笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

竜鳴躍

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カカオ、めざめて

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「カカオ!」

檻に近づこうとすると、バシッと弾かれる。


「あんただけが幸せになるなんて許せないんだから!」


双子の姉。

毒親に育てられてしまったからこうなった……とも言えるけど、これほどの狂気はどこから来るんだろうと思ってた。
話し合うことすらできない。
話が通じない人。

やっとわかった。

前世からの想いで、歪んでいたんだ。


「ふふん、いい気味よ!この人にはね、グレーの記憶の一部だけ戻したの。誰かが大事に大事に、魂の奥底に眠らせていた記憶。それを掘り起こしてね。蔑まれていた記憶、物陰からヘンゼルとアンタがはた目からは仲良さそうに一緒にいたのを見ていた記憶、そしてあんたの身代わりになってひきつけるために、周囲に聖女はここだ、とらえろ!と炊きつけていたシーンの記憶だけをね。ふふん、馬鹿よね。可愛さ余って憎さ百倍、手に入れられないならって命令をだしたのはヘンゼルなのに。確かに命令はグレー王子の名前だったけどね?ヘンゼル王子は優しい王子だもの。やさ………。男オメガなのに、令嬢みたいに扱ってくれたのはヘンゼル王子だけだったの!優しいから王妃様たちの望んだアンタとの結婚に反論できなかっただけなの!本当は私と結婚したかったのよ!だから消してしまえば私を王妃にできるって……!」


「—---それで、主犯として処刑されたんでしょ…?」


「うるさいうるさいうるさ!」



「ねえ、もしかして。貴方は愛されたかっただけじゃないの?」



「!」


「ヘンゼル王子がクソだって、本当は分かってるんでしょ?なんでそんなののために精神をおかしくして、犯罪に手を染めて、それで最後は処刑されるの?」


「だって……。」


「俺のことを気持ち悪い男オメガって言ってたけど、自分が言われていたんじゃないの?」


「………!!!」


「やっとふわふわ可愛い、念願の女の子に産まれたのに、かつての自分を思い出す俺の存在が疎ましかったんじゃない?俺は心は男で、性的嗜好はよくわからない感じだったけど、君は心が女の子で、性的嗜好が男性だったんだよね。」



「なによ……!今更!私は死んだのよ!次はないの!消えるのよ!今更、今更……!!なんであんたなんかが私のことを理解するのよ!」


「オリーブ。ちょっと俺に身を任せてみない?今のオリーブを、うんと素敵にしてあげる。その代わり、満足出来たら、カカオを呪うのはやめて、返してくれる?」


「……………やってみなさいよ。」







パチン、パチン。

痛んだ髪は枝毛を切って、トリートメント。

ほら、艶のある金髪がよみがえった。
天使のわっかが出ているよ。

おでこは出して、髪は巻いて。

内向きに整えていくね。

スラリとしたオリーブには、若草色のドレス。

落ち着いたシックなドレスは、純白の生地で切り返して、爽やかに軽やかに。

お化粧は色を控えめに、リップだけしっかりつけるよ。


「ほらみて、オリーブ。俺とオリーブはよく似ているけど、こうしてみたら分かるでしょう?オリーブの方が綺麗系の美人なんだよ。子どもっぽいメイクや髪型は、オリーブの良さを消すだけなの。本当はこんなに素敵だったんだから。誰だって、自分だけの良さがあるんだよ。」



「ほんと……。ほんとね。私、こんなに血で汚れて…、何をしていたのかしら。」


『やっと会えたの。』



神様が、オリーブを連れて行き。
そして、檻に触れると、光とともに檻は消えた。







そしてなんてびっくり。

二人して目が覚めたら、2年も経ってたんだよ!!!!

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