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第一章 異世界転移編
05 魔神様からスキルをもらいました
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辺りを漆黒の闇が包む。
枢はリミラの転移魔法で魔神が待つ空間へと連れて来られていた。どうやら先ほどまでいた空間とは別空間にあるらしい。何もない漆黒の空間に一つの豪華な扉があった。
「ここが魔神様の部屋につながる入り口なのデス。行こっ枢お兄ちゃん☆」
枢はリミラに手を引かれ扉の奥へと進む。そこは謁見の間のような場所で奥に玉座が見える。玉座には誰かが座っていた。二人は玉座の手前で頭を下げ床に膝をつく。
玉座に座る何者かが二人を見て口を開いた。
「よく来てくれました異界の者よ。私が魔神と呼ばれる【エレル・マナテウス】です。どうぞ、楽にして下さい」
枢は立ち上がり玉座を見上げた。枢の視界にすっげぇワガママボディをお持ちな美女が飛び込んできた。魔神は長い黒髪に尖った耳、そして赤を基調としたドレスを纏いうっすらと笑みを浮かべていた。
「さて、この度は私達魔族の事情に巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。このまま何もせずにいれば私達は近いうちに滅んでいたかもしれないのです。貴方には申し訳ないのですが……どうか私達に助力をお願い致したいのです……」
枢は俺が出来るコトなら全力で尽くすと告げた。そう告げると魔神は安堵したかのように微笑みを浮かべた。
「私はこの空間から見守るコトしか出来なく……。日々減っていく同胞のために何も出来ずにいたのが悔しくてね……。私の力は魔族には力を与えてあげられないのです……。ああ、リミラだけは別ですが」
どうやらリミラはただの魔族ではないらしい。まぁ、可愛いからいいか。そして魔族には力を付与出来ないか。なるほど、この世界で周りは敵だらけ、助けを求めるためには違う世界から喚ぶしか無かったのか。これは勇者召喚みたいなものか。
「では、枢殿。望む力は決まってますか? 三つまでなら付与出来ますが……。ここは外とは時間の流れが少々異なりますのでまだならゆっくりと考えてくれて構わないですよ?」
(…ふむ、一つだけかと思っていたのだがまさか三つも貰えるとはな)
枢はリミラに自分は魔法が使えるのか問うと、リミラは適性があれば使えるデス、リミラが教えてあげる☆と答えた。適性があるのかどうかはどうすればわかるのだろうか。
リミラに尋ねたところ、スキル【解析】があれば自分や他者の情報が見えるらしい。ただレベル差がある場合は表示がおかしくなるらしいが。ふむ……。
「魔神様、可能なら一つづつ順に付与してもらいたいのですが……」
魔神は自分の事を呼ぶ時はエレルで良いと言い、問いにはそれで構わないと答えた。ならばまず必要なのは……。
「エレル様、一つ目の力はスキル【絶対解析】が欲しいのですが、これは俺がレベル差など関係なく望む相手や物の全ての情報が見える【偽装】不可。俺が敵と認識した者にしか使えない。その他の人物や無機物には鑑定と同じ効果が発揮される……可能ですか?」
エレルはしばし考えた後可能だと答えた。
「よ~しっ! エレル様、では一つ目の力は【絶対解析】にします」
「わかりました。では付与致しょう。我が力よ彼の者に現れよ」
エレルの指先が光る。光は枢の身体を包みその内に宿った。
「成功しました。一応使ってみて下さい。不具合や望んだ力と違う場合でも付与してしまった以上、もう消せませんので」
枢は頷きスキルを自分に発動させてみた。
──【絶対解析:対象 枢】──
すると目の前にステータス画面の様な物が現れた。そこにはこう書かれていた。
名前:八神 枢
種族:異世界人
LV:01
MP:90/100
魔法適性:全属性
所持スキル:【絶対解析】
「なるほど、MPは10消費か」
(これは……ふっ、計画通り。これだけ情報が得られれば……くくっ。おっと、思わず笑ってしまった。さて、二つ目はどうしようか……。少し考えよう。三つ目は既に決まっている。これだけは外せない。二つ目をどうしようか。ふ~む……愛車をどうにかできないかな……? ふむ……。魔力を流し物質の形状を変える。いや、いまいち弱いな……。はっ …!! ……これなら……イケる……か!」
枢は何かを思いつきエレルに願った。
「エレル様、二つ目は【擬人化】と言うスキルが欲しい! 可能でしょうか?」
スキルの内容の意味がわからないと、エレルは枢に擬人化の内容を聞いた。
擬人化とは生命を持たない物質を人の姿に変え生命を与える能力のこと。そう枢が答えた。エレルは不思議な力を欲しがるのね……と言いつつも可能だと答えた。
ならば……と、枢はそのスキルは所持MPの半分を使い、消費した分だけ擬人化したモノに力を与えられるように調整してもらった。
エレルが枢に問い掛ける。
「その力は使えるのでしょうか……?? まぁ、枢殿にしかわからないのでしょうが……。……【擬人化】付与致しました。三つ目はどうしますか?」
三つ目は最初から決まっている。まともに戦うなど始めから考えてない。
「三つ目は……スキル【帰還】。これは他の世界からこの世界に呼ばれた勇者なる者のスキルを取捨選択で吸収した後、元いた世界に送り返すと言うスキルです。ただし、相手の同意が必要。可能ですか?」
エレルはドン引きしていた。
「あ……悪魔よ。恐ろしい悪魔が目の前にいるわ……。可能か不可能で言うと可能よ。でも……よくそんな極悪スキルを思いつくわね……」
「帰りたいならわざわざ戦う必要無いじゃないですか。しかも、スキル持ちで帰すとか……危ないじゃん? 地球じゃ」
エレルは三つ目のスキル【帰還】を付与し、疲れた様子で項垂れていた。どうやら枢に力を付与し魔力が残り少なくなったため、しばらく休息が必要らしい。
「では、枢殿。わが同胞……魔族たちをどうかよろしくお願い致します。リミラ? 枢殿の事よろしく頼みますよ?」
リミラは任せておけと言わんばかりに胸をはり、敬礼した。そして二人は魔神のいた空間を後にし、リミラの部屋へと戻っていった。
──どうか、魔族に平穏が訪れますように……──
魔神エレルはそう呟き、深い眠りにつくのであった。
★現在のステータス
名前:八神 枢
種族:異世界人
LV:01
MP:100/100
魔法適性:全属性
所持スキル:【絶対解析】【擬人化】【帰還】
枢はリミラの転移魔法で魔神が待つ空間へと連れて来られていた。どうやら先ほどまでいた空間とは別空間にあるらしい。何もない漆黒の空間に一つの豪華な扉があった。
「ここが魔神様の部屋につながる入り口なのデス。行こっ枢お兄ちゃん☆」
枢はリミラに手を引かれ扉の奥へと進む。そこは謁見の間のような場所で奥に玉座が見える。玉座には誰かが座っていた。二人は玉座の手前で頭を下げ床に膝をつく。
玉座に座る何者かが二人を見て口を開いた。
「よく来てくれました異界の者よ。私が魔神と呼ばれる【エレル・マナテウス】です。どうぞ、楽にして下さい」
枢は立ち上がり玉座を見上げた。枢の視界にすっげぇワガママボディをお持ちな美女が飛び込んできた。魔神は長い黒髪に尖った耳、そして赤を基調としたドレスを纏いうっすらと笑みを浮かべていた。
「さて、この度は私達魔族の事情に巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。このまま何もせずにいれば私達は近いうちに滅んでいたかもしれないのです。貴方には申し訳ないのですが……どうか私達に助力をお願い致したいのです……」
枢は俺が出来るコトなら全力で尽くすと告げた。そう告げると魔神は安堵したかのように微笑みを浮かべた。
「私はこの空間から見守るコトしか出来なく……。日々減っていく同胞のために何も出来ずにいたのが悔しくてね……。私の力は魔族には力を与えてあげられないのです……。ああ、リミラだけは別ですが」
どうやらリミラはただの魔族ではないらしい。まぁ、可愛いからいいか。そして魔族には力を付与出来ないか。なるほど、この世界で周りは敵だらけ、助けを求めるためには違う世界から喚ぶしか無かったのか。これは勇者召喚みたいなものか。
「では、枢殿。望む力は決まってますか? 三つまでなら付与出来ますが……。ここは外とは時間の流れが少々異なりますのでまだならゆっくりと考えてくれて構わないですよ?」
(…ふむ、一つだけかと思っていたのだがまさか三つも貰えるとはな)
枢はリミラに自分は魔法が使えるのか問うと、リミラは適性があれば使えるデス、リミラが教えてあげる☆と答えた。適性があるのかどうかはどうすればわかるのだろうか。
リミラに尋ねたところ、スキル【解析】があれば自分や他者の情報が見えるらしい。ただレベル差がある場合は表示がおかしくなるらしいが。ふむ……。
「魔神様、可能なら一つづつ順に付与してもらいたいのですが……」
魔神は自分の事を呼ぶ時はエレルで良いと言い、問いにはそれで構わないと答えた。ならばまず必要なのは……。
「エレル様、一つ目の力はスキル【絶対解析】が欲しいのですが、これは俺がレベル差など関係なく望む相手や物の全ての情報が見える【偽装】不可。俺が敵と認識した者にしか使えない。その他の人物や無機物には鑑定と同じ効果が発揮される……可能ですか?」
エレルはしばし考えた後可能だと答えた。
「よ~しっ! エレル様、では一つ目の力は【絶対解析】にします」
「わかりました。では付与致しょう。我が力よ彼の者に現れよ」
エレルの指先が光る。光は枢の身体を包みその内に宿った。
「成功しました。一応使ってみて下さい。不具合や望んだ力と違う場合でも付与してしまった以上、もう消せませんので」
枢は頷きスキルを自分に発動させてみた。
──【絶対解析:対象 枢】──
すると目の前にステータス画面の様な物が現れた。そこにはこう書かれていた。
名前:八神 枢
種族:異世界人
LV:01
MP:90/100
魔法適性:全属性
所持スキル:【絶対解析】
「なるほど、MPは10消費か」
(これは……ふっ、計画通り。これだけ情報が得られれば……くくっ。おっと、思わず笑ってしまった。さて、二つ目はどうしようか……。少し考えよう。三つ目は既に決まっている。これだけは外せない。二つ目をどうしようか。ふ~む……愛車をどうにかできないかな……? ふむ……。魔力を流し物質の形状を変える。いや、いまいち弱いな……。はっ …!! ……これなら……イケる……か!」
枢は何かを思いつきエレルに願った。
「エレル様、二つ目は【擬人化】と言うスキルが欲しい! 可能でしょうか?」
スキルの内容の意味がわからないと、エレルは枢に擬人化の内容を聞いた。
擬人化とは生命を持たない物質を人の姿に変え生命を与える能力のこと。そう枢が答えた。エレルは不思議な力を欲しがるのね……と言いつつも可能だと答えた。
ならば……と、枢はそのスキルは所持MPの半分を使い、消費した分だけ擬人化したモノに力を与えられるように調整してもらった。
エレルが枢に問い掛ける。
「その力は使えるのでしょうか……?? まぁ、枢殿にしかわからないのでしょうが……。……【擬人化】付与致しました。三つ目はどうしますか?」
三つ目は最初から決まっている。まともに戦うなど始めから考えてない。
「三つ目は……スキル【帰還】。これは他の世界からこの世界に呼ばれた勇者なる者のスキルを取捨選択で吸収した後、元いた世界に送り返すと言うスキルです。ただし、相手の同意が必要。可能ですか?」
エレルはドン引きしていた。
「あ……悪魔よ。恐ろしい悪魔が目の前にいるわ……。可能か不可能で言うと可能よ。でも……よくそんな極悪スキルを思いつくわね……」
「帰りたいならわざわざ戦う必要無いじゃないですか。しかも、スキル持ちで帰すとか……危ないじゃん? 地球じゃ」
エレルは三つ目のスキル【帰還】を付与し、疲れた様子で項垂れていた。どうやら枢に力を付与し魔力が残り少なくなったため、しばらく休息が必要らしい。
「では、枢殿。わが同胞……魔族たちをどうかよろしくお願い致します。リミラ? 枢殿の事よろしく頼みますよ?」
リミラは任せておけと言わんばかりに胸をはり、敬礼した。そして二人は魔神のいた空間を後にし、リミラの部屋へと戻っていった。
──どうか、魔族に平穏が訪れますように……──
魔神エレルはそう呟き、深い眠りにつくのであった。
★現在のステータス
名前:八神 枢
種族:異世界人
LV:01
MP:100/100
魔法適性:全属性
所持スキル:【絶対解析】【擬人化】【帰還】
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