あなたがいい~妖精王子は意地悪な婚約者を捨てて強くなり、幼馴染の護衛騎士を選びます~

竜鳴躍

文字の大きさ
39 / 42

【本編最終話】エピローグ~それから5年後

しおりを挟む
「おかたま!」

銀色の髪が光輝いて、青い瞳の幼子が執務室のドアを開けた。
触ると、ぷくぷくと柔らかい。

まるで昔の僕みたいに。

「どうしたの?シリウス。」

「おとたまがまだけんはだめだっていうの…。」


「シリウスは剣を習いたいの?」

2歳になるシリウスは、普通の子どもよりは発育がいいと思うけれど、それでもまだ早いと思うんだけど。


「おとたまがかっこいいの!ぼくもおとたまみたいにかっこよくなるぅ!」

「う~ん。確かにシュナイダーはかっこいいけど。」



「……シリウス!お母さまに泣きついてもダメなものはだめだぞ!剣を持つ前にまずは基礎的な体力からだって言っただろう!」

「えぇ、めんどくさいしきついからやら!じみだし!おもしろくない!」

「お父様もお母さまも仕事してるだろう?めんどくさくない、きつくもない仕事などない。だけど、仕事をすることでみんなが幸せになれる。仕事をしなかったら、みんなが困ることになる。シリウスが毎日おいしいごはんを食べられるのは、ごはんの材料を作ってくれる人たちがいるからだ。…………シリウスは、めんどくさいからといってほうっておけるのか?」


「…………うぅ。」

「それに、基礎を身につければ、怪我をしなくなる。結局、基礎がしっかりしていれば強くなれるんだ。」


「わかった。ぼく、きそがんばる。」


「ある程度基礎が身についたら、小さな剣を用意してやろう。」


「はぁい!」



シュナイダーは子育て上手だ。
2人を見送って、僕は仕事をする。

僕はクローバー王国の王様だ。



去年、ブレーキ陛下の18歳の誕生日に、ハピネスお兄様とブレーキ陛下は結婚式を挙げた。

ハピネスお兄様はあまり変わらない。
ブレーキ陛下は18歳になって、見違えるほど逞しい青年になった。
ぐんと身長が伸びて、ハピネスお兄様もスラっとしてるけど、お兄様より頭2つ分、身長が高いうえに、鍛えているから筋肉質で。
優しい顔立ちの少年王は、誰からも頼られる、強く、賢い立派な王だ。

お兄様とブレーキ陛下の年齢差カップルの恋愛は、ご婦人に大人気で、二人の絵姿は世界中に買い求められている。
スズナ王国にもファンがいるみたいで、ルシェル殿下が気にくわないとぶーたれていた。


そんな二人の間には、さっそく第1子となる王子が生まれたばかり。
お兄様の年齢的に出産できないんじゃないか、と側妃を希望する人も多かったらしいけど、黙らせた形だ。

たぶん、第二子もすぐできるんだろう。



手を休めて、お腹に触れる。

ぱんぱんに膨らんだお腹は、第二子がいるから。

(あの子が剣を習いたかったのは、兄弟を守りたいというのもあるのかもね。)





「あぁ!ばぁばだぁ!」

「シリウスくん!きちゃったぁ~。リバイブお兄ちゃんも一緒よぉ!」

「やったあ!にぃにぃあそぼう!」

廊下から声が聞こえる。


カチャリとあけたら、リリー伯母様がリバイブを連れてきたみたい。


しっかりと手を繋いで、居間へ向かう二人が微笑ましい。



「全く困ったお母さまだ。すまない。」

「ルシェル様はまだまだ独身だろうから、仕方ないんじゃない?」


唇が近くなる。


肩を寄せられて…。




ふふ、僕、シュナイダーと結婚できて本当に良かった。

ずっとずっと、一緒にいてね。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜

鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。 そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。 あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。 そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。 「お前がずっと、好きだ」 甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。 ※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

悪役令嬢のモブ兄に転生したら、攻略対象から溺愛されてしまいました

藍沢真啓/庚あき
BL
俺──ルシアン・イベリスは学園の卒業パーティで起こった、妹ルシアが我が国の王子で婚約者で友人でもあるジュリアンから断罪される光景を見て思い出す。 (あ、これ乙女ゲームの悪役令嬢断罪シーンだ)と。 ちなみに、普通だったら攻略対象の立ち位置にあるべき筈なのに、予算の関係かモブ兄の俺。 しかし、うちの可愛い妹は、ゲームとは別の展開をして、会場から立ち去るのを追いかけようとしたら、攻略対象の一人で親友のリュカ・チューベローズに引き止められ、そして……。 気づけば、親友にでろっでろに溺愛されてしまったモブ兄の運命は── 異世界転生ラブラブコメディです。 ご都合主義な展開が多いので、苦手な方はお気を付けください。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?

MEIKO
BL
 【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!  僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして? ※R対象話には『*』マーク付けます。

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...