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第2章 改革
18 ミーニャを強くしよう
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公爵を落としてから一週間、俺はまだ王都にいた。と言うのも、まだ幼い少女達を放ってはおけないので調教がてら王都でミッションコンプリートした自分に休暇を与えていた。放っておいても教団はモーリーが回すし、兵はミューズが自発的に鍛えてくれる。もし武力的な問題が起きてもデルモートが解決してくれるだろう。
「……あれ? 俺いらなくね?」
「ご主人さまっ、ご奉仕はいかがでしょうか?」
「ああ、もらおうかな。おいで」
「はいっ」
少女達も明るくなり、何も問題はない。問題はないのだが、王からは未だ呼ばれていない。まぁ急いでいるわけでもないし一向に構わないが。
そんな空いた時間で俺はミーニャの力を確認する。
「あるじ、ミーニャどう?」
「ん、今鑑定してるから待て」
加減したとはいえ俺の殺意を受けても気絶しなかった。無意識に甘くなっていた可能性も否めないが、オーナーは失神していたしな。少女に殺意を向けるなど無理だ。
「ふむふむ……」
俺はミーニャの能力を見て驚いた。
「あるじ、まだ?」
「いや、終わった。そうだな、ミーニャはまだまだ伸びるぞ」
「つよくなる?」
「そうだ」
驚いた事に、ミーニャの限界レベルは千近くあった。さらに目をひいたのはスキル。ここの人間は二つ三つくらいしか持ってないようだが、ミーニャはまだ発現していないスキルも含め十以上はある。
「ミーニャ、獣人って全員強いのか?」
「つよい。なかでも、ミーニャたちがいちばん!」
だろうな。もし限界まで鍛えようものなら人間なんかに捕まるはずもない。今のミーニャはまだレベル5。
「ふ~む。素早さの数値も高い。なぁ、お前どうやって捕まったんだ?」
「……うぅ。ハラいっぱい、ねる。おきたらしらないばしょ……」
「……そうか」
眠っている内に拐われたのか。なら捕まるのもわかる。でないと捕まる理由が見つからない程にそしつがあった。
「ちなみにだが、ミーニャのいた場所の人間はどのくらい強かった?」
「う~……、よくわからない。でも、ここにいるニンゲンはよわい。めちゃくちゃよわい」
「なるほど……」
どうやら大陸間で人間の強さも異なるらしい。他の大陸の人間がどれくらい強いか基準はわからないから何とも言えないが、ひとまずここの人間は弱いとだけ覚えておこう。
「さてミーニャ。お前は強くなりたいか?」
「うんっ! ミーニャつよくないたい!」
「よし、なら鍛えてやろう」
「ほんと!?」
ミーニャの耳がピコピコと動いている。可愛いな。
「ああ。まずは北の森と呼ばれている場所で鍛えようか」
「うん!」
俺は少女達にもし来客があったら今はいないから戻ったら俺から向かうと伝えてもらうように言伝てした。さらにそれだけだと不安だったため、ナビリア商会から大人の女奴隷を購入し、少女たちの世話を頼んだ。家事スキルを持った奴隷だ。
「俺が戻るまで皆の世話を頼む。金は好きに使ってくれて構わない。期待しているぞ?」
「はい、ご主人様。こんなに良くしていただきありがとうございます。ご主人様の期待を裏切るような真似はいたしません。ですので……戻られたらまた……」
「ああ。働きぶりに応じて愛してやろう」
「あぁ……、頑張りますっ!」
屋敷の事を任せた俺はミーニャを連れ北の森へと転移した。
「さて、ミーニャ。まずはレベルを上げていこう。ミーニャのレベルは今5だ。だが限界レベルは1021。まだまだ強くなれるからどんどん魔物を狩っていこう」
「がうっ! ミーニャたたかうすき!」
白虎族は戦闘民族か。いや、狩猟民族かもしれないな。
「がぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
ミーニャはレベル5ながらも、その素早さを生かし敵を翻弄しながら伸ばした爪で容赦なく引き裂いていった。
「ミーニャ、倒した魔物の肉はこっちに持ってこい。俺が解体しておいてやるよ。今日は食べ放題だ」
「あぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
さらにスピードアップした。
「ふむ。あの爪は不思議だな。もしかしてあれが【白虎爪】というスキルか?」
おそらく種族の固有スキルだろう。あの爪は何でも引き裂いていく。それこそ死霊系の魔物も関係なく引き裂いて霧散させている。ミーニャは消えた魔物を見て首を傾げていたが、すぐにまた次の魔物へと飛び掛かる。
「……オークキングすら瞬殺か。ミーニャのレベル5は普通のレベル5じゃないな。人間で言えば50くらいはあるんじゃないかな」
さらにレベルが上がる事でミーニャの動きは早くなっていく。レベル10になった時点でミーニャは森で最強となってしまっていた。
「あるじあるじ! にく! にく!」
「ほいほい。ちゃんと切り分けておいたぞ~。右からオークキングステーキ、ミノタウロスのすき焼き、ワイバーンの唐揚げ、プチドラゴンの竜骨スープだ」
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ミーニャは俺の料理にはまっていた。最初は生肉を食っていたが、屋敷でも料理は食えていたので振る舞って見た所、生肉よりこちらが好きになったようだ。ちなみに屋敷では奴隷シェフが料理を担当していた。
「あるじ! ミーニャとふうふなる! ミーニャまいにちしあわせ!」
「そうかそうか。幸せか……。無理矢理拐われてきただろうに。幸せなら良い。その内ミーニャの親に会いにいかなきゃな」
「っ! いくーー!」
「よし、ならまだまだ強くならなきゃな。頑張れミーニャ」
「あぉぉぉぉぉぉぉん!」
俺は敵のいなくなった北の森から場所をダンジョンへと移し、さらにミーニャを鍛えるのであった。
「……あれ? 俺いらなくね?」
「ご主人さまっ、ご奉仕はいかがでしょうか?」
「ああ、もらおうかな。おいで」
「はいっ」
少女達も明るくなり、何も問題はない。問題はないのだが、王からは未だ呼ばれていない。まぁ急いでいるわけでもないし一向に構わないが。
そんな空いた時間で俺はミーニャの力を確認する。
「あるじ、ミーニャどう?」
「ん、今鑑定してるから待て」
加減したとはいえ俺の殺意を受けても気絶しなかった。無意識に甘くなっていた可能性も否めないが、オーナーは失神していたしな。少女に殺意を向けるなど無理だ。
「ふむふむ……」
俺はミーニャの能力を見て驚いた。
「あるじ、まだ?」
「いや、終わった。そうだな、ミーニャはまだまだ伸びるぞ」
「つよくなる?」
「そうだ」
驚いた事に、ミーニャの限界レベルは千近くあった。さらに目をひいたのはスキル。ここの人間は二つ三つくらいしか持ってないようだが、ミーニャはまだ発現していないスキルも含め十以上はある。
「ミーニャ、獣人って全員強いのか?」
「つよい。なかでも、ミーニャたちがいちばん!」
だろうな。もし限界まで鍛えようものなら人間なんかに捕まるはずもない。今のミーニャはまだレベル5。
「ふ~む。素早さの数値も高い。なぁ、お前どうやって捕まったんだ?」
「……うぅ。ハラいっぱい、ねる。おきたらしらないばしょ……」
「……そうか」
眠っている内に拐われたのか。なら捕まるのもわかる。でないと捕まる理由が見つからない程にそしつがあった。
「ちなみにだが、ミーニャのいた場所の人間はどのくらい強かった?」
「う~……、よくわからない。でも、ここにいるニンゲンはよわい。めちゃくちゃよわい」
「なるほど……」
どうやら大陸間で人間の強さも異なるらしい。他の大陸の人間がどれくらい強いか基準はわからないから何とも言えないが、ひとまずここの人間は弱いとだけ覚えておこう。
「さてミーニャ。お前は強くなりたいか?」
「うんっ! ミーニャつよくないたい!」
「よし、なら鍛えてやろう」
「ほんと!?」
ミーニャの耳がピコピコと動いている。可愛いな。
「ああ。まずは北の森と呼ばれている場所で鍛えようか」
「うん!」
俺は少女達にもし来客があったら今はいないから戻ったら俺から向かうと伝えてもらうように言伝てした。さらにそれだけだと不安だったため、ナビリア商会から大人の女奴隷を購入し、少女たちの世話を頼んだ。家事スキルを持った奴隷だ。
「俺が戻るまで皆の世話を頼む。金は好きに使ってくれて構わない。期待しているぞ?」
「はい、ご主人様。こんなに良くしていただきありがとうございます。ご主人様の期待を裏切るような真似はいたしません。ですので……戻られたらまた……」
「ああ。働きぶりに応じて愛してやろう」
「あぁ……、頑張りますっ!」
屋敷の事を任せた俺はミーニャを連れ北の森へと転移した。
「さて、ミーニャ。まずはレベルを上げていこう。ミーニャのレベルは今5だ。だが限界レベルは1021。まだまだ強くなれるからどんどん魔物を狩っていこう」
「がうっ! ミーニャたたかうすき!」
白虎族は戦闘民族か。いや、狩猟民族かもしれないな。
「がぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
ミーニャはレベル5ながらも、その素早さを生かし敵を翻弄しながら伸ばした爪で容赦なく引き裂いていった。
「ミーニャ、倒した魔物の肉はこっちに持ってこい。俺が解体しておいてやるよ。今日は食べ放題だ」
「あぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
さらにスピードアップした。
「ふむ。あの爪は不思議だな。もしかしてあれが【白虎爪】というスキルか?」
おそらく種族の固有スキルだろう。あの爪は何でも引き裂いていく。それこそ死霊系の魔物も関係なく引き裂いて霧散させている。ミーニャは消えた魔物を見て首を傾げていたが、すぐにまた次の魔物へと飛び掛かる。
「……オークキングすら瞬殺か。ミーニャのレベル5は普通のレベル5じゃないな。人間で言えば50くらいはあるんじゃないかな」
さらにレベルが上がる事でミーニャの動きは早くなっていく。レベル10になった時点でミーニャは森で最強となってしまっていた。
「あるじあるじ! にく! にく!」
「ほいほい。ちゃんと切り分けておいたぞ~。右からオークキングステーキ、ミノタウロスのすき焼き、ワイバーンの唐揚げ、プチドラゴンの竜骨スープだ」
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ミーニャは俺の料理にはまっていた。最初は生肉を食っていたが、屋敷でも料理は食えていたので振る舞って見た所、生肉よりこちらが好きになったようだ。ちなみに屋敷では奴隷シェフが料理を担当していた。
「あるじ! ミーニャとふうふなる! ミーニャまいにちしあわせ!」
「そうかそうか。幸せか……。無理矢理拐われてきただろうに。幸せなら良い。その内ミーニャの親に会いにいかなきゃな」
「っ! いくーー!」
「よし、ならまだまだ強くならなきゃな。頑張れミーニャ」
「あぉぉぉぉぉぉぉん!」
俺は敵のいなくなった北の森から場所をダンジョンへと移し、さらにミーニャを鍛えるのであった。
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