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第3章 エンバッハ帝国編
18: 建国記念
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今までグラムヘイズ王国に属していた俺だが、この地に邪神国デルモートを建国したタイミングに合わせ、グラムヘイズに爵位を返上した。
「そんな勝手な……。あの地はグラムヘイズのものじゃ……」
「あぁん? 戦も俺一人でやったし、開発や各国との連携を取り付けたのも俺だ。文句でもあんのか? おぉん!?」
俺は玉座に座り王女を抱えながら床に座る王子に向かいそう威圧していた。
「も、文句など……。あの、爵位を返上したからと言ってグラムヘイズを見捨てるなどありません……よね?」
俺は王女に注ぎ込みながら王子に言った。
「見捨てやしねぇよ。お前らも邪神教徒だからな。俺は王となり今まで以上にお前らに幸せを与える立場になる。それだけだ。ま、仲良くやっていこうや。なぁ?」
「ははぁっ! 何卒グラムヘイズをよろしくお願いいたします!」
「あ、これもらってくわ。じゃあ行こうか、王女様?」
「ふぁい……」
俺は爵位を捨て、邪神国デルモート初代国王に就任した。
そしてその就任式にまた各国の代表を呼びつける。
「ジェイドはん……、この建物なんなん? 前はこんなんなかったよな!?」
「ああ。信者が増えた事を邪神様がいたく喜んでくれてな。俺に新たな力をくれたんだよ。これからはこの設備がこの大陸のスタンダードになる。シーメルにはこれらを魔導具として他の大陸に広めてもらうぞ。購入するためには邪神教への入団が条件だ。値段は好きに設定してくれて構わん」
そう告げ、設置型にした水洗トイレ、ジェットバス、IHコンロをシーメルの代表に渡した。
「これは……金のなる木やぁぁぁぁっ! 一生ついていきまっせ!」
「頼むぞ。ああ、それは邪神教徒にしか使えないようになってるからな。その説明も忘れるなよ。買ってすぐ邪神教を抜けようとしても無駄と言う事だ」
「わっかりやした~! 万事抜かりなく!」
「儲けは全部好きにしな」
「ははぁぁぁっ!」
そしてシュヴァイト王国女王。
「ジェイド様、お久しゅうございます」
「よく来てくれたミラ。お腹の子は順調か?」
「はい。日々すくすくと」
「そうか。近く国民を全てこの地に移してもらうぞ。そしてミラはこのビルで暮らしてもらう。妻としてな」
「あぁぁ……! ありがとうございますっ! すぐにでも参りますわっ!」
「ああ、待ってるぞ」
次にモルーゲン王国。
「この度は建国おめでとうございます」
「ありがとう。よく来てくれた」
「はっ! しかし……ここの町は随分綺麗になりましたな……。臭いもなく、民は綺麗所ばかり……」
「これも俺の力さ。お前らんとこにも送るよ。資源採掘は大事だからな。引き続き力を貸してもらいたい」
「もちろんですとも! 我らモルーゲンは邪神教と共に!」
最後にエンブラント王国。
「建国おめでとうございます、陛下!」
「ありがとよ。エンブラントは大して旨味もない国だがこれからも頼むわ」
「旨味がないとは心外ですな。今日は我がエンブラントから土産をお持ちしましたぞ」
「土産?」
「はっ。エンブラント産の青い果実です。どうぞお納め下さいませ」
エンブラント王の後ろから無垢な少女達が顔を覗かせていた。
「……ふぅ。エンブラント王よ」
「はっ!」
「何かあれば俺に言え。だからな、引き続きこれの生産に力を入れよ」
「もちろんですとも! では……ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
「「「「よ、よろしくお願いしますっ!」」」」
俺はこの土産を一通り愛で、ビルに住まわせる事にした。どうやら全員まだらしく、これから忙しくなりそうだ。
こうして各国に邪神国デルモート建国が広まり、大陸中からこの地に向かい移住者が殺到する事となる。俺は邪神からもらったスキル【創造】をフル活用し、大都市を建設していった。集まった人々はこれまでの生活がクソ同然だったと知り、新たな生活を満喫していくのである。
「この生活に慣れたらもう戻れないだろう。この世界の文明レベルなど地球に比べたらゴミみたいなもんだ。そしてそのゴミのような文明はシーメルから広まる文明の利器でどんどん塗り替えられていく。いずれ世界は俺の手に! ふっ……ふははははははっ!」
そこにミーニャが子供を抱えてやってきた。
「主っ、ミーニャの親にはいつ会いに行く?」
「……あ」
「忘れてたのか!?」
ここ最近は特に忙しく、白虎族の国の事などすっかり頭から抜け落ちていた。
「いや、すまん。だがなぁ……白虎族の国ってどこだ?」
俺は世界地図を開きミーニャに見せる。
「……さぁ」
「わからないんだろ。どうやって行くんだよ」
ミーニャは地図が読めなかった。大陸もどこにあるのかわからないし、大陸は名前も知らないようだ。
「ぜ、全部回ればいつか……」
「んな暇ねぇっつーの。仕方ないな。シーメルの奴に聞いてみるか」
子供の頃に拐われてきたので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。そんなミーニャも今や立派な母親だ。両手に俺達の子を抱えて幸せそうにしている。自分は今幸せだと両親に会って伝えたいのかもしれないな。
「じゃあ調べてくるから待ってな」
「がうっ!」
俺は世界地図を片手にシーメルへと向かうのであった。
「そんな勝手な……。あの地はグラムヘイズのものじゃ……」
「あぁん? 戦も俺一人でやったし、開発や各国との連携を取り付けたのも俺だ。文句でもあんのか? おぉん!?」
俺は玉座に座り王女を抱えながら床に座る王子に向かいそう威圧していた。
「も、文句など……。あの、爵位を返上したからと言ってグラムヘイズを見捨てるなどありません……よね?」
俺は王女に注ぎ込みながら王子に言った。
「見捨てやしねぇよ。お前らも邪神教徒だからな。俺は王となり今まで以上にお前らに幸せを与える立場になる。それだけだ。ま、仲良くやっていこうや。なぁ?」
「ははぁっ! 何卒グラムヘイズをよろしくお願いいたします!」
「あ、これもらってくわ。じゃあ行こうか、王女様?」
「ふぁい……」
俺は爵位を捨て、邪神国デルモート初代国王に就任した。
そしてその就任式にまた各国の代表を呼びつける。
「ジェイドはん……、この建物なんなん? 前はこんなんなかったよな!?」
「ああ。信者が増えた事を邪神様がいたく喜んでくれてな。俺に新たな力をくれたんだよ。これからはこの設備がこの大陸のスタンダードになる。シーメルにはこれらを魔導具として他の大陸に広めてもらうぞ。購入するためには邪神教への入団が条件だ。値段は好きに設定してくれて構わん」
そう告げ、設置型にした水洗トイレ、ジェットバス、IHコンロをシーメルの代表に渡した。
「これは……金のなる木やぁぁぁぁっ! 一生ついていきまっせ!」
「頼むぞ。ああ、それは邪神教徒にしか使えないようになってるからな。その説明も忘れるなよ。買ってすぐ邪神教を抜けようとしても無駄と言う事だ」
「わっかりやした~! 万事抜かりなく!」
「儲けは全部好きにしな」
「ははぁぁぁっ!」
そしてシュヴァイト王国女王。
「ジェイド様、お久しゅうございます」
「よく来てくれたミラ。お腹の子は順調か?」
「はい。日々すくすくと」
「そうか。近く国民を全てこの地に移してもらうぞ。そしてミラはこのビルで暮らしてもらう。妻としてな」
「あぁぁ……! ありがとうございますっ! すぐにでも参りますわっ!」
「ああ、待ってるぞ」
次にモルーゲン王国。
「この度は建国おめでとうございます」
「ありがとう。よく来てくれた」
「はっ! しかし……ここの町は随分綺麗になりましたな……。臭いもなく、民は綺麗所ばかり……」
「これも俺の力さ。お前らんとこにも送るよ。資源採掘は大事だからな。引き続き力を貸してもらいたい」
「もちろんですとも! 我らモルーゲンは邪神教と共に!」
最後にエンブラント王国。
「建国おめでとうございます、陛下!」
「ありがとよ。エンブラントは大して旨味もない国だがこれからも頼むわ」
「旨味がないとは心外ですな。今日は我がエンブラントから土産をお持ちしましたぞ」
「土産?」
「はっ。エンブラント産の青い果実です。どうぞお納め下さいませ」
エンブラント王の後ろから無垢な少女達が顔を覗かせていた。
「……ふぅ。エンブラント王よ」
「はっ!」
「何かあれば俺に言え。だからな、引き続きこれの生産に力を入れよ」
「もちろんですとも! では……ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
「「「「よ、よろしくお願いしますっ!」」」」
俺はこの土産を一通り愛で、ビルに住まわせる事にした。どうやら全員まだらしく、これから忙しくなりそうだ。
こうして各国に邪神国デルモート建国が広まり、大陸中からこの地に向かい移住者が殺到する事となる。俺は邪神からもらったスキル【創造】をフル活用し、大都市を建設していった。集まった人々はこれまでの生活がクソ同然だったと知り、新たな生活を満喫していくのである。
「この生活に慣れたらもう戻れないだろう。この世界の文明レベルなど地球に比べたらゴミみたいなもんだ。そしてそのゴミのような文明はシーメルから広まる文明の利器でどんどん塗り替えられていく。いずれ世界は俺の手に! ふっ……ふははははははっ!」
そこにミーニャが子供を抱えてやってきた。
「主っ、ミーニャの親にはいつ会いに行く?」
「……あ」
「忘れてたのか!?」
ここ最近は特に忙しく、白虎族の国の事などすっかり頭から抜け落ちていた。
「いや、すまん。だがなぁ……白虎族の国ってどこだ?」
俺は世界地図を開きミーニャに見せる。
「……さぁ」
「わからないんだろ。どうやって行くんだよ」
ミーニャは地図が読めなかった。大陸もどこにあるのかわからないし、大陸は名前も知らないようだ。
「ぜ、全部回ればいつか……」
「んな暇ねぇっつーの。仕方ないな。シーメルの奴に聞いてみるか」
子供の頃に拐われてきたので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。そんなミーニャも今や立派な母親だ。両手に俺達の子を抱えて幸せそうにしている。自分は今幸せだと両親に会って伝えたいのかもしれないな。
「じゃあ調べてくるから待ってな」
「がうっ!」
俺は世界地図を片手にシーメルへと向かうのであった。
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