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冒険者トーナメント編
罪と罰。
しおりを挟む俺たちはオーガ討伐任務を無事成功させ、ミトラシティへ戻りクエスト完了の報告をする。
「助かったよ。はやく奥さんのところへ行ってやれ。」
「あぁ。ありがとう急いで帰ることにするよ。じゃあまた。」
今回の任務は予想よりもはやく終わり家に着くことができた。
「ただいま!」
…
いつもなら帰って来た瞬間におかえりなさいと声が聞こえるはずなのになにかおかしい。
家中探して見てもどこにも妻の姿は見つからない。
「どこへ行ったんだ…買い物か?」
妊婦ということもありいつも俺が買い物へ行っているがなにか急用で外へ出たのかもしれない。
だが、俺は何か嫌な予感がし、急いで家を飛び出し商店街へ向かう。
「すまない。妻を見なかったか?」
「おや!アランじゃないかい!どうしたんだい?」
「家に帰ったら妻がいなくて、買い物かと思ってここへきたんだが、どこにもいないんだ。」
「私は知らないねぇ、誰か知ってるかね…」
「奥さんならバイル伯爵とさっきお話ししてたわよ?」
バイル伯爵だと…ずっと昔から妻のことを好きでしつこかったが最近はしつこくないと思ったら今更またくるとは…
「どこにいたんだ?」
「伯爵家前で話してたけど…」
「ありがとう。すぐに行ってくる。」
まさか、伯爵ともあろうものがおかしな行動をするとは思えないが、何か胸騒ぎがする。
俺は身体強化を使い最速で伯爵家へと向かう。
「すまない!バイル伯爵はいるか?」
「バイル伯爵は今取り込み中だ。」
「妻が行方不明なんだ。伯爵と話をしていたと聞いた。伯爵と話がしたい。」
「あぁ確かに外で話してたが、今は奥さんの体調を心配して中で話してるぞ。」
「そうか、じゃあ通してもらおう。」
「だめだ。ここは伯爵家だぞ。勝手な侵入は許さない。」
「どけ。」
俺は門番を押しのけ、強行突破する。
「ま、まて!」
俺は伯爵家のドアを開け、一番奥にあるバイル伯爵の部屋へ向かう。
一度訪れたことがあるから迷うことなく目的地へ向かう。
部屋につき、扉を勢いよく開ける。
そこには気を失っている俺の妻と醜い姿をさらし一生懸命に腰を振っているバイル伯爵の姿があった。
「…おい…何してる…」
「はぁはぁ、誰だ?俺は今楽しんでるんだ!邪魔するな!」
「…殺す…。」
「あ?誰だ?」
俺はバイル伯爵の顔面を蹴り上げ、裸で横たわっている妻に近寄る。
「すまない…怖い思いをさせたな…」
俺は自分の羽織っていた外套を妻にかける。
「お、お前!俺にこんなことして済むと…ぶぎゃっ」
「うるさい。」
俺はもう一度起き上がってきたバイル伯爵を蹴り飛ばし、伯爵に馬乗りになりボコボコにする。
「す、すまなかった…つい…」
「黙れ。」
伯爵が命乞いをしているがそんなことは気にしない。こいつのしたことは絶対に許せない。殺してやる。
「もう…もうゆるぢでぐだざい…」
「うるさい。」
すでにもうバイル伯爵の顔は原型がないくらいまでボコボコになっている。
だが、止めない。力の限りバイル伯爵の顔を殴りつける。
「はぁ、はぁ、貴様!なんてことをしている!」
やっと先ほどの門番がついたようだ。
俺が殴るのを止めに入るがSランク冒険者の力をただの門番が止めれるわけもない。
俺は伯爵が動かなくなったことで冷静になり、妻に駆け寄る。
「大丈夫か!おい!起きてくれ!」
俺がいくら呼びかけても起きる気配がない、それによく確認すると頭からも下からも血が出ている。
「誰か!治癒魔法を使える人を呼んでくれ!」
俺が助けを求めるとすぐにギルドから治癒術師が部屋に入ってくる。
騒動を聞き、俺が呼ぶ前からこちらへ向かっていたようだ。
「よかった、早く、妻を助けてくれ!」
治癒術師が部屋へ到着するが誰も妻を助けず、伯爵の治癒に当たる。
「おい、なんでだよ!そいつが妻のことをこうしたんだ!お腹に子供もいる!助けてくれ!」
しばらくして、伯爵の意識が戻る。
が、誰も次に妻を助けようとしてくれない。
「はぁはぁ、あいつを捕らえろ!」
「俺のことはどうしてもいい、妻を、妻を助けてくれ…」
「はっはっは!気持ちかったなぁ!ヤろうとしたら暴れてたけど頭殴ってコロっと逝ってからは大人しくてなぁ!」
「…死んだ?なに言ってるんだ…?」
「だから、俺が灰皿で殴ったら死んだって言ったんだよ!だから誰も回復で治せねーんだよ!死んでんだからな!」
「…許さない…」
「あぁ?聞こえねーよ」
「コロシテヤル…」
「お、おい!お前ら今すぐあいつを捕らえろ!」
「っていう話があったんだ。」
「そうか。屋敷にいた全員を殺して自ら出頭か…」
「あぁ、ほんと酷い話だよな。」
やはり過去になにかあると思ったがそんなことがあったとは…
この拳王と守護者の試合、かなり荒れそうだな。
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