悪役令息は無自覚に有能です。

竜鳴躍

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花の国の守護者

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「…………はあ。」

グルーミンは報告書を読んで、ため息をついた。


公爵夫人には足りないけど、結んだ縁をこちらの都合でなかったことにしたくなくて、継続することにしていた婚約。

公爵家が落ち着いたため、こちらに呼んで、マナーとか一般常識を覚えてもらっていた。

ところが、「私は次期公爵夫人よ!逆らうの!?私がやらないと言ったらやらないの!」と言って、ろくすっぽ覚えようとしない。


「申し訳ないけど、君との婚約を解消したい。」

「ひどいわ!傷物にして!」

「君が浪費した分が、慰謝料がわりだ。」

「浮気したんだわ!」

「だれと?」

「そこの青い男よ!」

「ばかばかしい!」

「このどろぼう猫!」

「いや、彼は猫でなく竜で。」

「今いうこと!?」


はあ。



「確かに、僕は彼に惹かれている。運命の番らしいからね。だけど、僕は君を選んでいたんだ。素朴で元気な君をね。今の、身分に嵩をきて、下の者を傷つけ、浪費するばかりで貴族の務めも分からない君ではない。」


正式に抗議とともに破談にした彼女は、もうこの辺りにはいない。
修道院に送られたらしく、当主から謝罪があった。




「フリーになった?」

「なったね。」

「じゃあ、婚約して欲しい。」



若い青竜は、緑の聖人に愛を囁く。

きっと家には帰らない。

花の国の守護者として、愛する人を守っていくのだ。
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