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先輩と禁書庫と王家の呪い
しおりを挟む禁書庫にて、普通に生徒会活動をした。議題は一学期に使われた予算の確認と、二学期の行事の進行について。
「ディオ。文化祭の予算どうする?」
「とりあえず、各部長を集めて……」
「例年、部長たちと話し合っているのか」
「文化部だけでなく今年は運動部の屋台にも力を入れたいな」
兄とディオ様、ライアス様、ランドルフ先輩がどんどん進行していくので楽だ。それにしても四人が肩を寄せ合って相談しあう姿。なんだか四人の青春に想像が膨らんでしまうわ。
このままこの風景を切り取りたい。ああ、それってつまりはスチルよね。
私、四人のおじゃまじゃないです?……ミルフェルト様研究を継続していよう。
「ねえ、リアナ」
「はい、ミルフェルト様は今日も可愛いです」
「うん?また何かボクについて考えてたの」
「はい。研究してました」
ミルフェルト様と見つめ合ってしまった。ミルフェルト様が今日もツインテールを細い指に巻きつけてますよ?今日は何を聞かれるのかな?
「……キミってボクのこと怖くないの」
「え?なんでですか」
「ああ、ボクの正体知らないんだっけ。ボク、完全なこの世界の人間ではないんだよ?」
「え!新事実じゃないですか?研究が進みますね!」
ミルフェルト様が目を見開いている。そんなご尊顔すら絵になる可愛さです。
「古の竜と王国の姫との間に生まれたんだけど」
「あっ!!その件、プロローグにありましたね!そこからこの世界に魔法が生まれたんですよね!……ミルフェルト様?」
えっ、ミルフェルト様がなぜか泣きそうなのですが。会話の選択を誤って傷つけてしまいましたか?
「あっあの、ミルフェルト様はなんでここに……」
「王家の、呪いだよ」
「……王家の呪いですか。それって私のコレとも関係あるんでしょうか」
「始まりに関しては同じだね」
生徒会の話をしていた四人がいつのまにか一言も口を聞いていない。ランドルフ先輩に至っては蒼白になっている。
「ランドルフ」
「はっ、ライアス殿下」
「お前には卒業後、騎士団長になってもらう。流石に一般の騎士が聞いていい話ではないからな。猶予は卒業までの一年半。やれるな?」
ランドルフ先輩まで王家の重要機密に巻き込んでしまったようで申し訳ない。
最近、他人に興味ないを卒業して面倒見のいい兄がとてもいい笑顔で、ランドルフ先輩の肩をポンと叩いた。
「よし、俺とともに訓練しようか。なに、俺と違って才能あるお前ならすぐ騎士団長クラスに上り詰められるさ」
「宰相候補を武闘会学年首位に短期間で変えてしまった……訓練ですか?」
「そうだよ。さあ、今から行こう。それと俺の妹にもう手を出すなよ」
「くっ。殿下……必ずや期待に応えてみせます」
二人はライアス様とミルフェルト様に一礼すると消えていった。
余談だが、この後からランドルフ先輩の浮いた噂はひとつも聞くことがなくなる。兄と先輩ルートがあるのかもしれないと、私は密かに心躍らせるのだった。
(無事、生き残ってください。ランドルフ先輩)
私は世界樹に祈りを捧げた。
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