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他人にブスって言うやつは大体自分の方がもっとブス
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あたりがしーんと静まり返り、キャサリンどころか全員が「へ?」という表情をしている。
あれ?
俺、運命の番否定派だと思われてたのか…。
「お、おうたいしひさま…。あぇ…!?」
「ああ。みんなに誤解を与えていたみたいでごめん。別に俺は『運命の番』を否定したいわけでも否定しているわけでもないんだよ。それを絶対視することが嫌なだけで…。みんなが言う『運命の番』って生物学的な分類だと思っているんだけど、確かに遺伝子的にひかれあう匂いを持っているだけで、必ずしもその人と一緒になって幸せになれるわけじゃないってことで……。あぁ―――――、分かりにくいかな?つまりね…。」
俺はスミスとケニーの後ろに回って、二人の肩に手を置く。
「彼らのように、生物学的な運命の番が、イコール二人にとって最愛のパートナーであることもあるってこと。俺が否定したいのはさ、『運命の番』であっても……例えば親子や兄弟姉妹のような、結ばれるべきではない者同士や、『運命の番』の執着がドメスティックバイオレンスに発展して結婚生活が破綻する・しているような場合、『運命の番』のはずだけど、相手方の人間性が最悪だったり考え方や価値観が全く合わないような場合まで、『運命の番』に縛られる必要はないんじゃないか、ってことなんだよ。」
お母様は『運命の番』と出会って俺を産んだけど、幸せだったかというと否。
俺の前世だって、幸せな夫夫生活だとはいえなかった。
スパイスは元々そんなに悪い奴じゃなかった。
あんな大それたことをしでかすタイプでもない。
未来をある程度知っていたはずの陛下が、スパイスの危険性を漏らしたのは、単純に過去生では俺と陛下との接点が薄かったということもあるけれど、彼自身が元々危険人物ではなかったからだ。
それなのに、『運命の番』の執着の本能が彼を壊した…。
公爵はようやくジョシュアンさんと幸せになれたけど、運命の番に悩まされなければ、もしかしたら違う未来があったかもしれない。
もしかしたら、彼らは普通に結婚し、公爵は王様になって…………、初めから幸せに過ごせていたのかも。
「幸せで何の問題もない『運命の番』は素敵なことだ。これこそ御伽噺で、夢のようなことだ。だから俺は彼らを祝福するよ?」
「asddddddfkg;;!!!」
キャサリンは喚いている。こわー。こわっ。
ああ、向こうでアーサーが相手をしてるけど、ブラウス伯爵泡噴いて倒れてるじゃないか。
伯爵夫人も胸を押さえているし。
このへんでこの馬鹿を矯正しなくては。
「でもぉっ!私の方が美人だもの!私は学園のマドンナなんだから!あんな、地味なっ、ブス!ブス!ブスぅぅう!」
「馬鹿言うな!スミスは可愛い、ブスじゃないっ!そもそも人にブスいうな!お前のことをもう親戚だとも思いたくない!」
ケニーの奴、いい奴だ。スミスの耳をぎゅっと塞いでいる。
スミスの顔がぽぽ、っと赤く染まった。
「そんなに君が自分の方が美しいと思うのであれば現実を見せてやるか。みなさん、少し下がってください。」
俺は大きな鏡をホールの中央に出した。
それに映るのは、キャサリンとスミス。
片や、蘭の花のような美しさのスミス。
対してキャサリンは、年齢に似合わない髪型と化粧、年甲斐もないフリルフリフリのドレスが年齢とともに弛んだ体のラインを悪い意味で強調。極めつけが泣いて暴れたせいでマスカラがとれ、黒のラインが目から顎に向かって入った化け物な姿。
「いーい?俺が言うのもなんだけど、若い男ってのはね、どんなに紳士ぶっててもすぐヤレそうな女にちやほやしがちなの。全員じゃないけどね。まあ、一人の女に群がるような輩はそういうタイプが多いかな。でも、それでその気になって自分を安売りなんてするもんじゃないし、安売りしていなくてもカン違いするから、今、君はこの惨状なわけ。この姿を見比べて、まだ君はスミスにブスって言える?言えないよね?君がこんな騒動を起こすから君の両親は虫の息だけど、あの姿を見てもなんとも思わない?」
「あ、あう、ああぁあああああああ。おとうさま、おかあさまぁっ…ごめんなさいぃ!」
ふぅ、やれやれ。これで騒動はひと段落しそうだ。
スミスもケニーと幸せそうでよかった。
俺も今日はなかよし♡なことをしよう。
あれ?
俺、運命の番否定派だと思われてたのか…。
「お、おうたいしひさま…。あぇ…!?」
「ああ。みんなに誤解を与えていたみたいでごめん。別に俺は『運命の番』を否定したいわけでも否定しているわけでもないんだよ。それを絶対視することが嫌なだけで…。みんなが言う『運命の番』って生物学的な分類だと思っているんだけど、確かに遺伝子的にひかれあう匂いを持っているだけで、必ずしもその人と一緒になって幸せになれるわけじゃないってことで……。あぁ―――――、分かりにくいかな?つまりね…。」
俺はスミスとケニーの後ろに回って、二人の肩に手を置く。
「彼らのように、生物学的な運命の番が、イコール二人にとって最愛のパートナーであることもあるってこと。俺が否定したいのはさ、『運命の番』であっても……例えば親子や兄弟姉妹のような、結ばれるべきではない者同士や、『運命の番』の執着がドメスティックバイオレンスに発展して結婚生活が破綻する・しているような場合、『運命の番』のはずだけど、相手方の人間性が最悪だったり考え方や価値観が全く合わないような場合まで、『運命の番』に縛られる必要はないんじゃないか、ってことなんだよ。」
お母様は『運命の番』と出会って俺を産んだけど、幸せだったかというと否。
俺の前世だって、幸せな夫夫生活だとはいえなかった。
スパイスは元々そんなに悪い奴じゃなかった。
あんな大それたことをしでかすタイプでもない。
未来をある程度知っていたはずの陛下が、スパイスの危険性を漏らしたのは、単純に過去生では俺と陛下との接点が薄かったということもあるけれど、彼自身が元々危険人物ではなかったからだ。
それなのに、『運命の番』の執着の本能が彼を壊した…。
公爵はようやくジョシュアンさんと幸せになれたけど、運命の番に悩まされなければ、もしかしたら違う未来があったかもしれない。
もしかしたら、彼らは普通に結婚し、公爵は王様になって…………、初めから幸せに過ごせていたのかも。
「幸せで何の問題もない『運命の番』は素敵なことだ。これこそ御伽噺で、夢のようなことだ。だから俺は彼らを祝福するよ?」
「asddddddfkg;;!!!」
キャサリンは喚いている。こわー。こわっ。
ああ、向こうでアーサーが相手をしてるけど、ブラウス伯爵泡噴いて倒れてるじゃないか。
伯爵夫人も胸を押さえているし。
このへんでこの馬鹿を矯正しなくては。
「でもぉっ!私の方が美人だもの!私は学園のマドンナなんだから!あんな、地味なっ、ブス!ブス!ブスぅぅう!」
「馬鹿言うな!スミスは可愛い、ブスじゃないっ!そもそも人にブスいうな!お前のことをもう親戚だとも思いたくない!」
ケニーの奴、いい奴だ。スミスの耳をぎゅっと塞いでいる。
スミスの顔がぽぽ、っと赤く染まった。
「そんなに君が自分の方が美しいと思うのであれば現実を見せてやるか。みなさん、少し下がってください。」
俺は大きな鏡をホールの中央に出した。
それに映るのは、キャサリンとスミス。
片や、蘭の花のような美しさのスミス。
対してキャサリンは、年齢に似合わない髪型と化粧、年甲斐もないフリルフリフリのドレスが年齢とともに弛んだ体のラインを悪い意味で強調。極めつけが泣いて暴れたせいでマスカラがとれ、黒のラインが目から顎に向かって入った化け物な姿。
「いーい?俺が言うのもなんだけど、若い男ってのはね、どんなに紳士ぶっててもすぐヤレそうな女にちやほやしがちなの。全員じゃないけどね。まあ、一人の女に群がるような輩はそういうタイプが多いかな。でも、それでその気になって自分を安売りなんてするもんじゃないし、安売りしていなくてもカン違いするから、今、君はこの惨状なわけ。この姿を見比べて、まだ君はスミスにブスって言える?言えないよね?君がこんな騒動を起こすから君の両親は虫の息だけど、あの姿を見てもなんとも思わない?」
「あ、あう、ああぁあああああああ。おとうさま、おかあさまぁっ…ごめんなさいぃ!」
ふぅ、やれやれ。これで騒動はひと段落しそうだ。
スミスもケニーと幸せそうでよかった。
俺も今日はなかよし♡なことをしよう。
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よろしくお願いいたします。
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