【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

新章 溺愛編

アリスの試合

やあ、久しぶりに暴れるぞ!

と、その前に。

アリスの初めての試合があるんだ。

「アイス、こっち、こっち。」


アイスは抱っこ紐で前抱きにジュリエッタを抱き、肩にお着替えとかオムツを入れた大きなバッグを提げて、日傘を差している。


力はあるんだよな。

助かるし、サッと自分からこういうことしてくれると、ドキドキキュンキュンしちゃうよね。



家族席について、見守る。

アリスの出番がそろそろだ。


ジュリエッタ、お兄様の試合だよ。
一緒に応援しようね。

アリスのでているクラスは
10歳から学園に入る前の14歳のクラスみたい。

みんな、アリスよりすごく大きい。

「アリス様あ!　がんばって！」
「アリス！がんばれ!」

離れたところでは、王女とザオラルが応援していた。

王女の後ろにいるのは、お兄様かな？

日に焼けた肌で健康的だが、金のアクセサリーをつけた王子様が付き添っている。

目があって微笑まれた。




「あいつ、何なんだ。王女様に。」

「確か、レッドキングダムの公爵の息子らしい。」

「母親が確か男なんだぜ。で、男なのに子ども産んだって!」

「マジでっ!　気持ち悪っ。」

「ほら、あそこで手を振ってる。騎士団の副団長とか嘘だろ。女みてえ。レッドキングダムは騎士団のレベルが低いんだな。」


嘲笑が聞こえる。

お母様たちには聞こえていないだろう。

良かった。こんなの、お母様が傷ついてしまう。


僕は怒ったよ!?　

僕のお母様は、強くてカッコいいのに、綺麗で可愛くて、厳しいけど優しいんだ。

控えめに言って最高だろうが。　


大体、ここにいる母親の中でも、１番美人じゃないか!

社交会の華なんだぞ!!


僕はなんと言われてもいいけど、お母様を悪く言うのは許せない。


ふふふ…。

君たち、覚えたからね。