【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。

竜鳴躍

文字の大きさ
35 / 67

結婚しよ?

しおりを挟む
「ハーバードっ!やっと毎日会えるねっ。嬉しいな。」

「僕もだよ、ネニュファール!」

ほころぶ笑顔が眩しい。
愛しい婚約者にハグをし、ハーバードは喜んだ。


ここの暮らしは待ち遠しかった。
向こうでは、そのまま里帰りせずに婿入りするかもしれないからと、生活用具一式を持たされ、盛大に送られた。

今、世界で一番力を持っているこの国の王子に自分が婿入りすることは、グラス王国にとってもいいことだった。
彼の母方の祖父は、先王の信頼する側近だったらしい。
本来ならば、彼の母である妃殿下は、グラス王国の伯爵として、その才を王国の発展のために発揮してくれるはずだったが、家庭内のいざこざがあって、王国での爵位を捨て、併せて持っていたバスティン王国の公爵になったらしいから、優秀な人材を流出してしまったグラス王国としては、忸怩たる思いだったのだという。

僕のお父様とこちらの陛下とは仲は悪くないから、国交に影響があったわけではないが、僕がネニュファールの婿に選ばれたことで、グラス王国の貴族には、これで本当の意味で『清算』できたと歓迎されているのだ。




年下だけど色気があって、年上のような。
どぎまぎドキドキさせられる、可愛いけどかっこいいネニュファール。

久しぶりに会ったネニュファールの身長は5センチくらいは伸びている。



彼に渡されたゴーレムとの甘い日々を思い出して、ハーバードは顔を赤らめた。

彼の中心を慈しむように、毎晩のように愛撫され、イカされる。

最近では、前立腺への刺激を指で与えられて。


ゴーレムだって、道具だって分かっているのに、なんだかそうは思えなくて。
指先の動きに翻弄されて。
段々、後ろが物足りなく…。


目の前のネニュファールにゴーレムが重なり、いずれ近いうちにああなるんだと思うと、想像しちゃって恥ずかしい。



「ねぇ、私ね。早いけど、ハーバードと一緒に学園に通おうと思うんだ。」

「えっ。」

「いや?」

だって、ハーバードが他の誰かに心を奪われたらいやなんだもん。
私は年下だし、やっぱり同世代に迫られたら。

ハーバードは、そんなことないって信じてるけど、私の見ていないところでハーバードが言い寄られるのは嫌なんだよ。


だめ?


そんなふうに見上げる瞳がいじらしい。

「嬉しいよ。ネニュファール。3年間、ずっと一緒なんて嬉しい!」

「よかったぁ!」


それでね?


ネニュファールは続ける。






「私、ハーバードを独占したいの。まだ子どもだけど、結婚式をあげたいなぁ。ねえ、ハーバード。私の子ども、ハーバードが産んでくれるでしょう?」
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

兄様の親友と恋人期間0日で結婚した僕の物語

サトー
BL
スローン王国の第五王子ユリアーネスは内気で自分に自信が持てず第一王子の兄、シリウスからは叱られてばかり。結婚して新しい家庭を築き、城を離れることが唯一の希望であるユリアーネスは兄の親友のミオに自覚のないまま恋をしていた。 ユリアーネスの結婚への思いを知ったミオはプロポーズをするが、それを知った兄シリウスは激昂する。 兄に縛られ続けた受けが結婚し、攻めとゆっくり絆を深めていくお話。 受け ユリアーネス(19)スローン王国第五王子。内気で自分に自信がない。 攻め ミオ(27)産まれてすぐゲンジツという世界からやってきた異世界人。を一途に思っていた。 ※本番行為はないですが実兄→→→→受けへの描写があります。 ※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

お一人様希望なので、その番認定は困ります〜愛されるのが怖い僕と、番が欲しい宰相閣下の話~

飛鷹
BL
森の民であるウィリテは、一族の持つ力を欲する権力者に一族を滅ぼされた過去を持つ。 一族の特別な力を継承していたウィリテは、一人ひっそりと生きていく事を望んでいた。 そんなある日、ウィリテが住む街に高位貴族が訪れた。獏の獣人であるその貴族は、どうやら番を探しているらしい。 街は俄に騒然となるが、ウィリテには関係のないことと思っていた。 しかし薬草採取で訪れた森で、怪我をしている男性を見付けた事から、ウィリテの平穏は崩れていく……。 番を望む聖獣『獏』の獣人と、精霊に愛されたの森の民の生き残りの、想いが通い合うまでのお話。

待て、妊活より婚活が先だ!

檸なっつ
BL
俺の自慢のバディのシオンは実は伯爵家嫡男だったらしい。 両親を亡くしている孤独なシオンに日頃から婚活を勧めていた俺だが、いよいよシオンは伯爵家を継ぐために結婚しないといけなくなった。よし、お前のためなら俺はなんだって協力するよ! ……って、え?? どこでどうなったのかシオンは婚活をすっ飛ばして妊活をし始める。……なんで相手が俺なんだよ! **ムーンライトノベルにも掲載しております**

私の番がスパダリだった件について惚気てもいいですか?

バナナマヨネーズ
BL
この世界の最強種である【バイパー】の青年ファイは、番から逃げるために自らに封印魔術を施した。 時は流れ、生きているうちに封印が解けたことを知ったファイは愕然とする間もなく番の存在に気が付くのだ。番を守るためにファイがとった行動は「どうか、貴方様の僕にしてください。ご主人様!!」という、とんでもないものだったが、何故かファイは僕として受け入れられてしまう。更には、番であるクロスにキスやそれ以上を求められてしまって? ※独自バース設定あり 全17話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました

未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。 皆さまありがとうございます。 「ねえ、私だけを見て」 これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。 エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。 「この恋、早く諦めなくちゃ……」 本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。 この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。 番外編。 リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。 ――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。

追放された赤毛の従者と 愛が重い赤龍陛下の 幸せな離婚

てんつぶ
BL
「僕はホンスァの夫だよ」「結婚してねえから!」 かつて赤龍の王座を奪われ、国を追われた元王・ホンスァ。 今は黒龍城で「のんびり居候生活」を満喫している彼の元へ、かつて自分から力を奪った裏切り者であり、現・赤龍王のジーウがひょっこり現れた。 育てた恩を仇で返した男のくせに、会うなりホンスァを「僕の奥さん」呼ばわり。 挙句の果てに、余裕の笑みでこう囁くのだ。 「嫌なら、離婚してあげようか?」 離婚から始まる再会劇。 全てを奪った執着の裏に隠されたジーウの愛とは――。 ※最終回まで書ききっています。 ※更新は毎日20時予約投稿していますが、土日祝は朝7時も更新します。  3月上旬の完結まで全て予約投稿済です。 『断罪された当て馬王子と愛したがり黒龍陛下の幸せな結婚』スピンオフ作品です。 ※今作単体でも楽しんでいただけます。 ※前作は書籍化済み。コミカライズは杏月かのこ先生の作画でアンダルシュにて連載中!コミックス1巻は2026年3月5日発売です。(電子はシーモア先行配信中)

処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます

ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。 しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。 ——このままじゃ、王太子に処刑される。 前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。 中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。 囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。 ところが動くほど状況は悪化していく。 レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、 カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、 隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。 しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。 周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり—— 自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。 誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う—— ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。

処理中です...