。だる絡みしていたのも照れ隠しでしょう。レイ殿、危険ではありますが一度エイジアン王国までお越しいただけないでしょうか。そこで一度メディス様と腹を据えて対話していただきたい。無理なら無理で断っていただいても構いません。どうか国が滅びる前にメディス様の願いを聞き届けてくだされ……」
レイは頭を下げる使者を見て困惑した。
「け、けど今は避難民を救わなければ……」
「もう来ませんよ」
「え?」
使者は真っ青な顔になりフォールガーデンの現状を口にした。
「我々は大隊を率いあらゆる道からエルドニアを目指し南下して参りました。私の隊は海側から大回りしてきましたが、一番早く到着した。つまり……他の者は全て殺られたものかと」
「フォールガーデンは今どうなっているのですか?」
「……魔族は王都を占拠し、人々はその魔族により魔人に変えられております」
「なっ!?」
「あの地はもはや魔が支配する地、通過するだけでも命懸けなのです。このままではエイジアン王国は四方から攻められる事になり、滅亡は必至。そして我が国が滅べば大陸最後の国であるここエルドニアに大軍が押し寄せるでしょう」
現在ゴルゴーン帝国が猛攻を仕掛けている国エイジアン王国が防波堤となり進軍を妨げている。そしてフォールガーデンが陥落し、前後から敵に挟まれる状態になっていた。
「エイジアン王国はもう保たないのですか?」
「時間の問題でしょう。今はメディス様が国全体に聖なる結界を張り、魔獣と魔族の侵入を防いでおりますが、人間は防げません」
「え? メディス様ってそんな事ができました?」
「はい。メディス様は儀式でスキル【勇者】を授かられました」
「ゆ、勇者!? メディス様が!?」
「はい。勇者は魔の者に絶大な力を発揮しますが人には通じないのです。我らも死力を尽くしてはおりますが……大国にはとても……」
レイは悔し涙を見せる使者を見て心に熱いものを感じた。そして決意する。
「わかりました」
「え?」
「エイジアン王国に向かいます」
「あ、ありがとうございますっ!」
「ただ、向かう前にヴェルデ王に許可をもらう必要がありますので少しだけ時間を下さい」
「はっ! 心より感謝いたします!」
その後、レイは使者と共に王城に向かい、改めて使者からヴェルデ王に現状の報告がなされた。
「なるほどな。ゴルゴーン帝国め、ついにやりやがったか」
「ヴェルデ、フォールガーデンが落ちたとなれば我が国も危ない。すぐにレイ殿をエイジアン王国に向かわせるべきだ」
「その心は?」
「レイ殿ならエイジアン王国全ての民を救えるだろう。魔に対抗できる勇者を今失うわけにはいかん。レイ殿の力でエイジアン王国の民全てを保護し、エルドニアで敵を迎え撃つべきだ。ここは国境からしか攻め入れないからな」
「同感だ」
ヴェルデはレイに告げた。
「レイ、ちょっくらエイジアン王国に飛んで国民と勇者を攫ってきてくれ」
「は、はい。けど向かうにはフォールガーデン抜けなければ……」
「アホか。そこの使者にお前の転移石を渡せ」
「あ」
「そいつでエイジアン王国に飛んで迅速に民を回収してこい。こっちは国境に戦力を向かわせとくからよ。ほら、行け」
「わ、わかりました」
こうしてレイは使者に転移石を渡し、エイジアン王国へと向かうのだった。
「メディス? あぁ、懐かしい名前だ。彼女は元気にしてる?」
「元気……といえば元気です。しかし今は大変危険な状態にあります」
「え?」
使者はうつむきながらエイジアン王国の現状を口にした。
「ま、魔族に魔人?」
「はい。フォールガーデンが滅亡したのは魔族によるもの。そしてその魔族は今エイジアン王国に牙を剥いているゴルゴーン帝国からもたらされた災いなのですっ」
「ゴルゴーン帝国が魔族を使役しているのですか!? な、なにを考えているんだ!? 魔族は人類が倒すべき共通の敵でしょう!」
「おそらく諦めたのでしょう。そして自分達が生き残るために魔族の手足となる事を選択したのではないかと……」
「そんな……バカげてる!」
レイが頭を抱えていると使者は続けて訪れた目的を口にした。
「レイ殿、今メディス様はほぼお一人で抵抗を続けております。どうかかつての級友を救うために貴方様のお力をお貸し下されっ」
「きゅ、級友? いや、あの……僕メディスとはそんなに仲が良かったわけでは……」
「は、はい?」
使者は唖然とした顔で口を開けたまま固まった。
「学院時代は僕が一位でメディスが二位だったんだけど。メディスは事ある毎に僕にだる絡みしてきてさ。今一何を考えているかわからなかったんだよね」
「い、いやいやいや! 待って下され! 私はメディス様がレイ殿を婿に迎え入れるためと言付けを受けて……」
「む、婿? あるわけないじゃないですか。そもそもメディスとは少し話す位の知り合い程度ですよ? それに……」
レイは申し訳なさそうに言った。
「僕はもう貴族でもなんでもありません。イストリアから追放されたただの平民です。女王となられたメディス様とは身分が違いすぎますよ」
レイは壁をつくり拒絶を示した。
「追放された事はメディス様も承知されております。本来は追放されたあとすぐにエイジアン王国へと迎える予定でありました」
「え?」
「しかしいくら探せどレイ殿が発見できなく、そのままエイジアン王国は戦に巻き込まれてしまいました」
「メディスが……僕を迎えるつもりだった? な、なんでまた……」
使者は呆れた様子でこう言った。
「あのお転婆姫はいつも言葉が足りぬお方なのです。学院時代、全てにおいて何一つ勝てなかったレイ殿にベタ惚れしていたのですよ」
「は、はぁっ!? そんな素振りなんて一度もありませんでしたよ!?」
「あれはアホなのです。だる絡みしていたのも照れ隠しでしょう。レイ殿、危険ではありますが一度エイジアン王国までお越しいただけないでしょうか。そこで一度メディス様と腹を据えて対話していただきたい。無理なら無理で断っていただいても構いません。どうか国が滅びる前にメディス様の願いを聞き届けてくだされ……」
レイは頭を下げる使者を見て困惑した。
「け、けど今は避難民を救わなければ……」
「もう来ませんよ」
「え?」
使者は真っ青な顔になりフォールガーデンの現状を口にした。
「我々は大隊を率いあらゆる道からエルドニアを目指し南下して参りました。私の隊は海側から大回りしてきましたが、一番早く到着した。つまり……他の者は全て殺られたものかと」
「フォールガーデンは今どうなっているのですか?」
「……魔族は王都を占拠し、人々はその魔族により魔人に変えられております」
「なっ!?」
「あの地はもはや魔が支配する地、通過するだけでも命懸けなのです。このままではエイジアン王国は四方から攻められる事になり、滅亡は必至。そして我が国が滅べば大陸最後の国であるここエルドニアに大軍が押し寄せるでしょう」
現在ゴルゴーン帝国が猛攻を仕掛けている国エイジアン王国が防波堤となり進軍を妨げている。そしてフォールガーデンが陥落し、前後から敵に挟まれる状態になっていた。
「エイジアン王国はもう保たないのですか?」
「時間の問題でしょう。今はメディス様が国全体に聖なる結界を張り、魔獣と魔族の侵入を防いでおりますが、人間は防げません」
「え? メディス様ってそんな事ができました?」
「はい。メディス様は儀式でスキル【勇者】を授かられました」
「ゆ、勇者!? メディス様が!?」
「はい。勇者は魔の者に絶大な力を発揮しますが人には通じないのです。我らも死力を尽くしてはおりますが……大国にはとても……」
レイは悔し涙を見せる使者を見て心に熱いものを感じた。そして決意する。
「わかりました」
「え?」
「エイジアン王国に向かいます」
「あ、ありがとうございますっ!」
「ただ、向かう前にヴェルデ王に許可をもらう必要がありますので少しだけ時間を下さい」
「はっ! 心より感謝いたします!」
その後、レイは使者と共に王城に向かい、改めて使者からヴェルデ王に現状の報告がなされた。
「なるほどな。ゴルゴーン帝国め、ついにやりやがったか」
「ヴェルデ、フォールガーデンが落ちたとなれば我が国も危ない。すぐにレイ殿をエイジアン王国に向かわせるべきだ」
「その心は?」
「レイ殿ならエイジアン王国全ての民を救えるだろう。魔に対抗できる勇者を今失うわけにはいかん。レイ殿の力でエイジアン王国の民全てを保護し、エルドニアで敵を迎え撃つべきだ。ここは国境からしか攻め入れないからな」
「同感だ」
ヴェルデはレイに告げた。
「レイ、ちょっくらエイジアン王国に飛んで国民と勇者を攫ってきてくれ」
「は、はい。けど向かうにはフォールガーデン抜けなければ……」
「アホか。そこの使者にお前の転移石を渡せ」
「あ」
「そいつでエイジアン王国に飛んで迅速に民を回収してこい。こっちは国境に戦力を向かわせとくからよ。ほら、行け」
「わ、わかりました」
こうしてレイは使者に転移石を渡し、エイジアン王国へと向かうのだった。
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