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新章(アリスの結婚編)
暗躍
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お母様たちが帰ってきた。
お母様は、お父様に付き添われて騎士団と城に顔を出した。
「俺のことで、申し訳なかった…。」
「私も一緒になって、先にそちらへ相談もせずに申し訳ない。」
見た感じは、少し元気がないかなくらいで、普通に見える。
だが、男性の団員が動く度に、ごく僅かに体を強張らせているのは、深刻さが見て取れた。
「本当にあなたは馬鹿よ! 抱きしめていい?」
「うん、ミカエルは大丈夫。」
ミカエルは抱きしめて、背中をとんとんした。
「やることやったら、暫く私に騎士団任せて、休みなさい。」
「うん。」
城に行くと、前陛下夫妻と陛下夫妻が待っていた。
「アリスから聞いているから、詳しく説明しなくていいよ。あとのことは僕らに任せて。」
帰りの馬車に揺られて、クリスは考えていた。
「アイス。俺、騎士団辞めようかな…。」
屋敷でずっと、アイスのそばにいて、夫人の仕事に集中しようかな。
「それで後悔しない?」
「…わからない。」
大好きな仕事でしょう。
隣で肩を抱いて抱き寄せて、家へ帰る。
家へ着くと、いろんな花が飾られていた。
「お義父お義母さまおかえりなさい!」ルージュが、輝く様な笑顔で出迎える。「この花凄いでしょう?あのあたりの花は、サウスのお兄様たちからですわ!」
「花がいっぱいで、植物園みたいだ。」
「キャサリンおばさまや、アレクサンドラ様からもお花が来てますのよ?おかえりを、色とりどりの花で迎えられるようにって。」
クリスの沈んだ表情に、少し色が戻った。
「「うっ。」」
ルージュと同時に悪阻になる。
「大丈夫?背中さする? というか、アリスはどこだい? 君も妊娠初期なんだから大事にしないと。」
「大丈夫ですわ、お義父さま。アリス様は、仕事で今、キリス様のところへおりますの。」
ささ、ザオラルも卵を温めてますわ。ザオラルは動けないから、一緒に行きましょう。
「最近は、ザオラルの部屋でずっと過ごしてるんですの。庭をイメージして、ふわふわの室内ですから、ラグに座りこんで、果物とかおやつを食べて、おしゃべりしたり、縫物したり、楽しいですよ!」
「縫物か…。ベビードレスとか縫ってるのかな?」
「そうですよ、一緒に縫いましょう?」
少々強引に、でも明るく。ルージュはクリスを連れて行った。
彼女の明るさが救いになってくれるといい。
そもそも、クリスの初めては私が強引に奪ったのだ。
あの時は平気そうだったのに、今回、こんなに落ち込んでいるのは、あの時と今とではだいぶ違っているからだろう。
誰も好きな人がいなかった当時と、私のことを愛してくれている今。
クリスは、私に申し訳ないと思ってるのだ。
強かったクリスを弱くしたのは、私かもしれない。
妊娠しているから、あまり長時間や深くはできないけど、毎晩のように上書きをされたがるクリス。
今夜も大事にするから、なるべく早く、心の傷が癒えますように。
そのころ、アッシュフォード家では、カリス、コルネット、ケイト、キャンディス、キリス、キャサリン、それとアリスが集合していた。
通信で、王城とスノーフォレストのマシュー・バイオレット夫妻とつながっている。
「クリス、かわいそうに…!」コルネットお母さまは泣いていて、カリスが抱き寄せている。
「団長は、本当に別人のようでした。目も少し腫れていて…。」キャンディスも目を伏せている。
「なんでクリスを守れなかったんだ、って公爵を殴りたいところだが。うちとしては、フルールに輸出している品を全部止めようと思っている。」
カリスは目が据わっている。その妻のキャサリンも同じだ。
『うちも、技術支援や機器の輸出を停止させるつもりだ。』
そこに、ツーと回線がつながる。
『サウス王国も、魚介類や果物の輸出をやめよう。』
ロメオ王子とラメール王子、カメオ王子が映っている。
『元々、あの国への交易はすべて私が取って来たものです。私がいない今、なにかあれば手を引く国も多いでしょう。』
「みんな、ありがとう。これだけ、輸入がストップしたら、とても困るだろう。国民の生活にも影響が出るかもしれない。王族さえ倒したら、国民への支援は頼む。」
『鋼材に食料品が止まったら、扇動も早く済みそうだな。先ほど、フルール王には通達しておいたよ。かなり慌ててらしたけど、後の祭りだね。』
こうして、サウス王国の王国としての終焉は迫っていくのだった。
お母様は、お父様に付き添われて騎士団と城に顔を出した。
「俺のことで、申し訳なかった…。」
「私も一緒になって、先にそちらへ相談もせずに申し訳ない。」
見た感じは、少し元気がないかなくらいで、普通に見える。
だが、男性の団員が動く度に、ごく僅かに体を強張らせているのは、深刻さが見て取れた。
「本当にあなたは馬鹿よ! 抱きしめていい?」
「うん、ミカエルは大丈夫。」
ミカエルは抱きしめて、背中をとんとんした。
「やることやったら、暫く私に騎士団任せて、休みなさい。」
「うん。」
城に行くと、前陛下夫妻と陛下夫妻が待っていた。
「アリスから聞いているから、詳しく説明しなくていいよ。あとのことは僕らに任せて。」
帰りの馬車に揺られて、クリスは考えていた。
「アイス。俺、騎士団辞めようかな…。」
屋敷でずっと、アイスのそばにいて、夫人の仕事に集中しようかな。
「それで後悔しない?」
「…わからない。」
大好きな仕事でしょう。
隣で肩を抱いて抱き寄せて、家へ帰る。
家へ着くと、いろんな花が飾られていた。
「お義父お義母さまおかえりなさい!」ルージュが、輝く様な笑顔で出迎える。「この花凄いでしょう?あのあたりの花は、サウスのお兄様たちからですわ!」
「花がいっぱいで、植物園みたいだ。」
「キャサリンおばさまや、アレクサンドラ様からもお花が来てますのよ?おかえりを、色とりどりの花で迎えられるようにって。」
クリスの沈んだ表情に、少し色が戻った。
「「うっ。」」
ルージュと同時に悪阻になる。
「大丈夫?背中さする? というか、アリスはどこだい? 君も妊娠初期なんだから大事にしないと。」
「大丈夫ですわ、お義父さま。アリス様は、仕事で今、キリス様のところへおりますの。」
ささ、ザオラルも卵を温めてますわ。ザオラルは動けないから、一緒に行きましょう。
「最近は、ザオラルの部屋でずっと過ごしてるんですの。庭をイメージして、ふわふわの室内ですから、ラグに座りこんで、果物とかおやつを食べて、おしゃべりしたり、縫物したり、楽しいですよ!」
「縫物か…。ベビードレスとか縫ってるのかな?」
「そうですよ、一緒に縫いましょう?」
少々強引に、でも明るく。ルージュはクリスを連れて行った。
彼女の明るさが救いになってくれるといい。
そもそも、クリスの初めては私が強引に奪ったのだ。
あの時は平気そうだったのに、今回、こんなに落ち込んでいるのは、あの時と今とではだいぶ違っているからだろう。
誰も好きな人がいなかった当時と、私のことを愛してくれている今。
クリスは、私に申し訳ないと思ってるのだ。
強かったクリスを弱くしたのは、私かもしれない。
妊娠しているから、あまり長時間や深くはできないけど、毎晩のように上書きをされたがるクリス。
今夜も大事にするから、なるべく早く、心の傷が癒えますように。
そのころ、アッシュフォード家では、カリス、コルネット、ケイト、キャンディス、キリス、キャサリン、それとアリスが集合していた。
通信で、王城とスノーフォレストのマシュー・バイオレット夫妻とつながっている。
「クリス、かわいそうに…!」コルネットお母さまは泣いていて、カリスが抱き寄せている。
「団長は、本当に別人のようでした。目も少し腫れていて…。」キャンディスも目を伏せている。
「なんでクリスを守れなかったんだ、って公爵を殴りたいところだが。うちとしては、フルールに輸出している品を全部止めようと思っている。」
カリスは目が据わっている。その妻のキャサリンも同じだ。
『うちも、技術支援や機器の輸出を停止させるつもりだ。』
そこに、ツーと回線がつながる。
『サウス王国も、魚介類や果物の輸出をやめよう。』
ロメオ王子とラメール王子、カメオ王子が映っている。
『元々、あの国への交易はすべて私が取って来たものです。私がいない今、なにかあれば手を引く国も多いでしょう。』
「みんな、ありがとう。これだけ、輸入がストップしたら、とても困るだろう。国民の生活にも影響が出るかもしれない。王族さえ倒したら、国民への支援は頼む。」
『鋼材に食料品が止まったら、扇動も早く済みそうだな。先ほど、フルール王には通達しておいたよ。かなり慌ててらしたけど、後の祭りだね。』
こうして、サウス王国の王国としての終焉は迫っていくのだった。
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