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第2章 領地開発の章
20 これから
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関係を一室に集め、ガゼルはこれからの事を皆に相談していた。
「一先ず、この国から勇者は消えた。ユワンの敵は残念ながら居なかったな。」
「仕方ないです、ガゼル様。私もそんな簡単に復讐出来るとは思っていませんでしたので。」
ユワンはニッコリ笑ってガゼルにそう告げた。呼び出して殺そうかと言ったが、それでは面白くないですと言われ、やめた。
次は、ライオット村から呼び寄せた女勇者のアズサと、ミユ、ユカについてだ。
「この3人は勇者だが、俺の女だ。ユワン、彼女達をどう思う?」
ユワンはアズサ達を見て言った。
「民を害さない勇者なら問題ありませんよ?見た目も可愛いし、殺す気なんてありませんって。」
「そうか、これなら大丈夫そうだな。皆仲良くやっていきたいからな。」
「「よ、宜しくお願いします!」」
ミユとユカは皆に挨拶していた。ガゼルは口を開く。
「さて、面通しも終わった所で、これからについて話し合おう。皆、率直な意見をくれ。」
まず、ヴァニラが口を開いた。
「ガゼル様はこの国の王となられましたので、先ずは民の暮らしをより良いモノにする事が先決かと。先代の王と貴族達がかなり悪政を強いていた為、国民は国に不信感を募らせております。反乱が起きてからでは手遅れになるかと…。」
「ふむ…。それについては民に扮した兵を国中に散らばらせ、民から国に対する要望を今集めさせている。兵達が帰り次第、動き始める。他には?」
「後は…やはりこの町でも貧富の差があり、スラム街が存在しております。国としても何とかしたいのですが…。」
「スラムか…。どんな奴らが住んでいる?」
ヴァニラは資料をガゼルに手渡した。ガゼルはそれを読んでいく。スラムの規模から住んでいる種族まで、事細やかに記されていた。
「ふむ、分かりやすい。えっと何々…ふむ、亜人が多いな。」
「ええ、この国は差別が比較的緩い国ですので、よく他国から亜人達が逃げて来るのです。しかし、この国に来ても職が無く、貧しい者達はスラムに住んでいるのです。中には身を売る者なんかも居まして…、治安の悪化にも繋がっています。」
亜人の身売りか。俺の国でそんな事をさせる分けにはいかないな。
「視察してくる。ここに居たんじゃ実態が掴めん。」
「誰か付けますか?」
「いや、問題ない。勇者でも勝てない俺に誰が傷つけるんだよ?心配無用だ。」
「そうですねぇ。でも、スラムは荒くれ者も多いですから、お気をつけて。」
「うむ、では行ってくる。」
ガゼルは単身スラムへと歩いて行く。
「久しぶりだな、地下闘技場の件依頼か?あの時は夜だったし、見物もしなかったからなぁ。しかし、改めて見ると酷いな…。」
道端には物乞いや昼なのに娼婦などがズラリと並んでいた。
「あら…いい服きたお兄さん?ちょっと遊ん…こ、国王!?」
「遊びたいんだけどなぁ…。病気は勘弁だ。【クリア】。」
ガゼルは娼婦の患っていた病気を回復してやった。
「あ、あれ…痒みが…?」
「治してやったんだよ。治癒師位居ないのか?」
「居たけどさ…治療代が高くついて使えなかったのよ。皆で追い出しちゃった。」
「それで病気になってたら本末転倒じゃないか。皆に感染していくんだぞ?」
「う…だって…、そうしなきゃ税が払えないし、この町を追い出されるんだ!仕方ないじゃないか!」
「身体を売るのはやめておけ。ここに居る子供達もそんな関係で生まれたんだろ?父親が誰かも分からないのは可哀想だ。」
「う…ぐ…だ、だったらさ!私達を何とかしてよっ!貴方王なんでしょ!?」
「その為に来たんだよ。先ず、病気の奴を全員集めろ。それと腹を空かせて居る奴、職を探して居る奴、全てだ。いけ。」
娼婦はスラム街の住人に声を掛けた。一人から二人と次々に話が広がっていき、ほぼ全ての住人が集まった。
「声掛けて来たよ。で、どうするんだい?国王サマ?」
「先ず、病気の奴集まれ。」
ガゼルの回りに病気持ちが集まった。
「【オールクリア】。」
ガゼルは全ての病を治療して見せた。
「次は食料だな。」
ガゼルは大量の食料を次々と目の前に出し、全員に配った。
「後は…臭うな。お前ら、風呂は?」
「風呂なんてあるわけないじゃない。」
「ならば作るか。」
ガゼルはボロボロの民家を何件か潰し、巨大な温泉施設を作った。
「お、俺の家ぇぇぇぇぇっ!?」
「安心しろ、ここら一帯更地になる予定だ。」
「「「「えぇぇっ……。」」」」
ガゼルは民家を全て取り壊し、変わりにマンションを何棟か建てた。
「あれが新しい家だ。各自好きに使え。」
住人達は唖然としていた。
「住む所もある、風呂も出来た。けど…職がないんじゃ…。」
「ふむ、職か。お前達、俺に仕えろ。男は全員兵士として雇ってやる。女は…俺の世話係だな。子供達は自由に暮らせ。養護院を作ろう。誰か家事が得意な奴を世話人にしたい。何人か選んでおけ。」
ガゼルは新たに養護院を建て、捨てられた子や親を亡くした子を集め、そこで不自由なく暮らせる様にした。
「か、神…か?」
「そんなんじゃねぇよ。ただ、俺の国で不幸な奴は見ていられないだけだ。亜人に対する差別も無くするし、何か困った事があったら俺に言え。皆で良い国にしようぜ。」
「「「「は、はいっ!!」」」」
亜人達は歓喜していた。中には嬉しくて涙を流す奴もいた。
「これからどんどん街を綺麗にしていく。腐った奴等を見掛けたら報告な。良いか?犯罪は許さんからな。」
「勿論でさぁ。亜人一同、ガゼル様に従いますぜ!」
「うむ、期待している。」
こうしてガゼルはスラムを街で一番快適な地区へと変えたのであった。
「一先ず、この国から勇者は消えた。ユワンの敵は残念ながら居なかったな。」
「仕方ないです、ガゼル様。私もそんな簡単に復讐出来るとは思っていませんでしたので。」
ユワンはニッコリ笑ってガゼルにそう告げた。呼び出して殺そうかと言ったが、それでは面白くないですと言われ、やめた。
次は、ライオット村から呼び寄せた女勇者のアズサと、ミユ、ユカについてだ。
「この3人は勇者だが、俺の女だ。ユワン、彼女達をどう思う?」
ユワンはアズサ達を見て言った。
「民を害さない勇者なら問題ありませんよ?見た目も可愛いし、殺す気なんてありませんって。」
「そうか、これなら大丈夫そうだな。皆仲良くやっていきたいからな。」
「「よ、宜しくお願いします!」」
ミユとユカは皆に挨拶していた。ガゼルは口を開く。
「さて、面通しも終わった所で、これからについて話し合おう。皆、率直な意見をくれ。」
まず、ヴァニラが口を開いた。
「ガゼル様はこの国の王となられましたので、先ずは民の暮らしをより良いモノにする事が先決かと。先代の王と貴族達がかなり悪政を強いていた為、国民は国に不信感を募らせております。反乱が起きてからでは手遅れになるかと…。」
「ふむ…。それについては民に扮した兵を国中に散らばらせ、民から国に対する要望を今集めさせている。兵達が帰り次第、動き始める。他には?」
「後は…やはりこの町でも貧富の差があり、スラム街が存在しております。国としても何とかしたいのですが…。」
「スラムか…。どんな奴らが住んでいる?」
ヴァニラは資料をガゼルに手渡した。ガゼルはそれを読んでいく。スラムの規模から住んでいる種族まで、事細やかに記されていた。
「ふむ、分かりやすい。えっと何々…ふむ、亜人が多いな。」
「ええ、この国は差別が比較的緩い国ですので、よく他国から亜人達が逃げて来るのです。しかし、この国に来ても職が無く、貧しい者達はスラムに住んでいるのです。中には身を売る者なんかも居まして…、治安の悪化にも繋がっています。」
亜人の身売りか。俺の国でそんな事をさせる分けにはいかないな。
「視察してくる。ここに居たんじゃ実態が掴めん。」
「誰か付けますか?」
「いや、問題ない。勇者でも勝てない俺に誰が傷つけるんだよ?心配無用だ。」
「そうですねぇ。でも、スラムは荒くれ者も多いですから、お気をつけて。」
「うむ、では行ってくる。」
ガゼルは単身スラムへと歩いて行く。
「久しぶりだな、地下闘技場の件依頼か?あの時は夜だったし、見物もしなかったからなぁ。しかし、改めて見ると酷いな…。」
道端には物乞いや昼なのに娼婦などがズラリと並んでいた。
「あら…いい服きたお兄さん?ちょっと遊ん…こ、国王!?」
「遊びたいんだけどなぁ…。病気は勘弁だ。【クリア】。」
ガゼルは娼婦の患っていた病気を回復してやった。
「あ、あれ…痒みが…?」
「治してやったんだよ。治癒師位居ないのか?」
「居たけどさ…治療代が高くついて使えなかったのよ。皆で追い出しちゃった。」
「それで病気になってたら本末転倒じゃないか。皆に感染していくんだぞ?」
「う…だって…、そうしなきゃ税が払えないし、この町を追い出されるんだ!仕方ないじゃないか!」
「身体を売るのはやめておけ。ここに居る子供達もそんな関係で生まれたんだろ?父親が誰かも分からないのは可哀想だ。」
「う…ぐ…だ、だったらさ!私達を何とかしてよっ!貴方王なんでしょ!?」
「その為に来たんだよ。先ず、病気の奴を全員集めろ。それと腹を空かせて居る奴、職を探して居る奴、全てだ。いけ。」
娼婦はスラム街の住人に声を掛けた。一人から二人と次々に話が広がっていき、ほぼ全ての住人が集まった。
「声掛けて来たよ。で、どうするんだい?国王サマ?」
「先ず、病気の奴集まれ。」
ガゼルの回りに病気持ちが集まった。
「【オールクリア】。」
ガゼルは全ての病を治療して見せた。
「次は食料だな。」
ガゼルは大量の食料を次々と目の前に出し、全員に配った。
「後は…臭うな。お前ら、風呂は?」
「風呂なんてあるわけないじゃない。」
「ならば作るか。」
ガゼルはボロボロの民家を何件か潰し、巨大な温泉施設を作った。
「お、俺の家ぇぇぇぇぇっ!?」
「安心しろ、ここら一帯更地になる予定だ。」
「「「「えぇぇっ……。」」」」
ガゼルは民家を全て取り壊し、変わりにマンションを何棟か建てた。
「あれが新しい家だ。各自好きに使え。」
住人達は唖然としていた。
「住む所もある、風呂も出来た。けど…職がないんじゃ…。」
「ふむ、職か。お前達、俺に仕えろ。男は全員兵士として雇ってやる。女は…俺の世話係だな。子供達は自由に暮らせ。養護院を作ろう。誰か家事が得意な奴を世話人にしたい。何人か選んでおけ。」
ガゼルは新たに養護院を建て、捨てられた子や親を亡くした子を集め、そこで不自由なく暮らせる様にした。
「か、神…か?」
「そんなんじゃねぇよ。ただ、俺の国で不幸な奴は見ていられないだけだ。亜人に対する差別も無くするし、何か困った事があったら俺に言え。皆で良い国にしようぜ。」
「「「「は、はいっ!!」」」」
亜人達は歓喜していた。中には嬉しくて涙を流す奴もいた。
「これからどんどん街を綺麗にしていく。腐った奴等を見掛けたら報告な。良いか?犯罪は許さんからな。」
「勿論でさぁ。亜人一同、ガゼル様に従いますぜ!」
「うむ、期待している。」
こうしてガゼルはスラムを街で一番快適な地区へと変えたのであった。
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