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だいすきです
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結婚式が終わったので、今夜は初夜らしい。
初夜と言われても一度は体をあわせているのだけど…。
今夜、使うのは女の子の方である。
日本では全く使う予定も使うあてもないままだった、この世界でも守ってきたもの。
「恥ずかしがらないで、私に全てお任せください。」
どうやら辺境伯家の侍女のみなさんが、私たちの初夜をプロデュースしてくれるそう。
セバスの奥様で侍女頭のマーサさん………この世界でお母さんになってくれた人が、私を磨いてくれるみたい。
お風呂で浴槽に浸かりながら、お母さんに髪を洗ってもらう。
「とびきり綺麗になりましょうね。今夜、あなたは生まれ変わるんです。嫌なことは全てここで洗い流してしまいましょう。」
「お母さん、俺、赤ちゃん産めるかな…。」
「分かりません。こういうことはなるようにしかならないもの。結婚したら自然とすぐ恵まれるなんて、御伽噺でしかない。私とセバスにも子どもはできなかったし、前辺境伯夫妻もなかなかできなかった。きっと、旦那様はあなたがそばにいてくれればそれで満足ですよ。だから、できたらラッキーくらいに思っておきましょう。そうはいっても、気になるでしょうから、いつでも私に相談してね。」
「俺、そこは守ったけど、だいぶ……その………。いいのかな、こんな妻で…。」
「気にしなくていいのよ。形式上、貴族の妻は高位貴族ほど処女性が問われはするかもしれないけど、国王夫妻があんな感じですからね。男も女も食い散らかして、最近では貴族の中でも随分奔放な方が増えているようですから。よっぽどクルスの方が貞淑ですよ。」
「ええっ、それっていいの…?」
「貞淑なマグロより床上手がいいんですって。ほんっとばかばかしい。托卵されればいいんですよ。………ふふふ、私、セバスは婚約破棄後の夫なの。そういって破棄されたのよ、私。私を捨てた相手?ええ、一族や本人とは似ても似つかぬ髪色と瞳と顔立ちの、一切似ていない子どもばかりに恵まれたようですよ!」
「ふふっ…。」
「元気になった?実はね、あなたがすごくいい子だからって、あなたがここにきて3日後にはあの人ったらあなたを養子にしたいって言ってたのよ。あなたが旦那様に嫁ぐとか、アリス陛下の血筋とか、そういうこととは関係なく。」
「ええっ!」
「私たちは貴方がすき。大切な私たちの子ども。そして、旦那様もあなたを本当に愛してる。幸せになるのよ。貴方が幸せになるための手伝いはいくらでも惜しまないから。一人じゃないから、頼ってね。人に頼るのも大切なことよ。どんな天才でも、1人では生きていけないの。」
「うん…。ありがとう、お母さん。」
白いヴェールの神父の方と、マーサお母さんが物陰に控える中、俺はトーンが来る夫婦の寝室に入り、ドキドキしながらベッドに入った。
娼館のベッドとは違う、大きくて、ふわふわのベッドは、日本の実家にあったベッドにちょっと近いかも。
「クルス…。」
トーンが来て、マットレスが揺れた。
初めて見せるそこは、恥ずかしさもあるけれど、早く欲しかった。
名実ともに、トーンだけのものになりたい。
そしてできれば、出来るだけ早いうちに子どもを産めたらいい。
「………あぁっ。」
若い雄のそこは固くて、健気なそれを早く解放してあげたい。
体中を舐めるようにキスを落とされても恥ずかしい。
「あんまり、みないで…。トーンみたいに鍛えてないし、恥ずかしいから…」
娼夫をさせられていたというのに初心な姿が愛おしいのか、ぎゅっと抱きしめられて。
初めてのときは痛くて血は出たけど、後ろの時ほどではなかった。
交合も揺さぶられることも、幸せしかなくて、中に種を感じることが何よりうれしくて。
これは絶対に零さないように中に深く取り込んで、お腹の中で芽吹くよう祈りながら、信じられないくらい幸せな夜は、つかの間の幸せのようにあっという間に過ぎた。
初夜と言われても一度は体をあわせているのだけど…。
今夜、使うのは女の子の方である。
日本では全く使う予定も使うあてもないままだった、この世界でも守ってきたもの。
「恥ずかしがらないで、私に全てお任せください。」
どうやら辺境伯家の侍女のみなさんが、私たちの初夜をプロデュースしてくれるそう。
セバスの奥様で侍女頭のマーサさん………この世界でお母さんになってくれた人が、私を磨いてくれるみたい。
お風呂で浴槽に浸かりながら、お母さんに髪を洗ってもらう。
「とびきり綺麗になりましょうね。今夜、あなたは生まれ変わるんです。嫌なことは全てここで洗い流してしまいましょう。」
「お母さん、俺、赤ちゃん産めるかな…。」
「分かりません。こういうことはなるようにしかならないもの。結婚したら自然とすぐ恵まれるなんて、御伽噺でしかない。私とセバスにも子どもはできなかったし、前辺境伯夫妻もなかなかできなかった。きっと、旦那様はあなたがそばにいてくれればそれで満足ですよ。だから、できたらラッキーくらいに思っておきましょう。そうはいっても、気になるでしょうから、いつでも私に相談してね。」
「俺、そこは守ったけど、だいぶ……その………。いいのかな、こんな妻で…。」
「気にしなくていいのよ。形式上、貴族の妻は高位貴族ほど処女性が問われはするかもしれないけど、国王夫妻があんな感じですからね。男も女も食い散らかして、最近では貴族の中でも随分奔放な方が増えているようですから。よっぽどクルスの方が貞淑ですよ。」
「ええっ、それっていいの…?」
「貞淑なマグロより床上手がいいんですって。ほんっとばかばかしい。托卵されればいいんですよ。………ふふふ、私、セバスは婚約破棄後の夫なの。そういって破棄されたのよ、私。私を捨てた相手?ええ、一族や本人とは似ても似つかぬ髪色と瞳と顔立ちの、一切似ていない子どもばかりに恵まれたようですよ!」
「ふふっ…。」
「元気になった?実はね、あなたがすごくいい子だからって、あなたがここにきて3日後にはあの人ったらあなたを養子にしたいって言ってたのよ。あなたが旦那様に嫁ぐとか、アリス陛下の血筋とか、そういうこととは関係なく。」
「ええっ!」
「私たちは貴方がすき。大切な私たちの子ども。そして、旦那様もあなたを本当に愛してる。幸せになるのよ。貴方が幸せになるための手伝いはいくらでも惜しまないから。一人じゃないから、頼ってね。人に頼るのも大切なことよ。どんな天才でも、1人では生きていけないの。」
「うん…。ありがとう、お母さん。」
白いヴェールの神父の方と、マーサお母さんが物陰に控える中、俺はトーンが来る夫婦の寝室に入り、ドキドキしながらベッドに入った。
娼館のベッドとは違う、大きくて、ふわふわのベッドは、日本の実家にあったベッドにちょっと近いかも。
「クルス…。」
トーンが来て、マットレスが揺れた。
初めて見せるそこは、恥ずかしさもあるけれど、早く欲しかった。
名実ともに、トーンだけのものになりたい。
そしてできれば、出来るだけ早いうちに子どもを産めたらいい。
「………あぁっ。」
若い雄のそこは固くて、健気なそれを早く解放してあげたい。
体中を舐めるようにキスを落とされても恥ずかしい。
「あんまり、みないで…。トーンみたいに鍛えてないし、恥ずかしいから…」
娼夫をさせられていたというのに初心な姿が愛おしいのか、ぎゅっと抱きしめられて。
初めてのときは痛くて血は出たけど、後ろの時ほどではなかった。
交合も揺さぶられることも、幸せしかなくて、中に種を感じることが何よりうれしくて。
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