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第5章 ゴッデス大陸
第58話 第一回町コン開催
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町にイベントの飾り付けが施され、住民の間に祭りの雰囲気が伝播していく。
「なぁ、町コンってなんだ?」
「なんでも俺達人間の男は獣人の店での飲み食いが半額になるらしいぜ? さらに女は無料だと」
「半額かぁ~。でもなぁ……お前獣人の料理食べたことあるか?」
「いや、ない。でも半額だしさ、一回くらい行ってみようかなとは思ってる」
「マジかよ。だって獣人だぜ? なにされっかわかんねぇぞ?」
その言葉に対し男はやれやれと首を横に振り、男の近くでこう囁いた。
「……お前、本物のバニーガールに興味ないか?」
「なん……だと……?」
男の目の色が変わる。
「聞いた話だとよ、なんでもアニマルバーってのが裏路地にあるらしい」
「……ごくり。そ、それで?」
「あとはわかるだろ? リアルバニーをもふりんぐだ」
男は激しく手を握った。
「抜け駆けすんなよ! 行く時は一緒だからな!」
「ああ。イベントの間だけは半額だからな。おっと、この話は他の奴には内緒な? 女の子が着かなくなるかもしれねぇからよ」
「ああっ、くそ……。はやくイベント開始してくんねぇかなぁ~」
人間の男は欲望に満たされているようだ。そして獣人はというと。
「人間の店かぁ~。人間の料理って味が濃いのよねぇ~」
「うんうん。私達は無料みたいだけど食べられないなら意味ないよね」
「あ、でもなんか自分で好きな食べ物を焼けるお店があるみたいよ?」
「「好きな食べ物を?」」
獣人の女がパンフレットを開く。
「ここよ。なんでもバイキング形式みたいで、頼めば人間の男が目の前で注文通りに焼いてくれるみたい」
「へぇ~。それなら味付けとか私達で調整できるわね!」
「決まりねっ、そこ行こうよ」
「人間の男と付き合おうとは思わないけど、人間にお姫様扱いされるのは良いよね~」
「「言えてる」」
獣人の女は色気より食い気に走るようだ。
「以上が町の様子となります」
「うん、ありがとう」
アースは獣人と人間、双方から一人秘書を雇い、町の様子を調べさせていた。
「なるほどねぇ。人間の男は獣人の女に興味があり、他は安価での食事目当てかぁ」
アースは獣人の秘書に問い掛ける。
「獣人は人間の女に興味とかないの?」
「ない……とは言い切れませんがね。やはり生活様式に違いがあるため、つがいとするのは同じ種族かと」
「ああ、生活様式ね。そっか。じゃあ人間の女は?」
今度は人間の秘書に問い掛ける。
「どうでしょう……。やはりまだ怖いという印象はあるかと。力では勝てませんから」
「なるほど。確かに獣人の男は強いからなぁ……。う~ん……」
二人の話を聞き、やはりまだお互いに溝があると感じた。
「けど人間の男は理由はどうあれ歩み寄る姿勢はあるようだね」
「思いっきり卑猥な理由に感じますがね」
「そこはそういう店を出すんだから獣人の女が上手く沱わさないとね。ただお酒を楽しく飲む場所らしいし、俺もあまりうるさく言いたくないからさ」
「はぁ。ですがもしトラブルがあった場合はどうしましょうか?」
「その時は俺が動くよ。まずは一度開催して問題点を洗い出していこう。さあ、準備も間に合った。明日の昼から町コン開始だ!」
「「はっ」」
そして翌日昼、いよいよ町コンが開催された。このイベントの目的は種族間の交流だ。このイベントで種族間にある偏見を埋め、距離を近づかせる。それがアースの目指す結果だ。
イベントが始まり町に人が溢れる。港町や獣人の町にもチラシを配り、この大陸に住む全ての人種をここに集めた。
「一ヶ所に集まると凄い数になるんだなぁ~」
「いらっしゃいませ~! 只今席に空きがありま~す! こちら、獣人女性の方は無料となってますのでお立ち寄り下さ~い!」
「いらっしゃいませ~! こちらも空きがありますよ~! こちらは人間の女性無料! 男性も半額で~す!」
昼になりメインストリートに並ぶ飲食店からの呼び込みが始まった。この時間は家族連れが多く目立ち、子どもが異種族の店に興味をもち、親の手を引いて店の中に入っていく。
出てきた客たちはおおむね満足した様子で料理について語り合っていた。
まずは人間の話に耳を傾ける。
「パパ、ママ! 獣人さんのご飯美味しかったね!」
「そうね。食わず嫌いだったわぁ~」
「ああ。俺も驚いたよ。濃い味も良いが薄味も素材の味が楽しめて大満足だったな。また来よう」
「うんっ! 絶対またくるっ!」
「「「ありがとうございました~」」」
次に獣人の話に耳を傾けた。
「気を使ってくれたのかな。濃い味だけど美味かったな」
「私達の文化にない料理だったわね。今度市場で探してみようかしら」
「だったらまた食べに来ようぜ。もしかしたら今回だけ気を使ってるのかもしれないし」
「そうね。次も美味しかったら歩み寄ってくれる気持ちがあるかどうかわかるかも」
やはり獣人の評価は悪い。だがそれほどでもなく、認めようとする気持ちはあるようだ。
こうして大勢の人がアースの町に集い、町を賑わわせる。中には行列のできる店もあり、昼の部は成功したと見て良いだろう。
「問題は夜の部だろうなぁ。アルコールも入るし、まだ気は抜けないな。兄さんたちがいたら警備に回すんだけどなぁ。まだダンジョンだし仕方ないか。よし、気合い入れていこう!」
アースは夜の部に向け気合いを入れるのだった。
「なぁ、町コンってなんだ?」
「なんでも俺達人間の男は獣人の店での飲み食いが半額になるらしいぜ? さらに女は無料だと」
「半額かぁ~。でもなぁ……お前獣人の料理食べたことあるか?」
「いや、ない。でも半額だしさ、一回くらい行ってみようかなとは思ってる」
「マジかよ。だって獣人だぜ? なにされっかわかんねぇぞ?」
その言葉に対し男はやれやれと首を横に振り、男の近くでこう囁いた。
「……お前、本物のバニーガールに興味ないか?」
「なん……だと……?」
男の目の色が変わる。
「聞いた話だとよ、なんでもアニマルバーってのが裏路地にあるらしい」
「……ごくり。そ、それで?」
「あとはわかるだろ? リアルバニーをもふりんぐだ」
男は激しく手を握った。
「抜け駆けすんなよ! 行く時は一緒だからな!」
「ああ。イベントの間だけは半額だからな。おっと、この話は他の奴には内緒な? 女の子が着かなくなるかもしれねぇからよ」
「ああっ、くそ……。はやくイベント開始してくんねぇかなぁ~」
人間の男は欲望に満たされているようだ。そして獣人はというと。
「人間の店かぁ~。人間の料理って味が濃いのよねぇ~」
「うんうん。私達は無料みたいだけど食べられないなら意味ないよね」
「あ、でもなんか自分で好きな食べ物を焼けるお店があるみたいよ?」
「「好きな食べ物を?」」
獣人の女がパンフレットを開く。
「ここよ。なんでもバイキング形式みたいで、頼めば人間の男が目の前で注文通りに焼いてくれるみたい」
「へぇ~。それなら味付けとか私達で調整できるわね!」
「決まりねっ、そこ行こうよ」
「人間の男と付き合おうとは思わないけど、人間にお姫様扱いされるのは良いよね~」
「「言えてる」」
獣人の女は色気より食い気に走るようだ。
「以上が町の様子となります」
「うん、ありがとう」
アースは獣人と人間、双方から一人秘書を雇い、町の様子を調べさせていた。
「なるほどねぇ。人間の男は獣人の女に興味があり、他は安価での食事目当てかぁ」
アースは獣人の秘書に問い掛ける。
「獣人は人間の女に興味とかないの?」
「ない……とは言い切れませんがね。やはり生活様式に違いがあるため、つがいとするのは同じ種族かと」
「ああ、生活様式ね。そっか。じゃあ人間の女は?」
今度は人間の秘書に問い掛ける。
「どうでしょう……。やはりまだ怖いという印象はあるかと。力では勝てませんから」
「なるほど。確かに獣人の男は強いからなぁ……。う~ん……」
二人の話を聞き、やはりまだお互いに溝があると感じた。
「けど人間の男は理由はどうあれ歩み寄る姿勢はあるようだね」
「思いっきり卑猥な理由に感じますがね」
「そこはそういう店を出すんだから獣人の女が上手く沱わさないとね。ただお酒を楽しく飲む場所らしいし、俺もあまりうるさく言いたくないからさ」
「はぁ。ですがもしトラブルがあった場合はどうしましょうか?」
「その時は俺が動くよ。まずは一度開催して問題点を洗い出していこう。さあ、準備も間に合った。明日の昼から町コン開始だ!」
「「はっ」」
そして翌日昼、いよいよ町コンが開催された。このイベントの目的は種族間の交流だ。このイベントで種族間にある偏見を埋め、距離を近づかせる。それがアースの目指す結果だ。
イベントが始まり町に人が溢れる。港町や獣人の町にもチラシを配り、この大陸に住む全ての人種をここに集めた。
「一ヶ所に集まると凄い数になるんだなぁ~」
「いらっしゃいませ~! 只今席に空きがありま~す! こちら、獣人女性の方は無料となってますのでお立ち寄り下さ~い!」
「いらっしゃいませ~! こちらも空きがありますよ~! こちらは人間の女性無料! 男性も半額で~す!」
昼になりメインストリートに並ぶ飲食店からの呼び込みが始まった。この時間は家族連れが多く目立ち、子どもが異種族の店に興味をもち、親の手を引いて店の中に入っていく。
出てきた客たちはおおむね満足した様子で料理について語り合っていた。
まずは人間の話に耳を傾ける。
「パパ、ママ! 獣人さんのご飯美味しかったね!」
「そうね。食わず嫌いだったわぁ~」
「ああ。俺も驚いたよ。濃い味も良いが薄味も素材の味が楽しめて大満足だったな。また来よう」
「うんっ! 絶対またくるっ!」
「「「ありがとうございました~」」」
次に獣人の話に耳を傾けた。
「気を使ってくれたのかな。濃い味だけど美味かったな」
「私達の文化にない料理だったわね。今度市場で探してみようかしら」
「だったらまた食べに来ようぜ。もしかしたら今回だけ気を使ってるのかもしれないし」
「そうね。次も美味しかったら歩み寄ってくれる気持ちがあるかどうかわかるかも」
やはり獣人の評価は悪い。だがそれほどでもなく、認めようとする気持ちはあるようだ。
こうして大勢の人がアースの町に集い、町を賑わわせる。中には行列のできる店もあり、昼の部は成功したと見て良いだろう。
「問題は夜の部だろうなぁ。アルコールも入るし、まだ気は抜けないな。兄さんたちがいたら警備に回すんだけどなぁ。まだダンジョンだし仕方ないか。よし、気合い入れていこう!」
アースは夜の部に向け気合いを入れるのだった。
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