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家族とお友達

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お友達?なんじゃそりゃ!

「ミハル!なんと勿体無いことを!この御二方の加護を受けれるなぞ滅多に、いや!またと無い機会なのだぞ!どちらかお受け・・出来れば白衣の天使で!」
「旦那様!天使のようなお嬢様には変な虫除けの攻撃が良いかと自分は愚考しますぞ!」
「オリヴァーの言う通りですわね。
ミハル、母様も変な虫は反対ですわよ。」

周りの大人は勿体無いとなんとかミハルに反意をさせようと躍起で、当の精霊たちも奮闘するものの、

「えーっと、契約ってするとどちらかのお兄ちゃんとは会えないんでしょう?みんなで遊んだほうがハルは嬉しいの(*´∇`*)」

マジモノ天使の一言に撃沈を果たして全滅をした。

精霊との契約は1人であり、その後は他の三精霊は近くに寄らない約束事がある。

ミハルとしては、力云々よりもお友達が大勢いた方がいいのでどちらもお友達にと望んだのだ。

「お父様、お母様、ミハルの良いようにさせてあげて下さいませ。」

ミハルの決断を後押しする形でこれまで静観していた
エミリアが口を開く。

正直な話、ミハルが精霊の契約を蹴ってくれるのは賛成だ。

イルデシュタインは代々文官貴族の筆頭であり、精霊の類と人間の間を取り持つ神官の筆頭、アバランシュとは犬猿の仲だ。

どちらも王家に対しての忠誠心が高く、武官貴族の筆頭オーベルジュよりも国内での発言権が高く今は拮抗して膠着状の睨み合いが続いている。

そんな中でイルデシュタインの次女が精霊王の1人と契約を結べばどうなるか、下手をしたらミハルはアバランシュに命を狙われる。
精霊の契約者は王家とても無視できない存在となりそれなりに遇されるからだ。

もしかしたら王太子か王家の誰かに嫁ぐという話も出かねないほどの存在となる恐れがあるものを、政敵が見逃す訳がない。
自分ならば確実に消しに行く。

そんな自体なぞごめんである。
政敵がミハルに手を出すかもしれないのも、王家の誰かに嫁ぐのもどちらもだ。
幸いミハルが回避してくれて良かった。
父達も落ち着けば自分が考えたことに至るだろう。
今からミハルが死にかけた事と様々なこもが重なったせいで思考停止してるだけだろうから。

「ミハルは優しい天使ですわ。」
もうナデナデのギュですわよ。

ミハルを膝に乗せて抱きつくエミリアはニコニコしながら心の中はかなりあくどい。

そもそもミハルに近づく者は精霊王とて消し去りたいのだ。
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