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第2章 改革
15 特別商品
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奥に進んだ先は薄暗く変な臭いもしている。扉の先は通路、その両側には檻に入れられた商品が並べられていた。男は左側、女は右側と分けられている。そしてその商品はどれも酷く汚れていた。俺はその様子を見て臭いの元に気付いた。これは行為後の臭いだ。
「はっ、これが言うほどの商品か? どれも中古にしか見えないな」
「ははっ、これはあまりお金をお持ちでない方専用の商品です。夜の生活にも使えますが……、本来の目的は……わかりますでしょう?」
「玩具か」
「ええ。この商品には権利がございません。仮に……壊れたとしても罪には問われないでしょう。この商品は他国の貴族様がご子息に命の奪い方を教えるために購入されたりしております」
「ほ~ん」
一億ものキャッシュを見たオーナーの口は羽毛より軽くなっていた。吹けば飛びそうだ。
「では次の間へ参りましょう」
奥にはさらに扉があり、まだ部屋が続いていた。
「こ、これはっ!」
「……ふふっ、気に入りましたか? どれもまだ初モノ、親が口減らしのために処分した商品となっております」
左側には男児十人、右側には女児十人がいた。
「右側全部くれ」
「おぉっ! まだ奥に商品は残っておりますが……」
「構わん。いくらだ」
「そうですねぇ……。二十億ゴールドではどうでしょうか」
「買った」
「おほぉぉぉっ! ありがとうございますありがとうございます!」
俺は再び二十億をキャッシュで支払った。オーナーは呼び鈴を鳴らし、屈強な男を数人呼び出した。
「あっちで数えておけ」
「はっ!」
そう男達に命じ、オーナーは俺に向き直る。
「商品は後ほど指定の場所にお届けいたします。ああ、一応確かに初モノだと御確認下さい」
「喜んで!」
俺は檻の中に入り、一人ずつ丹念に確認した。確かに全員初モノだった。その際、俺はそっと少女達にこう耳打ちしていった。
「これからは良い暮らしを約束しよう。毎日腹一杯食べさせて綺麗な服や綺麗な部屋を与えよう」
「あ……」
光の消えかけていた少女達の瞳に微かな希望の灯がともった。
「確認した。もし到着したとき傷モノになっていたらわかるな?」
「ご安心下さい。我が商会が責任を持ってお客様の下へお届けいたします」
「頼むぞ」
「はい。では……ここから先はさらに高額商品、大分財布もゆるんだようですし、期待しておりますよ?」
「期待に添えるような商品ならな」
「ふむ。……では右側の扉へどうぞ」
「ん」
俺は右の扉を開け中へと進んだ。
「なっ!? 何だ……こいつは……」
「おや、獣人はさすがに知りませんでしたか」
「獣……人?」
「はい。こちらはここから遠く離れた大陸で暮らす獣の姿をした人間です。入手はかなり困難なため、今はあれ一つしか……」
部屋の隅に威嚇行動をとる猫耳をつけた少女がいた。
「あれは何の獣だ?」
「あれは虎です。しかもその中でも特に希少な白虎族です。おそらくこの機会を逃せば次はないでしょう」
「その理由は?」
「……高すぎて売れないばかりか食費が……」
「大食いなのか……」
「ええ。かなり」
俺は未だに威嚇を続ける少女を見る。目力が強く、まだ負けてないと言わんばかりの様子だ。
「ちなみにいくらだ?」
「私共としても高くは売りたいのですが、高すぎると売れませんでしょう? ですので……三十億! 仕入れ代込みでこの価格! 他では買えませんよ!」
「……よし、買おう」
「おっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? き、今日だけで五十一億っ! これだから商売はやめられんっ!」
俺は金を数えるオーナーを無視し、ゆっくりと少女に近付く。
「あっ! 危ないですぞっ! その先は鎖の範囲内っ! お下がりくだされっ!」
「大丈夫だ」
「ぐるるるるるるっ……!」
俺は少しだけ少女に向かい殺意を解放した。室内に重いプレッシャーがのし掛かる。
「ひっ!?」
「ぐぅぅぅぅぅっ! があぁぁぁぁっ!」
オーナーは漏らしそうになったが、少女の方は俺の殺意に耐え、なおも威嚇を続けてきた。
「おいおい、強ぇじゃん。ならこれ位ならどうだ? らぁぁぁぁっ!!」
「ぎゃんっ! がぅぅぅ……、つよ……い……!」
「あばばばばば……」
オーナーは泡を吹いて気絶していた。それよりも俺は少女が言葉を話せた事に驚いていた。
「お前……話せるのか」
「がう……、すこ……し……」
「そうか。なら……今の内にこれでも食っておけ」
「がう? ほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
俺は少女の前に葉っぱで包んだオークキングのロースを置いた。
「い、いいの……か!」
「ああ。従うなら毎日肉食わせてやるよ。それは挨拶代わりだ」
「ほぉぉぉぉぉ……! がぶっ! ……はぐはぐはぐはぐ!」
少女は物凄い勢いで肉を一塊たいらげた。
「すく……ない……。もっと!」
「あるぜ? だが、ここから先は俺に従う事が条件だ。どうする?」
「したがう! ミーニャあるじにしたがう! まいにち、にく、くう!」
「ほう、ミーニャってのか。俺はジェイドってんだ。よろしくな」
「がうっ!」
その後、俺は意識を取り戻したオーナーに、その場でミーニャを連れていくと言った。
「ではこちらで綺麗に……」
「必要ない。【浄化】」
「ふぉんっ!?」
俺は身体を清潔にする生活魔法の浄化をミーニャに施した。
「ああ、後ミーニャに綺麗な服をくれ。こいつに合ったサイズを地下に持ってきてくれ。そしたら一緒に出てもバレないだろ?」
「予算は……?」
「億」
「いってまいりまぁぁぁぁぁぁぁす!」
オーナーは音速で一階に向かい駆け上がっていった。確かに闇組織の頭だが、なんか憎めない奴だった。殺すには惜しい。
「お待たせしましたぁぁぁぁぁぁっ!」
「は、速かったな?」
「もちろんっ! 商人ですからな!」
「ああ……」
それから俺はミーニャに好きな服を選ばせるのであった。
「はっ、これが言うほどの商品か? どれも中古にしか見えないな」
「ははっ、これはあまりお金をお持ちでない方専用の商品です。夜の生活にも使えますが……、本来の目的は……わかりますでしょう?」
「玩具か」
「ええ。この商品には権利がございません。仮に……壊れたとしても罪には問われないでしょう。この商品は他国の貴族様がご子息に命の奪い方を教えるために購入されたりしております」
「ほ~ん」
一億ものキャッシュを見たオーナーの口は羽毛より軽くなっていた。吹けば飛びそうだ。
「では次の間へ参りましょう」
奥にはさらに扉があり、まだ部屋が続いていた。
「こ、これはっ!」
「……ふふっ、気に入りましたか? どれもまだ初モノ、親が口減らしのために処分した商品となっております」
左側には男児十人、右側には女児十人がいた。
「右側全部くれ」
「おぉっ! まだ奥に商品は残っておりますが……」
「構わん。いくらだ」
「そうですねぇ……。二十億ゴールドではどうでしょうか」
「買った」
「おほぉぉぉっ! ありがとうございますありがとうございます!」
俺は再び二十億をキャッシュで支払った。オーナーは呼び鈴を鳴らし、屈強な男を数人呼び出した。
「あっちで数えておけ」
「はっ!」
そう男達に命じ、オーナーは俺に向き直る。
「商品は後ほど指定の場所にお届けいたします。ああ、一応確かに初モノだと御確認下さい」
「喜んで!」
俺は檻の中に入り、一人ずつ丹念に確認した。確かに全員初モノだった。その際、俺はそっと少女達にこう耳打ちしていった。
「これからは良い暮らしを約束しよう。毎日腹一杯食べさせて綺麗な服や綺麗な部屋を与えよう」
「あ……」
光の消えかけていた少女達の瞳に微かな希望の灯がともった。
「確認した。もし到着したとき傷モノになっていたらわかるな?」
「ご安心下さい。我が商会が責任を持ってお客様の下へお届けいたします」
「頼むぞ」
「はい。では……ここから先はさらに高額商品、大分財布もゆるんだようですし、期待しておりますよ?」
「期待に添えるような商品ならな」
「ふむ。……では右側の扉へどうぞ」
「ん」
俺は右の扉を開け中へと進んだ。
「なっ!? 何だ……こいつは……」
「おや、獣人はさすがに知りませんでしたか」
「獣……人?」
「はい。こちらはここから遠く離れた大陸で暮らす獣の姿をした人間です。入手はかなり困難なため、今はあれ一つしか……」
部屋の隅に威嚇行動をとる猫耳をつけた少女がいた。
「あれは何の獣だ?」
「あれは虎です。しかもその中でも特に希少な白虎族です。おそらくこの機会を逃せば次はないでしょう」
「その理由は?」
「……高すぎて売れないばかりか食費が……」
「大食いなのか……」
「ええ。かなり」
俺は未だに威嚇を続ける少女を見る。目力が強く、まだ負けてないと言わんばかりの様子だ。
「ちなみにいくらだ?」
「私共としても高くは売りたいのですが、高すぎると売れませんでしょう? ですので……三十億! 仕入れ代込みでこの価格! 他では買えませんよ!」
「……よし、買おう」
「おっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? き、今日だけで五十一億っ! これだから商売はやめられんっ!」
俺は金を数えるオーナーを無視し、ゆっくりと少女に近付く。
「あっ! 危ないですぞっ! その先は鎖の範囲内っ! お下がりくだされっ!」
「大丈夫だ」
「ぐるるるるるるっ……!」
俺は少しだけ少女に向かい殺意を解放した。室内に重いプレッシャーがのし掛かる。
「ひっ!?」
「ぐぅぅぅぅぅっ! があぁぁぁぁっ!」
オーナーは漏らしそうになったが、少女の方は俺の殺意に耐え、なおも威嚇を続けてきた。
「おいおい、強ぇじゃん。ならこれ位ならどうだ? らぁぁぁぁっ!!」
「ぎゃんっ! がぅぅぅ……、つよ……い……!」
「あばばばばば……」
オーナーは泡を吹いて気絶していた。それよりも俺は少女が言葉を話せた事に驚いていた。
「お前……話せるのか」
「がう……、すこ……し……」
「そうか。なら……今の内にこれでも食っておけ」
「がう? ほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
俺は少女の前に葉っぱで包んだオークキングのロースを置いた。
「い、いいの……か!」
「ああ。従うなら毎日肉食わせてやるよ。それは挨拶代わりだ」
「ほぉぉぉぉぉ……! がぶっ! ……はぐはぐはぐはぐ!」
少女は物凄い勢いで肉を一塊たいらげた。
「すく……ない……。もっと!」
「あるぜ? だが、ここから先は俺に従う事が条件だ。どうする?」
「したがう! ミーニャあるじにしたがう! まいにち、にく、くう!」
「ほう、ミーニャってのか。俺はジェイドってんだ。よろしくな」
「がうっ!」
その後、俺は意識を取り戻したオーナーに、その場でミーニャを連れていくと言った。
「ではこちらで綺麗に……」
「必要ない。【浄化】」
「ふぉんっ!?」
俺は身体を清潔にする生活魔法の浄化をミーニャに施した。
「ああ、後ミーニャに綺麗な服をくれ。こいつに合ったサイズを地下に持ってきてくれ。そしたら一緒に出てもバレないだろ?」
「予算は……?」
「億」
「いってまいりまぁぁぁぁぁぁぁす!」
オーナーは音速で一階に向かい駆け上がっていった。確かに闇組織の頭だが、なんか憎めない奴だった。殺すには惜しい。
「お待たせしましたぁぁぁぁぁぁっ!」
「は、速かったな?」
「もちろんっ! 商人ですからな!」
「ああ……」
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