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奴隷舎と少女のこと
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タッ……タッタッタ……ガッ……
タッタ…………
少し蒸し暑く感じるようになった朝方、
私は起きて、日常の酷い仕打ちにより、
習慣になってしまっている涙を静かに流しながら、
犬の餌と変わらない野菜の切れ端や、
乾いたパンなどの粗末な食事を摂っていると、
何やら、管理係の足音のような連続して乾いた音が、
私達、奴隷を収容する奴隷舎と呼ばれる
建物内に響きました。
そうして、その音が、時々止まっていると
思うと、自分の入っている屈強な
檻が、ガシャリと機械的な音を立てて
開いたので、とても驚いてしまいます。
でも、きっと、私たち、奴隷は
解放させてくれないようでした。
目の前には体つきの良い丸刈りの男性
二人組がバツの悪そうな顔で立っていて、
その管理係に言われるがまま、私は
檻から外に出ると、そこには、自分と
同じ境遇の女奴隷達が、沢山、
とぼとぼと歩いています。
[おい、お前ら、速く進め!]
そう管理係の男達に怒鳴られ、あまりに
その人たちに従わないと、また殴打される
ため、言われた通りに歩く速さを速め、
先に歩いていた列に、鎖と枷を繋がれながら、
この先、何が起きるか分からなく、
ただただ強い恐怖感に苛まれていました。
何故なら、ここへきたときから今まで、
近くで犯罪者が刑務所から逃げ出そうと、
ちょっとした火事になろうと、頑なに
檻から出してもらえなかったのに、
今、何も起きてないのにも関わらず、
檻の外に出され、これから何か悪いことが
待っているに違いないと思ったからです。
周りにいる同じような人達も、
この異常な事態に違和感を覚えたのか、
嬉しそうな顔をする者は一部を除いて、
殆どいませんでした……
私を含め、大半の奴隷達は、外へ出して
くれても、依然として足枷などは着いたまま
だったので、どうせすぐ、また労働などを
終えたら檻に入れられると思っていたから
かもしれません。
喜ぶ者も、きっと、この例を見ない異常な
事態に、自分の終わりが来るのだと悟り、
この苦しい生活から抜け出せると
喜んでいるのでしょう……
例え、それが自らの死であったとしても。
[すみません……私達、これから、
どこへ向かうのですか?
見る限り、檻に入れられている奴隷、
全員外に出されているみたいですが……]
私は、これからどこに行くのか知りたく、
そう、近くの見張り役の男に
聞いてみましたが、
[ああ? いずれ分かる……だから
今は黙って進め
にしても、奴隷が他の奴隷なんて
言うんだな……]
[…………]
その一点張りで私達には言えないようです。
もしかしたら、行った先で管理しにくさを
理由に、皆、殺されてしまうのではないか……
そんなあり得ないこと……いや、少しは
可能性があることを真剣に考えてしまう程に
私は追い詰められていました。
どうなるか分からないまま、朝方から、
日が空高く昇る頃まで黙々と歩くと、
突然、奴隷の行進が止まってしまい、
私も含めた沢山の奴隷達は何事かと焦り、
大人数で窮屈だったのと、沢山の焦った人の
勢いに押され、中には列からはみ出してしまう
奴隷もいて、その者達を、これもまた、
がっしりとした体つきの管理係の男が
惨たらしく殴っていきました。
[えっ!? あっ……やっ、いっだいぃぃ!!
あっ……ぎゃっ! ごめんなさい
ごめんなさい!! 殴らないで!
もう痣だらけなの!! 列に戻ります!
ちゃんと列に戻りますからぁっ!!]
そう、弱々しい声が近くから聞こえてきたと
思うと、視界に映った、力が弱く、
列からはみ出してしまったお腹の大きい
三十半ばの女性が、管理員に骨の筋が浮かぶ
拳で、背中などの全身を殴られ、お腹を抑えて
痛みに耐えながら、必死に助けて欲しそうに、
淀んだ目つきでこちらを見ていましたが、
ただ黙って、殴られている彼女を
見ていることしかできませんでした。
何故なら、規則を破った奴隷が虐げられる
のは、これが初めてじゃなく、日常的に
行われ、良心に苛まれて彼女を助けたら、
私も同じように酷いことをされると
思ったからです。
それに痩せ細り、筋張った自分の手や、
生傷だらけの脚では、そもそも彼女を
助けることなんて出来ないとも思いました。
結局、私は虐げられている彼女を
助けることよりも自己保身に走ったのです。
人間、最後は自分が一番大事なんだと、
そう、こんな出来事に遭う度に感じます。
[や、やめろ! 手を出すな!! シオンに!]
もう、列に並び直したというのに、
殴る男の気まぐれで、変わらず
暴力を振るわれている幸の薄そうな彼女に対し、
何も思わず、いいえ、深く思わないようにして、
でも、出来れば見苦しいから、速く、
喧嘩騒ぎが終わらないかと思っていると、
自分の近くにいた、他の管理係の男が、
女性を虐げ続ける男に血相を変え、
突然飛びかかりました。
[あっ? はっ……なんだよお前 気でも
狂ったか? お前が殴りかかるのは
俺じゃなくて! この糞女だろうが!]
[いいから離せ!! 彼女を離せよ!!]
[おえっっ、あっああっ……!ガラサ様ぁ、
駄目ですっ、来ては!]
本来、こき使われる側と管理する側で
憎しみが生まれ、仲良くなる関係などでは
なさそうでしたが、何やら訳ありで
お互いに相手のことを知っていそうな
二人の男女、管理員と奴隷は
互いを守ろうと必死でした。
[わ、私は、だ、大丈夫ですから…!
速くお戻りになさってください!
じゃないと貴方まで酷い目に!……]
[シオン! 君は今から売られてしまうんだ!
もう時間がない…一緒に逃げよう!]
その後、入ってきた管理係の男も巻き込み、
色々と三人で話したり、二人の男が
殴り合っていましたが、結局、突然、
二人の元へ来た男は、女と引き剥がされて
しまい、どうなったか分かりませんでしたが、
女の方は、あの後も踏みつけられたり、
顔面を殴られたりして酷く虐げられ、
土に汚れ、酷い痣ができていていました。
けれども、彼女は苦しむようなそぶりを
一切せず、自身の膨れ上がった大きなお腹を
さすりながら、大丈夫かな、大丈夫だよね、
私の赤ちゃん……と心配そうに
独り言を言っていました。
その様子はとても痛々しく、彼女を
助けなかった申し訳なさから罪悪感を
感じたと共に、何か痛々しく汚されてしまった
彼女に、私は倒錯した性的興奮を感じ、
頭が茫々と熱くなってしまいました。
目の前で酷く虐げられた大人の女が流す
純白とは程遠い、土に汚れた……けれども
美しい涙……そして体中を這うように……
別の悍ましい生き物が、体内から
食い荒らしているように見える
濃い痣だらけの体。
そして、辛くても頑張ろうと、
母親として前を向こうとしても、どうしても
土と血に塗れた顔から漏れてしまう苦痛と
絶望の表情……その全てが、幼き私には
刺激が強く、未熟な心を激しく
煽っていきました。
きっと、ここに正気の人など
いなかったんです。
孕んだ女奴隷を、動物当然に虐げる
管理係の男や、散々酷い扱いをされてきた
管理員との子供を一生懸命守ろうとする
女奴隷……
みんな、きっと、気付かぬうちに歪み、
歪んだことさえ忘れてしまったのでしょう。
ところで、どこかへ行ってしまったあの男が
話していた、今から売られるという話は
まだ、私と彼女しか聞いておらず、
全体的には、さっきまでと変わらず
落ち着いておりました。
前を見ると、管理員の言う通りに
大人しく、他の女奴隷が柵の中にある
檻へと動物のように入れられていて、
私も他の奴隷に見習い、自分から
檻に入ることにしました。
売られるのを恐れ、隙を見て逃げようと
しなかったのは、元々、この痩せて
弱々しい体では無理だと諦めていたのと、
最後にひと時だけでも、人間らしい
明るい気持ちを知れて幸せで、
この性的倒錯を抱えながら、
死にゆきたいと思ったからかもしれません……
(別に売られたからと言って、死ぬわけでは
ありませんが、売られた奴隷の末路は
大方決まっています……)
そうして一通り、全ての奴隷が
檻に入ると、何やら、奇抜な見た目を
している沢山の人がこちらの方へ
向かってきました……
[さあさあ! 皆さん! こちらの檻の中に
いるのが捕縛した子供と女奴隷達でございます
勿論、戦いなどに負け、捕縛したのを引き取り、
奴隷としたもの達だけではありません……
貧窮を理由に、奴隷として酷い親に
売られてしまった悲しき子供や、同じく
惨たらしい趣味を持っている夫の怒りを買い、
懲罰として別れたばかりか、こんな
汗臭い奴隷にまで堕ちてしまった女まで、
沢山の嫌らしい女子供が集まって
いますので、是非、お近くにいらし、
じっくりとご覧になっていただいて
結構です……互いに素晴らしい条件で
取引しましょう!]
そう私達を管理している人達でも、さらに
上の会長と呼ばれる老人による私達の紹介が
終わると、様々な裕福層と見られる方々が、
女性や子供が入れられている
色んな檻の近くにやってきました。
といってもこの奴隷の見せびらかし、
引いては売買が始まった時点では、
骨が浮き出て、性的にも、肉体的にも
使い物にならなそうな私など誰も見てくれず、
さっき管理係の男に殴られていた、
少しふくよかな彼女の方が、富裕層から
人気があり、興味をそそられるようでした。
人気の彼女でしたが、彼女を気にいる
者達の中にまともな人など、
一人もいませんでした。
そもそも、こんな女や子供の奴隷
しかいない売買に来ている時点で、
まともな人などいるわけありませんが……
[あーこいつらが戦に負けた奴らか?
戦に出たのは男ってんのにお前ら
可哀想だな! ひっっ……まっ!
俺の愛犬の遊び相手にくらいはなるか…
いや、なってくれなきゃ困るわ……ひひ]
[ひっ……やだぁ!! やめてぇっ!]
愛犬と称し、二匹の獰猛な虎を連れて、
(きっとあの大きさでは、男の言うような
遊び相手ではすまないでしょう)
幼い少女奴隷が怖がる様子を、
ほくそ笑んで見る肉付きの良い男や……
[ひぃ……ひぃいぃあ!! 裸の女いっぱい
いっぱい!? いるいるぅー!!
速くぅん! 速くぅんっ!!
ペット見つけて首輪つけてたげたいのぉ!!]
素なのか、何か良からぬ薬でもキメている
状態なのか、様子のおかしい大男が
椅子に座り、黒い首輪を細い首に固くつけ、
二の腕と膝から下の方をべっとりと地面につき、
四つん這いの姿勢だからか、膝の皿が
血まみれになっている若い小娘達に、
自分が乗っていて、彼女達を虐げる道具を
載せている台座を運ばせながら、
楽しそうに新たなペットと称する奴隷を
探していました。
太った男の豪華な台座を、黄ばみきった
不潔な歯が見える口元を歪ませ、
苦悶の表情を浮かべながら、引っ張って運ぶ
娘達の顔つきは、どの娘も憔悴しきって
いましたが大層美しく、上に乗る男の好み
なのか、全員、丸い短髪にされていて
統一感がありました。
そして、とても驚いたのは、痩せて
弱々しい女性達の背中には、上に乗る男からの
度重なる鞭打によるものなのか、
どれも、赤黒い筋がボコっと浮き、
爛れていたことです。
それはまるで、地獄から現世へやって来た
恐ろしい幽鬼のようで、あまりに浮き出て、
元の肌色が見えないほど赤黒くなった背中は、
奴隷になって酷いものは大体見てきたと
思っていた自分でさえも、目を背けたくなる
ほどのものでした……
そんな、端正な顔立ちと、背中の醜悪な傷が
相待って、大男を運ぶ、おそらく年齢が
二十にも満たしていないと思われる女達は、
蟷螂に頭を落とされた蛙のように汚らしく、
そして無様でした。
彼女達が男の乗っている台座を指示がない
のにも関わらず、疲れて運ぶのをやめると、
すぐさま男自身の手によって、彼女達の
背中に激しい鞭打が浴びせられ、
若娘達は鞭打の度に、感嘆の声を出し、
苦しそうにしながら、澱んだ瞳から
透き通った涙をこぼし、
その可哀想な娘達の中には、あまりの痛さと
恐怖で失禁する娘もおりました……
[あ、ああっ!!]
[お許しを!! お許しをぉ!!! 漏らした尿
自分が飲んで掃除しますからお許しをぉ!!]
[ごめんなさい! ごめんなさい!]
[あっ……ぎゃあああっ背中が裂けちゃうぅ!!
いだい!! 苦じい!! もう殺してぇっ!!]
[ひーーぃー!! 黙れ黙れ黙るのでーす!
お前達、小汚くて糞尿臭い雌犬の管理は
誰がやってると思ってるでーすか?!
ああ……またお漏らししましたね?
もう! 何度するなって言ったら分かる
のですか!? 臭いも酷いし、服汚れた
んですけどぉ? ただでさえ、お前達は
糞尿臭くて汗臭いのに……
そんな悪い女にはお仕置きしなければ
ですねぇ……]
彼は恐怖で失禁し、服を汚した女性に対して
激しく怒り、また自ら一本鞭を持つと、
今度はその娘の、まだ何も知らない、
純潔の小さな尻を打ち据え始め、彼女の尻は
自身の背中に刻まれた痛々しい跡と同じく、
男の力に耐えきれず、あっという間に
何倍にも腫れ上がってしまいました。
そうして、熟れた柘榴が潰れたように
醜く腫れ上がった尻と、尻を打たれ、
泣き叫ぶ彼女の様子を間近で見ていた、
残りの大男を運ぶ女性達の未熟な股間からも、
恐怖心と、出したら叱られてしまうため、
我慢していたのもあったのか、勢いよく
濃い黄色の小水が流れていき、
乾いていた土の地面を、鼻にツンとくる
刺激臭と共に濡らしていきました。
その尿が出る勢いは凄まじく、
漏らした女性達の下にある柔らかい土を
抉る程でした。
ジョッジョボボボボォ!!
ジョォ ジョォ シャアアアアッー
失禁してる最中、女性達は何も言わずに、
いや、恐怖心のあまり何も言えず、
ただ、ぶるぶると、四つん這いのまま、
小刻みに体を震わしているだけでした。
それはある意味、異常な様子で、女性達は
皆、先に、尻へ苛烈な鞭打を浴びせられ、
苦痛の涙を流している彼女をじっと見ると、
これから自分もこうなるのだと言わぬばかりに
口をあっと開き、四つん這いの姿勢のまま、
唖然とした様子で失禁しているのです。
四つん這いの姿勢を取るため、かくんと
折られた脚には尿がかかり、まるで失禁した
ということ自体に気づいていないように。
そして、失禁した人数が六、七人いたため、
漏らした濃厚な尿の臭いが、檻の中のこちら
まで漂ってきて、吐きそうになりました。
[あっ……そんな! 漏らしちゃったっ!!]
[許してください 許して!!
もう漏らさないから!!]
[私の体で拭きますからぁ!!
鞭打ちしないでください! お願いします!
お許しを!!]
尿を漏らしてから少し経った後、
やっと声が出るようになった、大男に
支配されている犬のような女性達は、
全員、主人である大男の方に、素早く、
細く痛々しいその体を向けると、
誰が漏らしたのか分からない尿で
濡れた地面に、汗が垂れている額をつけ、
必死に鞭打をしないで欲しいと懇願していて、
大男は暫くどうするかと悩んでいる素ぶりを
見せた後、何やらわざとらしく、
深く息を吸い始めます。
[あたちの性欲を慰めるだけの所有物が!
管理してやらないと餓死するだけの所有物が!
あたちに反抗しないでくださぁい!]
大男はそう叫び、結局、四つん這い娘たちの
懇願は聞いてもらえず、彼の話を聞いて、
まだ鞭で打たれてないというのに
絶望した表情をする、小水を零して
唖然としていた残りの娘も、最初に漏らした
娘のように……いいえ、それ以上に
苛烈に打ち据えられ、皆、惨たらしい背中と
同じように、尻も赤く爛れてしまいました。
[ひぃっああ!! 痛い痛い痛いぃ!!
やめでぇ!! また尿漏れぢゃゔぅ!
漏れぢゃうからぁっ!!]
[げっ……痛い痛い痛いー!!
あっ……あああ辞めてぇぇえ!!!]
[お尻壊れちゃう! 痛い!
あっ……自分の口、臭っ……この辺
酷い臭いする!! くげっ……尻がぁ!!!
壊れりゅう!]
[ひっひー 周りに小便漏らし娘たちの
様々な高さの甘美な悲鳴が響いて
いいざまです~ね!
おや~? この檻にいる女、好みの女
ですね……あたちの雌犬にならせて
あげましょうか?]
自分の体を舐め回すように、ニヤニヤと
笑う男の姿を見て、檻の中にいる、
さっき殴られていた彼女も怖気つき、
男から距離をとっていました。
[は? やだに決まってるじゃない!
そもそも何…何のよ! これ……!
何してるのよ……嫌ぁ!!
気持ち悪い!! 来ないでぇ!!]
[ふひっ! 元気な女ですねぇ……
購入の案に入れときましょうかね……
飼育しがいがありそうでーす!
ほら、雌犬ども動いて、あたちを
さっさと運ぶのでーす]
[おぉ……あっあ……]
[ひぃ!……ごめんなさい、ごめんなさい!]
[あ……ああ……]
その後、岩のような男の手と、
冷たい鎖で繋がれている、個性をなくされ、
皆、同じような見た目のペット女達は、
再び、尻を勢いよく鞭打され、
鋭く響く鞭打音と共に、短い喘ぎ声と
謝罪を口に出し、お腹側以外、全身真っ赤で
筋だらけの裸体や、苦痛に喘ぐ表情を、
私のような奴隷や、他の金持ちなどに
見せながら、彼から与えられる鞭打の
痛みを恐れ、激痛が走る体を必死に動かし、
大男を運んで行きました。
それは、自分達の不幸な境遇を
見せびらかすようで、とても
惨めったらしく、不思議と彼女達を
救いたいという気持ちよりも、もっと
惨めにしてやりたいという気持ちや、
一緒に惨めになり、彼女達と共に
男を引っ張りたいと思ってしまいました……
そして、去っていった、大男と奴隷娘達が
いた場所は、彼女達の汗や締まりの悪い尿に
よるものか、水溜りのようになっていて、
また鞭打される最中、想像しきれない
あまりの恐怖心から失禁どころでは
なかったのか、それとも、繰り返し
尻を打たれ、肛門が緩くなったのか、
その周りには小さな人糞が
何個か落ちていました。
きっと、あの奴隷娘たちが、
尿と同じように漏らしたのでしょう……
脱糞までして……これじゃ本当に犬みたい。
その他にも、奴隷を買う金など、到底
なさそうな、髪が禿げかけている薄汚い
老人や、何故か血塗れのコック帽を被った
コックなど、 様々な異質な雰囲気の方々が、
私達の檻の前を通ってゆき、暫くして
隣にいた例の彼女が檻から出てきます。
しかし、檻から出られ、晴れて自由の身
となり、嬉しいはずのその顔には、大粒の
透明な涙が流れ、それが流れた跡も
出来ていました……
その、得体の知れない何かを堪えるように
歯を食いしばる姿は、悲劇にあった女性
そのもので、やはり、前に、殴られ、
弱々しい囁き声を出す彼女を見たときの
ように、私の情欲をそそっていきました。
もしかしたら、私は彼女を好いているの
かと、そう錯覚してしまうほどに……
ちなみに、彼女が誰に買い付けられたか
というと、どうやら、結局、女性を家畜
当然に見てる、あのぶくぶくと太った男に
買い付けられたみたいでした。
その購入代金はおおよそ十万パルナ程の
額で、きっとお腹に子を宿していたことが、
そこまでの値段の安さに繋がったのでしょう。
これから彼女は、自らを愛してくれた人
との結晶を、新しく愛する人によって
壊され、(純粋な愛ではないですし、
そもそも愛と言って良いのかも分かりません)
一生、あの男の所有物となり、
残りの生を終えるのでしょう……
ああっ……! なんて不運な運命
なのかしら! 愛する人と一緒に逃げる
という名の駆け落ちは実らず、
(そもそも、彼女はそのことをよく
分かっていなさそうだったけど……)
挙げ句の果ては、あんな大男の家畜、
いや人畜にならなければいけないなんて……
神様……奴隷の私達にはお慈悲なんて
与えてはくれないのでしょうか?
奴隷は一生奴隷のままなのでしょうか?
もし、神様がいるとするのなら是非
聞いてみたい……人は生まれたときの環境、
身分で全て決まっていますか? と。
そんな、薄暗く狭い檻の中で、いつも
息苦しくなるほど感じている思いを、
この場でも思っていると、人気のなかった
私にも富裕層が集まり始めました。
どうやら、その者達の立ち話を盗み聞くに、
質の良い奴隷や、肉体労働に使えそうな奴隷は
一通り買われていき、今この場に残っている
奴隷は、私のように痩せている
質の悪い物や、手足が不自由だったり、
四肢が欠損していて使えない物、
所謂、不良品に近い物ばかりみたいでした……
そうして過ごしていると、私のボロボロな
檻の前に、一人の老人が足を止めました。
その外見は大きな帽子を被って、薄茶色の
コートを羽織っており、体型は自分よりも
豊かに肥えています。
[ほっほっお……こんな檻で大丈夫かの?
抜け出してしまわな………あっ、いや、
その体では檻を壊すことなど無理か……
この奴隷は顔は美しいが、体が酷く
痩せ細って、使い物にならなそうじゃから
のう……おやっ? 首にあるのは……]
[えっ……首?………あ、あああっ!!]
私はそう言われ、白く細い首に刻まれて
いる、管理のためではなく、私を担当する
溝鼠のような顔をしている管理員の趣味で
入れられた、淫らな言葉が書かれている
焼印のことを思い出し、慌てて手を使って、
それを隠した。
[ほっほ 焼印まで入れられ、可哀想な小娘
じゃ、じゃか、もう少し儂には欲しいかの……]
私には、何が欲しかったのかは分かりません
でしたが、そう言い終わると、年取った男は
私の前を去っていきました。
その他にも、様々な嗜好者の男性や
女性達が、私の前を通っては買おうか
どうか悩んでいましたが、皆、私のことを
気にかけるだけで、結局購入とまでは
いきませんでした。
見せ物、あるいは商品として、
富裕層から下劣な目で見られ続け、
時間が過ぎていき、夕日が、自分に
感じられなかった希望を見せるかのように、
無機質な檻の床へ忌々しくさしてきた頃、
遠くの方で聞こえるサーカス終わりの親子の
仲睦まじい話し声を聞きながら、
自らの境遇を憎み、売れ残ったら
どうなるのかと、そんなことばかりを
考え続けていました。
いえ……実をいうと、もう売れ残りが
どうなるかは、檻の前を通る管理員が
コソコソと話す話や、富裕層達の会話などで
大体分かっていました……けれども、
今はそんなことを考えたくはありません
でした。
それを真面目に考えてしまうと、
もう人間から、唯の蝋人形へ
腐っていってしまう気がしたからです。
残り少ない奴隷売買の時間、私は
売られている奴隷として、金持ち達に
自分を買って欲しいなどと卑しい素ぶりを
見せないようにし、夕日がさす檻の中で、
神から伝えられる運命を、ひたすら
待ち続けました。
タッタ…………
少し蒸し暑く感じるようになった朝方、
私は起きて、日常の酷い仕打ちにより、
習慣になってしまっている涙を静かに流しながら、
犬の餌と変わらない野菜の切れ端や、
乾いたパンなどの粗末な食事を摂っていると、
何やら、管理係の足音のような連続して乾いた音が、
私達、奴隷を収容する奴隷舎と呼ばれる
建物内に響きました。
そうして、その音が、時々止まっていると
思うと、自分の入っている屈強な
檻が、ガシャリと機械的な音を立てて
開いたので、とても驚いてしまいます。
でも、きっと、私たち、奴隷は
解放させてくれないようでした。
目の前には体つきの良い丸刈りの男性
二人組がバツの悪そうな顔で立っていて、
その管理係に言われるがまま、私は
檻から外に出ると、そこには、自分と
同じ境遇の女奴隷達が、沢山、
とぼとぼと歩いています。
[おい、お前ら、速く進め!]
そう管理係の男達に怒鳴られ、あまりに
その人たちに従わないと、また殴打される
ため、言われた通りに歩く速さを速め、
先に歩いていた列に、鎖と枷を繋がれながら、
この先、何が起きるか分からなく、
ただただ強い恐怖感に苛まれていました。
何故なら、ここへきたときから今まで、
近くで犯罪者が刑務所から逃げ出そうと、
ちょっとした火事になろうと、頑なに
檻から出してもらえなかったのに、
今、何も起きてないのにも関わらず、
檻の外に出され、これから何か悪いことが
待っているに違いないと思ったからです。
周りにいる同じような人達も、
この異常な事態に違和感を覚えたのか、
嬉しそうな顔をする者は一部を除いて、
殆どいませんでした……
私を含め、大半の奴隷達は、外へ出して
くれても、依然として足枷などは着いたまま
だったので、どうせすぐ、また労働などを
終えたら檻に入れられると思っていたから
かもしれません。
喜ぶ者も、きっと、この例を見ない異常な
事態に、自分の終わりが来るのだと悟り、
この苦しい生活から抜け出せると
喜んでいるのでしょう……
例え、それが自らの死であったとしても。
[すみません……私達、これから、
どこへ向かうのですか?
見る限り、檻に入れられている奴隷、
全員外に出されているみたいですが……]
私は、これからどこに行くのか知りたく、
そう、近くの見張り役の男に
聞いてみましたが、
[ああ? いずれ分かる……だから
今は黙って進め
にしても、奴隷が他の奴隷なんて
言うんだな……]
[…………]
その一点張りで私達には言えないようです。
もしかしたら、行った先で管理しにくさを
理由に、皆、殺されてしまうのではないか……
そんなあり得ないこと……いや、少しは
可能性があることを真剣に考えてしまう程に
私は追い詰められていました。
どうなるか分からないまま、朝方から、
日が空高く昇る頃まで黙々と歩くと、
突然、奴隷の行進が止まってしまい、
私も含めた沢山の奴隷達は何事かと焦り、
大人数で窮屈だったのと、沢山の焦った人の
勢いに押され、中には列からはみ出してしまう
奴隷もいて、その者達を、これもまた、
がっしりとした体つきの管理係の男が
惨たらしく殴っていきました。
[えっ!? あっ……やっ、いっだいぃぃ!!
あっ……ぎゃっ! ごめんなさい
ごめんなさい!! 殴らないで!
もう痣だらけなの!! 列に戻ります!
ちゃんと列に戻りますからぁっ!!]
そう、弱々しい声が近くから聞こえてきたと
思うと、視界に映った、力が弱く、
列からはみ出してしまったお腹の大きい
三十半ばの女性が、管理員に骨の筋が浮かぶ
拳で、背中などの全身を殴られ、お腹を抑えて
痛みに耐えながら、必死に助けて欲しそうに、
淀んだ目つきでこちらを見ていましたが、
ただ黙って、殴られている彼女を
見ていることしかできませんでした。
何故なら、規則を破った奴隷が虐げられる
のは、これが初めてじゃなく、日常的に
行われ、良心に苛まれて彼女を助けたら、
私も同じように酷いことをされると
思ったからです。
それに痩せ細り、筋張った自分の手や、
生傷だらけの脚では、そもそも彼女を
助けることなんて出来ないとも思いました。
結局、私は虐げられている彼女を
助けることよりも自己保身に走ったのです。
人間、最後は自分が一番大事なんだと、
そう、こんな出来事に遭う度に感じます。
[や、やめろ! 手を出すな!! シオンに!]
もう、列に並び直したというのに、
殴る男の気まぐれで、変わらず
暴力を振るわれている幸の薄そうな彼女に対し、
何も思わず、いいえ、深く思わないようにして、
でも、出来れば見苦しいから、速く、
喧嘩騒ぎが終わらないかと思っていると、
自分の近くにいた、他の管理係の男が、
女性を虐げ続ける男に血相を変え、
突然飛びかかりました。
[あっ? はっ……なんだよお前 気でも
狂ったか? お前が殴りかかるのは
俺じゃなくて! この糞女だろうが!]
[いいから離せ!! 彼女を離せよ!!]
[おえっっ、あっああっ……!ガラサ様ぁ、
駄目ですっ、来ては!]
本来、こき使われる側と管理する側で
憎しみが生まれ、仲良くなる関係などでは
なさそうでしたが、何やら訳ありで
お互いに相手のことを知っていそうな
二人の男女、管理員と奴隷は
互いを守ろうと必死でした。
[わ、私は、だ、大丈夫ですから…!
速くお戻りになさってください!
じゃないと貴方まで酷い目に!……]
[シオン! 君は今から売られてしまうんだ!
もう時間がない…一緒に逃げよう!]
その後、入ってきた管理係の男も巻き込み、
色々と三人で話したり、二人の男が
殴り合っていましたが、結局、突然、
二人の元へ来た男は、女と引き剥がされて
しまい、どうなったか分かりませんでしたが、
女の方は、あの後も踏みつけられたり、
顔面を殴られたりして酷く虐げられ、
土に汚れ、酷い痣ができていていました。
けれども、彼女は苦しむようなそぶりを
一切せず、自身の膨れ上がった大きなお腹を
さすりながら、大丈夫かな、大丈夫だよね、
私の赤ちゃん……と心配そうに
独り言を言っていました。
その様子はとても痛々しく、彼女を
助けなかった申し訳なさから罪悪感を
感じたと共に、何か痛々しく汚されてしまった
彼女に、私は倒錯した性的興奮を感じ、
頭が茫々と熱くなってしまいました。
目の前で酷く虐げられた大人の女が流す
純白とは程遠い、土に汚れた……けれども
美しい涙……そして体中を這うように……
別の悍ましい生き物が、体内から
食い荒らしているように見える
濃い痣だらけの体。
そして、辛くても頑張ろうと、
母親として前を向こうとしても、どうしても
土と血に塗れた顔から漏れてしまう苦痛と
絶望の表情……その全てが、幼き私には
刺激が強く、未熟な心を激しく
煽っていきました。
きっと、ここに正気の人など
いなかったんです。
孕んだ女奴隷を、動物当然に虐げる
管理係の男や、散々酷い扱いをされてきた
管理員との子供を一生懸命守ろうとする
女奴隷……
みんな、きっと、気付かぬうちに歪み、
歪んだことさえ忘れてしまったのでしょう。
ところで、どこかへ行ってしまったあの男が
話していた、今から売られるという話は
まだ、私と彼女しか聞いておらず、
全体的には、さっきまでと変わらず
落ち着いておりました。
前を見ると、管理員の言う通りに
大人しく、他の女奴隷が柵の中にある
檻へと動物のように入れられていて、
私も他の奴隷に見習い、自分から
檻に入ることにしました。
売られるのを恐れ、隙を見て逃げようと
しなかったのは、元々、この痩せて
弱々しい体では無理だと諦めていたのと、
最後にひと時だけでも、人間らしい
明るい気持ちを知れて幸せで、
この性的倒錯を抱えながら、
死にゆきたいと思ったからかもしれません……
(別に売られたからと言って、死ぬわけでは
ありませんが、売られた奴隷の末路は
大方決まっています……)
そうして一通り、全ての奴隷が
檻に入ると、何やら、奇抜な見た目を
している沢山の人がこちらの方へ
向かってきました……
[さあさあ! 皆さん! こちらの檻の中に
いるのが捕縛した子供と女奴隷達でございます
勿論、戦いなどに負け、捕縛したのを引き取り、
奴隷としたもの達だけではありません……
貧窮を理由に、奴隷として酷い親に
売られてしまった悲しき子供や、同じく
惨たらしい趣味を持っている夫の怒りを買い、
懲罰として別れたばかりか、こんな
汗臭い奴隷にまで堕ちてしまった女まで、
沢山の嫌らしい女子供が集まって
いますので、是非、お近くにいらし、
じっくりとご覧になっていただいて
結構です……互いに素晴らしい条件で
取引しましょう!]
そう私達を管理している人達でも、さらに
上の会長と呼ばれる老人による私達の紹介が
終わると、様々な裕福層と見られる方々が、
女性や子供が入れられている
色んな檻の近くにやってきました。
といってもこの奴隷の見せびらかし、
引いては売買が始まった時点では、
骨が浮き出て、性的にも、肉体的にも
使い物にならなそうな私など誰も見てくれず、
さっき管理係の男に殴られていた、
少しふくよかな彼女の方が、富裕層から
人気があり、興味をそそられるようでした。
人気の彼女でしたが、彼女を気にいる
者達の中にまともな人など、
一人もいませんでした。
そもそも、こんな女や子供の奴隷
しかいない売買に来ている時点で、
まともな人などいるわけありませんが……
[あーこいつらが戦に負けた奴らか?
戦に出たのは男ってんのにお前ら
可哀想だな! ひっっ……まっ!
俺の愛犬の遊び相手にくらいはなるか…
いや、なってくれなきゃ困るわ……ひひ]
[ひっ……やだぁ!! やめてぇっ!]
愛犬と称し、二匹の獰猛な虎を連れて、
(きっとあの大きさでは、男の言うような
遊び相手ではすまないでしょう)
幼い少女奴隷が怖がる様子を、
ほくそ笑んで見る肉付きの良い男や……
[ひぃ……ひぃいぃあ!! 裸の女いっぱい
いっぱい!? いるいるぅー!!
速くぅん! 速くぅんっ!!
ペット見つけて首輪つけてたげたいのぉ!!]
素なのか、何か良からぬ薬でもキメている
状態なのか、様子のおかしい大男が
椅子に座り、黒い首輪を細い首に固くつけ、
二の腕と膝から下の方をべっとりと地面につき、
四つん這いの姿勢だからか、膝の皿が
血まみれになっている若い小娘達に、
自分が乗っていて、彼女達を虐げる道具を
載せている台座を運ばせながら、
楽しそうに新たなペットと称する奴隷を
探していました。
太った男の豪華な台座を、黄ばみきった
不潔な歯が見える口元を歪ませ、
苦悶の表情を浮かべながら、引っ張って運ぶ
娘達の顔つきは、どの娘も憔悴しきって
いましたが大層美しく、上に乗る男の好み
なのか、全員、丸い短髪にされていて
統一感がありました。
そして、とても驚いたのは、痩せて
弱々しい女性達の背中には、上に乗る男からの
度重なる鞭打によるものなのか、
どれも、赤黒い筋がボコっと浮き、
爛れていたことです。
それはまるで、地獄から現世へやって来た
恐ろしい幽鬼のようで、あまりに浮き出て、
元の肌色が見えないほど赤黒くなった背中は、
奴隷になって酷いものは大体見てきたと
思っていた自分でさえも、目を背けたくなる
ほどのものでした……
そんな、端正な顔立ちと、背中の醜悪な傷が
相待って、大男を運ぶ、おそらく年齢が
二十にも満たしていないと思われる女達は、
蟷螂に頭を落とされた蛙のように汚らしく、
そして無様でした。
彼女達が男の乗っている台座を指示がない
のにも関わらず、疲れて運ぶのをやめると、
すぐさま男自身の手によって、彼女達の
背中に激しい鞭打が浴びせられ、
若娘達は鞭打の度に、感嘆の声を出し、
苦しそうにしながら、澱んだ瞳から
透き通った涙をこぼし、
その可哀想な娘達の中には、あまりの痛さと
恐怖で失禁する娘もおりました……
[あ、ああっ!!]
[お許しを!! お許しをぉ!!! 漏らした尿
自分が飲んで掃除しますからお許しをぉ!!]
[ごめんなさい! ごめんなさい!]
[あっ……ぎゃあああっ背中が裂けちゃうぅ!!
いだい!! 苦じい!! もう殺してぇっ!!]
[ひーーぃー!! 黙れ黙れ黙るのでーす!
お前達、小汚くて糞尿臭い雌犬の管理は
誰がやってると思ってるでーすか?!
ああ……またお漏らししましたね?
もう! 何度するなって言ったら分かる
のですか!? 臭いも酷いし、服汚れた
んですけどぉ? ただでさえ、お前達は
糞尿臭くて汗臭いのに……
そんな悪い女にはお仕置きしなければ
ですねぇ……]
彼は恐怖で失禁し、服を汚した女性に対して
激しく怒り、また自ら一本鞭を持つと、
今度はその娘の、まだ何も知らない、
純潔の小さな尻を打ち据え始め、彼女の尻は
自身の背中に刻まれた痛々しい跡と同じく、
男の力に耐えきれず、あっという間に
何倍にも腫れ上がってしまいました。
そうして、熟れた柘榴が潰れたように
醜く腫れ上がった尻と、尻を打たれ、
泣き叫ぶ彼女の様子を間近で見ていた、
残りの大男を運ぶ女性達の未熟な股間からも、
恐怖心と、出したら叱られてしまうため、
我慢していたのもあったのか、勢いよく
濃い黄色の小水が流れていき、
乾いていた土の地面を、鼻にツンとくる
刺激臭と共に濡らしていきました。
その尿が出る勢いは凄まじく、
漏らした女性達の下にある柔らかい土を
抉る程でした。
ジョッジョボボボボォ!!
ジョォ ジョォ シャアアアアッー
失禁してる最中、女性達は何も言わずに、
いや、恐怖心のあまり何も言えず、
ただ、ぶるぶると、四つん這いのまま、
小刻みに体を震わしているだけでした。
それはある意味、異常な様子で、女性達は
皆、先に、尻へ苛烈な鞭打を浴びせられ、
苦痛の涙を流している彼女をじっと見ると、
これから自分もこうなるのだと言わぬばかりに
口をあっと開き、四つん這いの姿勢のまま、
唖然とした様子で失禁しているのです。
四つん這いの姿勢を取るため、かくんと
折られた脚には尿がかかり、まるで失禁した
ということ自体に気づいていないように。
そして、失禁した人数が六、七人いたため、
漏らした濃厚な尿の臭いが、檻の中のこちら
まで漂ってきて、吐きそうになりました。
[あっ……そんな! 漏らしちゃったっ!!]
[許してください 許して!!
もう漏らさないから!!]
[私の体で拭きますからぁ!!
鞭打ちしないでください! お願いします!
お許しを!!]
尿を漏らしてから少し経った後、
やっと声が出るようになった、大男に
支配されている犬のような女性達は、
全員、主人である大男の方に、素早く、
細く痛々しいその体を向けると、
誰が漏らしたのか分からない尿で
濡れた地面に、汗が垂れている額をつけ、
必死に鞭打をしないで欲しいと懇願していて、
大男は暫くどうするかと悩んでいる素ぶりを
見せた後、何やらわざとらしく、
深く息を吸い始めます。
[あたちの性欲を慰めるだけの所有物が!
管理してやらないと餓死するだけの所有物が!
あたちに反抗しないでくださぁい!]
大男はそう叫び、結局、四つん這い娘たちの
懇願は聞いてもらえず、彼の話を聞いて、
まだ鞭で打たれてないというのに
絶望した表情をする、小水を零して
唖然としていた残りの娘も、最初に漏らした
娘のように……いいえ、それ以上に
苛烈に打ち据えられ、皆、惨たらしい背中と
同じように、尻も赤く爛れてしまいました。
[ひぃっああ!! 痛い痛い痛いぃ!!
やめでぇ!! また尿漏れぢゃゔぅ!
漏れぢゃうからぁっ!!]
[げっ……痛い痛い痛いー!!
あっ……あああ辞めてぇぇえ!!!]
[お尻壊れちゃう! 痛い!
あっ……自分の口、臭っ……この辺
酷い臭いする!! くげっ……尻がぁ!!!
壊れりゅう!]
[ひっひー 周りに小便漏らし娘たちの
様々な高さの甘美な悲鳴が響いて
いいざまです~ね!
おや~? この檻にいる女、好みの女
ですね……あたちの雌犬にならせて
あげましょうか?]
自分の体を舐め回すように、ニヤニヤと
笑う男の姿を見て、檻の中にいる、
さっき殴られていた彼女も怖気つき、
男から距離をとっていました。
[は? やだに決まってるじゃない!
そもそも何…何のよ! これ……!
何してるのよ……嫌ぁ!!
気持ち悪い!! 来ないでぇ!!]
[ふひっ! 元気な女ですねぇ……
購入の案に入れときましょうかね……
飼育しがいがありそうでーす!
ほら、雌犬ども動いて、あたちを
さっさと運ぶのでーす]
[おぉ……あっあ……]
[ひぃ!……ごめんなさい、ごめんなさい!]
[あ……ああ……]
その後、岩のような男の手と、
冷たい鎖で繋がれている、個性をなくされ、
皆、同じような見た目のペット女達は、
再び、尻を勢いよく鞭打され、
鋭く響く鞭打音と共に、短い喘ぎ声と
謝罪を口に出し、お腹側以外、全身真っ赤で
筋だらけの裸体や、苦痛に喘ぐ表情を、
私のような奴隷や、他の金持ちなどに
見せながら、彼から与えられる鞭打の
痛みを恐れ、激痛が走る体を必死に動かし、
大男を運んで行きました。
それは、自分達の不幸な境遇を
見せびらかすようで、とても
惨めったらしく、不思議と彼女達を
救いたいという気持ちよりも、もっと
惨めにしてやりたいという気持ちや、
一緒に惨めになり、彼女達と共に
男を引っ張りたいと思ってしまいました……
そして、去っていった、大男と奴隷娘達が
いた場所は、彼女達の汗や締まりの悪い尿に
よるものか、水溜りのようになっていて、
また鞭打される最中、想像しきれない
あまりの恐怖心から失禁どころでは
なかったのか、それとも、繰り返し
尻を打たれ、肛門が緩くなったのか、
その周りには小さな人糞が
何個か落ちていました。
きっと、あの奴隷娘たちが、
尿と同じように漏らしたのでしょう……
脱糞までして……これじゃ本当に犬みたい。
その他にも、奴隷を買う金など、到底
なさそうな、髪が禿げかけている薄汚い
老人や、何故か血塗れのコック帽を被った
コックなど、 様々な異質な雰囲気の方々が、
私達の檻の前を通ってゆき、暫くして
隣にいた例の彼女が檻から出てきます。
しかし、檻から出られ、晴れて自由の身
となり、嬉しいはずのその顔には、大粒の
透明な涙が流れ、それが流れた跡も
出来ていました……
その、得体の知れない何かを堪えるように
歯を食いしばる姿は、悲劇にあった女性
そのもので、やはり、前に、殴られ、
弱々しい囁き声を出す彼女を見たときの
ように、私の情欲をそそっていきました。
もしかしたら、私は彼女を好いているの
かと、そう錯覚してしまうほどに……
ちなみに、彼女が誰に買い付けられたか
というと、どうやら、結局、女性を家畜
当然に見てる、あのぶくぶくと太った男に
買い付けられたみたいでした。
その購入代金はおおよそ十万パルナ程の
額で、きっとお腹に子を宿していたことが、
そこまでの値段の安さに繋がったのでしょう。
これから彼女は、自らを愛してくれた人
との結晶を、新しく愛する人によって
壊され、(純粋な愛ではないですし、
そもそも愛と言って良いのかも分かりません)
一生、あの男の所有物となり、
残りの生を終えるのでしょう……
ああっ……! なんて不運な運命
なのかしら! 愛する人と一緒に逃げる
という名の駆け落ちは実らず、
(そもそも、彼女はそのことをよく
分かっていなさそうだったけど……)
挙げ句の果ては、あんな大男の家畜、
いや人畜にならなければいけないなんて……
神様……奴隷の私達にはお慈悲なんて
与えてはくれないのでしょうか?
奴隷は一生奴隷のままなのでしょうか?
もし、神様がいるとするのなら是非
聞いてみたい……人は生まれたときの環境、
身分で全て決まっていますか? と。
そんな、薄暗く狭い檻の中で、いつも
息苦しくなるほど感じている思いを、
この場でも思っていると、人気のなかった
私にも富裕層が集まり始めました。
どうやら、その者達の立ち話を盗み聞くに、
質の良い奴隷や、肉体労働に使えそうな奴隷は
一通り買われていき、今この場に残っている
奴隷は、私のように痩せている
質の悪い物や、手足が不自由だったり、
四肢が欠損していて使えない物、
所謂、不良品に近い物ばかりみたいでした……
そうして過ごしていると、私のボロボロな
檻の前に、一人の老人が足を止めました。
その外見は大きな帽子を被って、薄茶色の
コートを羽織っており、体型は自分よりも
豊かに肥えています。
[ほっほっお……こんな檻で大丈夫かの?
抜け出してしまわな………あっ、いや、
その体では檻を壊すことなど無理か……
この奴隷は顔は美しいが、体が酷く
痩せ細って、使い物にならなそうじゃから
のう……おやっ? 首にあるのは……]
[えっ……首?………あ、あああっ!!]
私はそう言われ、白く細い首に刻まれて
いる、管理のためではなく、私を担当する
溝鼠のような顔をしている管理員の趣味で
入れられた、淫らな言葉が書かれている
焼印のことを思い出し、慌てて手を使って、
それを隠した。
[ほっほ 焼印まで入れられ、可哀想な小娘
じゃ、じゃか、もう少し儂には欲しいかの……]
私には、何が欲しかったのかは分かりません
でしたが、そう言い終わると、年取った男は
私の前を去っていきました。
その他にも、様々な嗜好者の男性や
女性達が、私の前を通っては買おうか
どうか悩んでいましたが、皆、私のことを
気にかけるだけで、結局購入とまでは
いきませんでした。
見せ物、あるいは商品として、
富裕層から下劣な目で見られ続け、
時間が過ぎていき、夕日が、自分に
感じられなかった希望を見せるかのように、
無機質な檻の床へ忌々しくさしてきた頃、
遠くの方で聞こえるサーカス終わりの親子の
仲睦まじい話し声を聞きながら、
自らの境遇を憎み、売れ残ったら
どうなるのかと、そんなことばかりを
考え続けていました。
いえ……実をいうと、もう売れ残りが
どうなるかは、檻の前を通る管理員が
コソコソと話す話や、富裕層達の会話などで
大体分かっていました……けれども、
今はそんなことを考えたくはありません
でした。
それを真面目に考えてしまうと、
もう人間から、唯の蝋人形へ
腐っていってしまう気がしたからです。
残り少ない奴隷売買の時間、私は
売られている奴隷として、金持ち達に
自分を買って欲しいなどと卑しい素ぶりを
見せないようにし、夕日がさす檻の中で、
神から伝えられる運命を、ひたすら
待ち続けました。
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