カワイイ系男子はスパダリ女領主の嫁になる

竜鳴躍

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僕の憂鬱

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壁ドンされて告白された後。


彼女は中央での領主会議のごとに僕の仕事場に顔を出して。

「やあ、シイナ。今日も素敵だね、天気がいいから一緒に出掛けないか?」

「感じのいいカフェがオープンしたんだ。一緒に行ってくれると嬉しいな。」

「大好きだよ、君のその菫色の瞳には私だけを映してくれると嬉しい。」

と、本当に僕のことを愛してくれて。

僕も、彼女と一緒にいると、本当に楽しくて。

とどめに
僕の誕生日だった月夜のきれいな晩に、
眺めのいい素敵なレストランを貸し切りでごちそうされた上に
年齢の数の薔薇の花束をひざまずいてプレゼントされて、
夜空に火の魔法で花を描く…そんなサプライズをされたらね、

それは落ちますよ…。


プロポーズを受けたら、それはあれよあれよと結婚式の準備が始まって
いつの間にか僕がウェディングドレスを着ることになって
可愛い可愛い言われて調子に乗って
本当にそれで式をあげちゃったけど、

領地中をパレードしてるときに、だんだん冷静になってきて、


なんでこうなってるんだろう?って思ったんです。


僕は確かに、可愛いものとか甘いものが好きだし、本当はあんまり武術も好きじゃないし、
ふりふりもレースも好きだけど、
別に女の子の格好をしたいってわけではなかったはずなんだけど…。
いつのまにか、彼女の望むまま磨かれて、髪も伸ばして、女装をするようになってしまった。

かといって、女装がそこまでいやかっていうとそうでもないし、彼女が喜ぶからまあいいか、という気持ちになっている。
いるんだけど、もしかしたら、彼女は女性が好きで、でも跡継ぎを作らないといけないから、見た目も性格も女の子ぽい僕を選んで、代わりにしてるんじゃないか、そう思うと、悶々としてくる。



「…なに、考えごと?余裕だね。」

今日は結婚式をあげて初めての夜。

いわゆる初夜である。

僕は、ドレスのまま彼女に押し倒されている。

「私に集中してほしいな?」

僕の上で、髪をかき上げる彼女は、しぐさから本当にかっこよくて、色っぽくて、ドキドキする。

彼女が夫で僕が妻になったような、そんな錯覚をしてしまう。


本当に彼女が僕のものだったらいいのだけど。
本当に、これからも僕だけを愛してくれる?

君が望むなら、ずっとこのまま女の子の格好をしていてもいい。

いつまで似合うかわからないけど。


どうか、いつか女装が似合わなくなっても、僕のことを捨てないで。

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