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ミレルダの破滅

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どうしてこんなことになったの?


私はアクセル様と結婚して、王太子妃になって、やがてこの国の王妃になって。


毎日綺麗なドレスを着て、みんなにちやほやされて。

子どもは私たちにそっくりな美しい王子が二人に王女が一人。



幸せな人生を送るはずだったのに。




キラキラしてみえたアクセル様は隅っこで縮こまって、私を助けてくれない。


私のことを愛しているって言ってたじゃない!

嘘つき!




お父様もお母さまも斬首台の露と消えた。

私の体も無理やり押さえつけられ、カチッと首がおさまる。



ああ、どうせ処刑されるのなら優しいのかもね。

ギロチンならすぐ死ねるもの。

鉱山での労働や娼婦に身を落とすようなこともない。
正直、複数の汚い男に体を暴かれるとか、私の顔をめちゃくちゃにつぶされるとか、そういうことを想像していた。



ああ、来世こそはかっこよくてお金持ちで、優しくって頼りがいのある方と結ばれたいわ。





そして、私の意識も消えた。








「これにて刑の執行を終える。皆の中には、簡単に処刑するより、もっと苦痛を与えてほしかったという者もいるだろう。死ぬより辛い重い刑を望んでいた者もいるかもしれない。だが、奴らを生かしておくことで万が一にでも奴らが脱走し、また、恨みを抱えたまま表向きは反省した振りをして機を窺うようなことがあってはならぬと判断した。奴らにはその危険性があった…。」


陛下の無機質な声が響く。


「そして、私も不甲斐なかった…。私はブレーキに王位を託し、退位する。ブレーキはまだ若いが、だからこそ悪魔の力にうちかった。ゴウマン侯爵の行いにもっと早く手を打てばよかった。なのにそれが出来なかった…。これは私たちの罪。アクセルとともに、北の離宮で一生暮らす。そして、アクセルが本当に立ち直らなければ、私たちが逝くときにはアクセルも連れていくつもりだ。」


一時は愛を語った相手の責任も取らず、見捨てた息子。
お前が一生あの娘を監視する役目を負うならば、子を出来ぬ処置をしたうえでともに軟禁する道もあった。


幼い。

一人にしては危ない息子。

ならば、その生涯に責任をとるのも、私たちの務め。

そして、ブレーキを影から支えていこう。






今日この日、オオバコ王国に若干14歳の賢王が誕生した。
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