悪役令息は無自覚に有能です。

竜鳴躍

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公爵位

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「グローリー公爵!?グリーンが!?素行不良で出来損ないです!聖人というのも何かの間違い!エクセアの力が時間差で表れただけではないですか!」

グリーンとエクセアの父親は叫ぶ。

不敬であるというのに、もはや焦っていた。

「それに、何故当主である私を抜きにグリーンの婚約が決まっているのでしょうか!?」


国王はチラリとアレックスを見て、目の前の愚か者に視線を移す。


「それは、そなたがグローリー公爵家の入婿だからだ。亡くなるまではグリーンの母親が女公爵だった。」

「えっ。」

「嫌だわ、あの方ご存知なかったのかしら。元々隣の領地の3男よね。」
「いらっしゃるのよね、テストは出来るけど常識のない方って。」
「ご実家は確か伯爵家で……。ほらあそこの。ご両親がお亡くなりになって、後をお継ぎのお兄様が頭を抱えていらっしゃるわ。」
「幼馴染の子爵家に婿に行った次のお兄様も顔を覆ってらっしゃるわ。確かあの方、公爵家になったものだから急に傲慢になって、お二方と絶縁されたのよね。今となってはお二方にはよかったかも。」


御婦人方の囁きが耳に入る。


「きっと、爵位は男しか継げないとか、娘しかいなければ婿が継ぐとか勘違いされていたのではなくて?」


「当然、先代が亡くなれば、次の公爵は息子であるグリーンが公爵であり、そなたは彼が18になるまでの代理でしかない。この間18になったので当主となり、それを機に自身でガーネット侯爵家と縁を結んだ。もちろん、両国の王が承認している。」


「え………。陛下、それでは、それでは私は………。」


「グリーンが爵位を継いだ以上、平民だな。妻も娘も平民だ。そこの娘は先代の養子ではないからな。」


「そんなバカなあ!」

「嘘でしょ!うまくやったと思ったのに!私が貴族の夫人だって!何のために私が!」

「いや!平民なんて!パピヨン殿下!助けて!!」


パピヨンはパシッと伸ばした手をはたく。


「父子揃って私を謀って!お前たちのせいで!私は!グリーンは素行不良でも出来損ないでもない!全てお前たちの嘘だった!品行方正で、成績だって最優秀、公爵という爵位だって問題ない!この嘘つき!私が桃色の髪の初恋の乙女を探していると知って、なりすまして!いや、私が誤解するように曖昧にかわしていたのだ!お前たちはグローリー公爵家を乗っ取り、国も乗っ取るつもりだったのだな!」

「まあ、殿下。今更ですわ。でもやっと、お目覚めになったのね。」


「ハスティア………すまない。もう一度……」




「許すまじ!放火魔!」


そこにもう一家族が遅れて到着する。

エキゾチックな黒い肌の美男子にお姫様抱っこされる微ポッチャリ美青年。
軍団のように二人にそっくりの子どもたち。

先陣を切る銀髪に黒肌の青年は、膝をつき赦しを請うショッキングピンクの痛々しい男を指さした。
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