あなたがいい~妖精王子は意地悪な婚約者を捨てて強くなり、幼馴染の護衛騎士を選びます~

竜鳴躍

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初心な新婚さん

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結婚式は戴冠式の翌日。

戴冠式に出席してくれた人たちが、そのまま俺たちの結婚式に参列してくれた。
そして、スズナ王国からは、戴冠式には出席できなかったシュナイダーのお父様お母様も駆けつけた。
ハピネスお兄様はブレーキ陛下と一緒。

ずっと離れ離れで暮らしていた両親とシュナイダーとは、距離感があったけど、想いあっていた家族ではあったから、抱擁して、お祝いを言ってくれた。

参列する各国王家は王家専用の控室があって、オオバコのライティア妃はヴァイオレットお母さまの親友だし、スズナのリリー妃様はお母様のお姉さまにあたるので、仲良く歓談中。


俺たち新郎新婦の控室には、入れ代わり立ち代わりお客さんが来ていて、今はルシェル殿下とハピネスお兄様、ブレーキ陛下の番。


「あぁああ、カッコいい!世界で一番かっこいい!僕の弟!!」

「ルシェルお兄様、恥ずかしいです。」

「世界中にこの絵姿を発信しなければ。人類の損失だから。」

「ハピネス。僕だってアミュレットは世界の宝だとは思ってるけど自重するよ?」

「シュナイダーたちのために開発した潤滑油、君も将来のために欲しいよね?あげるから今日のカメラマンとして僕を自由にして!」


「………仕方ないですね。」
ブレーキ陛下のお耳を両手で塞いで、お兄様はため息をつく。

「オッケー。じゃあ君にはと〇ナル拡張キットもつけてあげよう。まだあと4年あるもんね?4年の間に慣らしとくんでしょ?」


ふふ、ルシェル殿下が何を言ってるのか俺たちにはさっぱりわからないけど、今日はいっぱい撮影されるんだね。

「シュナイダーのカッコイイ写真、俺にも後で焼き増ししてくださいね。」
「じゃあ、アミュレット様の写真は私に下さい。」


「いいよ、任せて!」




パイプオルガンが鳴り響き、クローバー王国の大聖堂がオオバコ王国とつなげられて、皆が祝福する。

あたたかな日差しが天井から漏れて、俺はクローバー王国に代々伝わる緑色のマントを羽織り、一歩一歩歩む。
隣にいるのはシュナイダー。


なんだか、緊張しちゃう。



これからよろしくお願いします。旦那様。

シュナイダーと結婚できて、幸せ。












結婚式が終わって、パーティも終わって、ちょっとくたくた。

でも、ハピネスお兄様が途中で仕切ってくれて、俺たちは途中退席できた。
お兄様からは、これから王太子の引継ぎがある。

頑張らなきゃ!



で。


今は夜。


夜!


初夜!!



……とはいっても、まだ何もしないんだけど。

するのは、18歳の誕生日が来てからだってぇ…。



でも、今日から一緒に寝るなんてドキドキする!



「アミュレット様」

お風呂上がりのセクシーなシュナイダーが薄暗い寝室にやってきた。


「安心してください、ルールはちゃんと守りますから。」




俺の隣に背中を向けて眠るシュナイダー。



「あの、あのね。キスと抱っこはやってもいいと思う…。だっこ、してほしい。」

シュナイダーがぴくっと動いた。


抱きしめられる温もり。


嬉しい。









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