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第7章 島国ヤマト編

23 移民の王

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 タケミカズチを両手に構え数分、千はいた騎士達の半分がすでに地に伏し、大体二つにわかれていた。城門前には血の海ができあがっている。

「おいおいお~い、千人もいながら俺に傷一つつけらんねぇのか? それでも玉ついてんのか? あぁん?」
「つ……つぇぇ……っ!」

 瞬く間に数を半分近く減らされた騎士達は怯えていた。 

「たっ……助けてくれぇぇぇっ!」
「バカがっ! 戦場で敵に背中を見せるとはなっ!」

 俺の凶刃が背中を見せた騎士を真っ二つに分断する。やがてその恐怖は全体に伝播し、騎士達は次々と武器を投げ捨て逃走を図る。

「やれやれ。背中を見せたら死ぬって言ってんだろうが! 信長はこんな奴らに傷モノにされたってのか? こんな雑魚に……。皆殺しだ。祈れ」
「「「「う……うわぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」

 俺は逃げ惑う騎士だけを狙い次々とその生を刈り取っていく。その数が百をきった頃、ようやく奥から王らしき人物がやってきた。

「こ、これは……! お前が殺ったのかっ!」
「あぁ?」
「「「「へ、陛下っ!」」」」
「あぁん? 陛下だぁ?」

 奥から来た王は冷たくなった同胞を抱え嘆く。

「くぅっ……! 大陸では虐げられ……! ここに来てようやく安住の地を見つけたと思ったのにっ! 我らが何をしたと言うのだっ!」
「何をした? テメェ……そりゃマジで言ってんのか? アァッ!!」
「ぐぅっ!」

 俺は王に向かい強烈な殺気を放つ。王はその殺気に耐えきれず、地に膝をついた。

「何をしたかわかってすらいないとはな。この愚王が」
「な、なん……だとっ!」
「わからないなら教えてやる。ここは島国ヤマトの領土だ。お前らはこの地に住んでいた先住民を殺し、この地を奪った」
「先住民? 殺した? 我らが? な、何を言っている! 我はそんな命令を出した覚えは……」

 王が騎士達を見ると騎士達は視線を外した。

「お、お前ら……まさか! 我は命じたはずだ! もし先住民がいたら融和を申し込めと! それをまさか……!」

 騎士の一人が王に言った。

「おそれながら陛下。この地にいた先住民は好戦的で野蛮な者でした。こちらが下手に出ていた事を良い事に、何人かの同胞が斬り殺されました。私達はその時こう判断しました。この島国に住む者と融和の道などありえないと」
「ば、馬鹿な……」
「この地には先住民はいなかった。それでよろしいではないですか」
「馬鹿者っ! それでは我らはただの侵略者てわはないかっ!!」
「もう逃げるのに疲れたんですよ。ここに来てようやく安らげる土地を見つけたんです。ここに住む者達は何故か魔法を使えない。それを知った私達は先住民を一掃しようと……」

 そこまで聞いた俺は騎士達を全て殺す事にした。

「や、止めてくれっ! 悪いのは我だっ! 殺るなら我をっ!」
「うるせぇよ。お前は最後だ。そこで愚かな兵が死ぬ様を見物してろ。【パラライズ】」
「ぐっ!?」

 俺は王を麻痺させ、王の目の前で騎士達を残らず断罪した。最後の一人を斬り伏せ、俺は地に座り込んだまま動けない王の麻痺を解除し、首に刀を添える。

「最後に言い残す事は?」
「……我はどうなっても良い。だが……民は……民だけは見逃してくれっ!」
「ダメだと言ったら? 今から死ぬお前には俺がこの先どうするかなんてわからないだろう?」
「頼むっ……! 民は本当に安らげる場所を探して来ただけなのだ! 我はどうなっても良いっ! 騎士達の暴挙すら止められなかった裸の王に生きる資格などないのだ……」

 俺は刀を引く。

「裸の王ねぇ。なら最後は裸で死んだらどうだ? 介錯はしてやる。ヤマトのやり方だ。最後は自分で腹を切れ」
「……わかった」

 王は何故か恥ずかしそうに顔を赤らめながら一枚、また一枚と服を脱いでいく。そして上着を脱ぎ捨てた時、俺の股間がピクリと反応を示した。

「お前……まさか女か?」
「……そうだ」

 王は胸に巻いていたサラシを外したわわに実った房を俺の前に放り出した。そして下も脱ぎ地面に正座する。

「……すまぬ、短刀を貸してはもらえぬか? 我は持ち合わせていないのでな」
「あ、ああ。ほらよ」

 そう言い、俺は王に近付き短刀を手に握らせた。

「……すまぬ。これは短刀……か?」
「いや、大太刀かな」
「……なぁ、馬鹿にしておるのか? 我の最後を汚す気か」
「まぁ、人間間違いはある。今回の間違いはお前の配下が俺の女を傷つけた事から始まった。幸い傷つけ奴らも始末したし……ここらで手打ちにしても構わん」
「……それでコレか? この大太刀を我の鞘に納めればあなたの怒りは収まるのか?」
「まぁ……収めてみなければわからんな」
「そうか。だが我はその手の作法は詳しくなくてな。良ければ手解きを……」
「任せろ。ここじゃ何だ、城の中……お前の寝室に案内してもらおうか」
「わかった」

 俺は王、いや女王に案内され彼女の寝室に向かった。場内には非戦闘員しかおらず、誰もが彼女の本当の性別に驚き、その彼女が握る大太刀に目を奪われていた。

「す、すすす凄い立派な大太刀!」
「あ、あんなの納刀されたら即逝きしちゃうわ!」

 そんな声が上がるなか、彼女は階段をいくつか上り、やがて扉の前で止まった。

「ここだ。入ってくれ」
「ああ。なら遠慮なく」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 俺は扉の前で彼女に納刀した。

「な、何をぉぉぉぉぉぉっ!」
「入っただけたが?」
「我は室内にとぉっ! 膣内にとは言ってないぃっ!」
「良いじゃねぇか。これからしばらくヤりまくるんだからよ」
「しばらく? なら……我は許された……のかっ?」
「あん? まだに決まってんだろ。挿入れたら射精す。そうして徐々に許してやるんだ。民を救いたいなら誠心誠意俺に尽くせ。ほら、中に入れよ」
「あっ、深いぃぃぃぃっ!」

 俺は彼女を抱えて寝室に入り、ひたすら彼女に納刀を続けるのであった。 
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