転生発明家は異世界で魔道具師となり自由気ままに暮らす~異世界生活改革浪漫譚~

夜夢

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第4章 侵略

第51話 同盟締結

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 酒場で水竜のお守りをしている所にライハがやって来た。

「すまない、待たせた」
「いや、適当に楽しんでるから構わないよ」

 酒場の店主がホクホク顔で大量の金貨を数えていた。

「もう金を手に入れたのか?」
「まぁね。大工に俺の発明品を売ったんだ」
「ほう? それは興味深いな」

 話をずらすライハにアースは直球を投げ掛ける。

「決まったんだろ? どうすんの?」
「……我らはアース殿の提案を受け入れる。デモン大陸には一切近付かないものとし、同盟を受け入れよう」
「そ。なら明日城に行くから書類用意しといてよ」
「ああ。でだ、同盟に関してこちらからも要求を出しても良いだろうか?」
「なに?」

 ライハはアースに条件をつけた。

「まず、アース殿の持つ知識と技術が欲しい」
「却下だ。高度な知識は争いを生む。戦に関しない事のみなら協力しよう」
「手厳しいな。まぁ、それで良い。私が欲しい知識と技術は生活に関してだ。戦などしないに越したことはないからな」
「それなら協力しよう」
「ありがとう。ではこの大陸の南に町を一つ作って欲しい。出来れば港町で商業をメインで頼む」
「良いだろう。大工を借りても良いか?」
「ああ。やり方は全て任せる。町が出来上がったその時はアース殿が出す条件を全て飲もう」

 ライハはアースに町を一つ作らせ、その技術を得ようとしていた。アースもまた別に秘匿する気はないし、むしろ生活の技術に関してなら広めても良いだろうと考え、この提案を受けた。

「では明日仮の調印式を執り行おう。本当の調印式は町が出来上がってからと言う事で構わないかな?」
「ああ、それで良い。では明日の朝そちらに向かう」
「感謝する、アース殿」

 それだけ告げ、ライハは酒場を後にした。

「同盟を呑んだか。あの人間はグラディス帝国の奴等とは違うみてぇだな」
「うん、善人だけどなんとか利を得ようって賢さもある。油断ならない相手だよ」
「条件は昼間言ってたアレで行くのか?」
「うん。とりあえずアレで問題ないと思う」
「しかし……町か。どうすんだよ?」
「港町だってね。ま、なんとかなるでしょ」

 そして翌日、仮の同盟を締結したアースは大工を雇いに向かった。

「ああ、あんたか。あんたから買った工具は最高だぜ! 前より数倍は早く仕事が片付くようになったよ」
「それはどうも。所でさ……」

 アースは大工に南に港町を建設する計画を告げた。

「南か、あそこに港町を作るってこたぁ……。王様はバーミリオン王国と本気で取り引きするみてぇだな」
「みたいだね。でさ、一応どんな町にするか図面引いてきたんだけど……」

 アースは大工に町の図面を見せた。

「……なんだぁ……こりゃ……」
「設計図だよ」
「そりゃ見ればわかる! だが……こんなの見た事もねぇぞ……」

 アースの引いた図面は町の全体図、タワーマンション、鉄骨を使った倉庫などだ。

「資材なんかは空を飛べばいくらでも上に運べるし、材料もこちらで全部用意します。親方達は俺から新しい建物について学ぶ事が出来る。どうかな?」
「……やる! こんなワクワクすんなぁ初めてだ! しかしよ、資材足りんのか?」
「もちろん。では一週間後に町の建設予定地まで来て下さい。その間に整地を終わらせておきますので」
「一週間後だな、りょうかいだ。くぅ~、楽しみだ!」

 アースは大工達を雇い入れ、先に建設予定地へと向かう。その前に火竜達にあるモノを手渡した。

「あ? なんだこりゃ?」
「マジックバッグだよ。兄さん達にはこれを持ってダンジョンに行ってもらいたくてさ」
「ダンジョンに?」
「うん。今ある資材だと微妙に足りないかもしれないからさ。それに鉄鉱石とか色々集めてきてくれないかな?」
「そりゃ構わねぇけどよ、これどんくらい入るんだ?」
「ん~……、城百戸分かな。色々発明で試行錯誤してたら出来てさ。時空石ってのがあればそれも集めてきてほしいな」
「そりゃ激レアアイテムじゃねぇか。最下層まで行けってか?」
「兄さん達なら楽勝でしょ?」
「ちっ、わぁったよ。水竜、風竜、ダンジョン行くぞ」
「「は~い」」 

 こうしてアースは南に、火竜達はダンジョンに素材狩にそれぞれ向かっていった。

 建設予定地に着いたアースはまず大地を平らに均し、船を接岸させる港部分までを完成させた。

「よし、次だ!」

 港を完成させたアースは設計図に合わせ平らになった        大地に水路を通す。町の中央に噴水公園を作り、水路に橋をかける。

「次は外壁だな」

 後は建物を建てるだけにしたアースは海から町をぐるっと囲うように高い外壁を設けた。ちなみに外壁には魔導砲は設置していない。あれはまだ人間には渡せない技術だ。

「完成完成! 後は鉄筋やら鉄骨やらを量産して親方達が来るのを待とう」

 アースは図面から資材がどれだけ必要かをピックアップし、タワーマンション用、倉庫用に資材の量産を開始した。

「発明、発明、発明、発明、発明…………」

 アースはひたすらスキル【発明】で鉄筋を作っていく。レベルアップしたおかげで魔力は十分にある。

「さてと、とりあえずタワーマンションは五棟、倉庫は二つほど作るとして……。基礎だけでも打っておくか」

 アースは大工達がくるまでに基礎工事を終わらせようとひたすら働くのであった。

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