わんこな庶務は魔王な生徒会長に憧れる

竜鳴躍

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熟年編

オリエ=ペンタゴン2

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シュヴァリエを女性と婚約させるためという名目で、彼の側で彼を守って来た数年間は、途中でトラブルや事件があり、お互いの関係性が少しぎくしゃくしたとしても、自分のような影に生きる者としては、とても楽しいことだった。


まだペンタゴンの者として修業中の身で至らぬところもあり、パンツ行方不明事件では肝も冷やしたが…。


『幼馴染』として過ごした日は、宝箱のような記憶だ。






王城の離宮に入り、持っている鍵で中に入ると、2人暮らしには広い部屋が広がる。


「オリエ!おかえり!」


俺が帰ると飛び込んでくるやんちゃな子。


金髪で青い目。この国の王太子のデュラン様によく似ている、デュラン様よりは線が細くて幼い。



「ただいま、ヒューズ。」


ヒューズは、先の王が隠居した後で生まれた子だ。

現王の弟になるが、隠居した後で妃に先立たれ、世話を焼いていた侍女に手を出して生まれたため、存在が秘匿されており、王ですらヒューズの存在は知らない。

因みにその侍女は、気を病んで、出産後すぐに死んでしまった。



前王が生きている間はともに離宮で暮らしていたが、彼も亡くなり。


彼とともにいたくて、ペンタゴンの職を離れた。



「オリエ、おなかすいたっ。」

ニコニコ笑う彼は、もう18歳なのに、幼い言い方をする。

まるで、時が止まってしまったような箱庭。



ヒューズが王族の顔をしていなければよかった。
侍女のほうに似ていたら、よかったのに。

あまりにもデュラン様に似すぎていて、この箱庭から外へ出してあげることができない。



「何がいいですか?」

「はんばーぐ。オリエのハンバーグが食べたいな。」


「いいですよ。作るの手伝ってくださいね。」



のどかな昼下がり。

これはこれで、幸せだと思っている。

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