【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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新章 溺愛編

『神速』の息子は自重しない

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初戦が始まった。


さっき、お母様をバカにしていた3人のうちのひとり。

勝ち進めば、準決勝まで――3回戦――まで当たるようだ。

都合がいい。




「始めッ!」



「へへ、坊や。泣くなよ?」

「誰が。」




競技用に刃を潰したブロードソードを構えて、相手の懐に向かっていく。



僕はリーチがまだないから。

すぐに飛び込んでいかないと。



相手は10歳くらい。

僕より大きいけど、怖いわけがない。




僕が普段、誰と手合わせしていると思っているの?


閃光と神速だよ。







「キエエ!」

相手は声がでかいだけで、隙が多い。


振りかぶって向かい打つのを余裕で避けて、抜きざまに断ち切ったら、泡吹いて倒れた。

ざまあ。


2回戦、3回戦の相手が青い顔で僕を見ているが、逃さない。

かっこ悪く、派手に負けてもらおうじゃないか。










「アリスすごいなあ!」

俺が飛び跳ねて振り向いたら、アイスもニコニコ笑ってみてた。



俺から見ても、才能あると思ってたけど、まさか年上相手でもここまでやるなんて。

閃光の称号を受け継ぐ日は近いかもしれない。



2回戦の相手は、12歳の子だったけど、全て技を出させて受けきって、ヘトヘトになったのをトドメをさしてた。


うちの子容赦ないなあ。








「ひっ、ひぃぃっ…。」


攻撃を全て避けて、受けて。

少しずつ近寄ると、相手はもう戦意喪失している。


「情けないなぁ。お兄さん。来年、学園に入る年なんでしょう?」


3人目。

遊んで、遊んで、心を折ってやろうか。

こいつも大したことはない。

「誰のお母さまが気持ち悪いって? よーく見てみて? 君のお母さまよりよっぽど美人だよねぇ?」


「はぅ…は、はぃぃいぃ…。」


「レッドキングダムの騎士団のレベルが低い? 僕まだ6歳なんだけど? 6歳に手も足も出ない14歳って終わってない? 言っとくけど、お母さまはもちろん僕の100万倍強いから?」


よっわーい。


煽りに煽って、あえて、背中を向けて隙を見せる。


「…こっ、このおっ…!!!!!」

涙と鼻水を出して向かってくる3人目を、目で見ずに剣で剣を振り払い。


驚いて尻もちをついたこの男の股の間に剣を突き刺せば、

簡単に放尿した。


「かわいそー。ママにおむつを替えてもらってきなよ。」










3人ぶちのめして僕は大満足。

あっ。もしかして、次は決勝戦?


相手は誰だろう。




「ははは、あいつら馬鹿だよなあ。獅子を怒らせたらダメだ。」


観客席から入ってくる。

アクセサリーをルージュ王女に預けて入ってきた彼の名は。


「僕は、ロメオ。この国の第一王子だよ。さっきの彼より2歳年下だけど、同年代の中では、この国では僕が一番強いかな。よろしくね?」


日焼けした肌に茶色の髪の、太陽のような少年だった。


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