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番外編

例え血が繋がっていなくても

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「例え血が繋がっていなくても。僕は望まれてここにいます。後ろ暗いことはありません。父の期待に応え、立派な後継になります。」


「でも、血が……


「貴族は血も大事ですが、優秀な養子を迎えることもありますよね?時には、全く関係ない血筋や平民からの養子もあるとか。否定なさるのですか?」


まずい。


衆目、しかも殿下も見守る中、明らかに潮目が変わっている。


「しかし、お前は

「ですから、僕の本当の血筋のことは禁忌なのですよ。あなたは戦争を起こしたいのですか?ヨーグル伯爵もかわいそうに。あなたのせいで、今、貴方の父がまさに立場を悪くしてるのがお分かりにならないのですか。」



「ふふ、よく言った。マリーン。そこのアホな2年生男子よ、彼の血筋はけして悪いものではないぞ。むしろ、僕に匹敵するものだよ。君が禁忌を口に出したことは、我が母を通してきつく伯爵に伝えておこう。幸いお前は三男だったな。」

つかつかとクローヴ殿下が近づく。


「ひっ!」


「君みたいな子は、廃嫡したほうがいいよね。進言しよう。伯爵も管理不行き届きで2階級降格ね。」


「ええっ、そんなあ!」


レアは泣きながら去っていった。



「さて、君たちは優秀だから、大丈夫ですよね?」

殿下がにっこり微笑む。


「ありがとうございます。」

「いや、僕たち君が心配で。今日はずっと後ろからみんなで見守っていたんだよ。」


「そうだぜ、お前は危なっかしいからさ!」
「ね?」

セイロンとシナモンも笑う。

「私たち幼馴染なんだから、これから学園でもなかよくしましょうね。」
アリーもにっこり微笑んだ。

「登校も下校もごはんも一緒だよ!」


シュガーの明るさに癒される。




初日から散々だったけど、僕の学園生活は始まった。
誰かに聞かされる前にお父様たちから聞いていて良かった。

僕には学園で友達が出来た。

恋はまだわからない。

でもきっと、産みの父のような過ちは犯さない。
僕には素敵な幼馴染がいるから。
両親や妹がいるから。
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