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婚約と戴冠式と結婚式

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あれから3か月。


皆が助け合って、スズナ王国の街並みは元に戻り、各国も落ち着きを取り戻した。

オオバコ、クローバー、スズナ。

これからは良き隣人として生きていける。



「第二十三代オオバコ王国国王、ブレーキ陛下。祝福します。」

「ありがとうございます。」

綺麗に修繕された宮殿で、ブレーキ陛下の戴冠式が執り行われた。


クローバー王国からはお父様お母様、それにお兄様。
スズナ王国からはルシェル殿下が出席する。


「陛下!おめでとうございます!」
「おめでとうございます!」


前陛下夫妻とアクセルはいないけど、そのぶん皆が祝福している。



「ありがとう。僕はまだ若いが、日々学びながら、今この時の想いを忘れることなく、国民のため尽くしていくことを誓う。オオバコは、まだまだこれからだ。他国から優れたところを学びながら、我が国でしかできない強みを探していこう。みなもよろしく頼む。」


声変りが始まった、独特の少年の声。

それでもその声は凛として、国民に浸透した。


「それから…。ぼ、私の婚約者を皆に紹介する!」

陛下が一度壇上から降り、エスコートに向かったのは俺のお兄様。ハピネスお兄様。



クローバー王国の次期陛下だったはずのお兄様が現れ、会場が騒然とした。

「ハピネス=ルイス=クローバーです。陛下よりだいぶ年上ですが、陛下を支えてまいります。よろしくお願いいたします。」


お世継ぎは?

陛下が若いからそれを支えるための御妃なのだろうか。

今はよくても側妃を娶るのかもしれない。


ものすごく小声だけど、そういう声が聞こえる。不快だなあ。
ブレーキ陛下には聞こえていないだろうけど、お兄様は聞こえているはず。
でも、我関せずだ。

カッコいい。


「結婚は私の成人を待ってのことになる。王としての在り方を教えてくれる素晴らしい伴侶だ。私たち二人をこれから見守っていただきたい。―――――それで、クローバー王国の新しい王太子とその婚約者を紹介する。」



さ、俺の出番。

かっこいいシュナイダー。見せびらかしちゃうんだから!



「アミュレット=バイス=クローバーです。先日、自国でも公表しましたが、何分閉鎖的な国ですので、ご存じなかった方も多いと思います。それから、ご存じの方も多いと思いますが、明日結婚式を挙げる、伴侶となります。」

シュナイダーを紹介する。

「スズナ王国第二王子、シュナイダー=エム=スズナです。アミュレット様と歩んでまいります。」



俺たちを祝福するフラワーシャワーはいつまでも空を舞っていた。

世界中で新聞に掲載され、スズナ王国では、国民が今更シュナイダーにしてきた仕打ちを後悔していると、ルシェル殿下が教えてくれた。
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