王太子殿下は聖女でアイドル様。今日も無邪気に魅了します?

竜鳴躍

文字の大きさ
6 / 38

側近たちの気持ち~マリウス=ユピテル侯爵令息の場合~

しおりを挟む
私はマリウス=ユピテル。この国で宰相を務めているユピテル侯爵家の嫡男だ。
幸いにも王太子殿下にお仕えする誉を得ている。


学園では生徒会長である王太子殿下をお支えする副会長として。
王城では王太子殿下の執務をお支えする侍従として。
そしてプライベートでは、プリンセスカルテットのメンバーでありながら、マネージャーも兼任している。


殿下には特別な能力があり、神の世界を覗き見てこの世に具現化することができるのだ。
これは、私たち側近と、王家のみが知るところである。

つまり、神の声を聞き、良い方向へ世界を誘うことが出来る『聖女(この場合記号なので性別は気にしない)』様でもあるのだ。


神の世界から知識を得られたとしても、それを理解しこの世界に合うようにカスタマイズできる能力がなければ具現化はできない。

殿下は自分は大したことをしていないと仰るが、天才なのだと理解してもらいたい。
殿下はご自身を過小評価しておられる。

殿下の力が明らかになれば、世界中から殿下は狙われてしまうだろう。

それを防ぐために私たちはいるのだ!


息を吐くように神の世界の知識を吐く殿下のフォローや、次々と新しいことに着手して仕事の進捗が滞りがちの殿下を執務に誘導することも。


そして、殿下を励ますために甘ーいお菓子とお茶を用意することも!


時々ご褒美は大事である。



殿下がやりたいというのなら、女装をしてあいどるをするのも任務のうち!

殿下が喜ばれるなら、可能な限り叶えてあげたい!


だって、殿下には自由があるようでないのだから。

国王になれば、いや、学園を卒業してしまえば、あいどるをする時間さえないのだから。



そのうち妃を迎え―――――


いや、想像できないな。

殿下はどうも性的なことや女性から逃げてらっしゃるからな。
挨拶や社交辞令はするが、特に婚約者候補だった者たちからは逃げている。

無理もない…。

うちの姉が悪いんだ。



婚約者候補を集めた幼い頃のパーティー。

私は、姉の付き添いで参加していたが。

姉はライバルを蹴落とそうと、周りの令嬢の悪口や揚げ足取りばかり。
そのうち口論がエスカレートし、幼い令嬢たちは髪をひっぱったり、爪で引っかいたり、ドレスをむしったりの大乱闘。

そんな姿で殿下に詰め寄ったのだ。


<私の方がいいですよね?>


怖いよ。
私だっていやだよ。

絶対にあれで女性不信になった、間違いない。


私にとって殿下は神で、愛しい人。


男性同士でも子ができる世の中。
怖い令嬢に渡すくらいなら、私が幸せにしてもいいのではないだろうか。


「さて、国際外交を兼ねた全国ツアーの用意をするとしましょう。」



私は机に向き直った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

夫婦喧嘩したのでダンジョンで生活してみたら思いの外快適だった

ミクリ21 (新)
BL
夫婦喧嘩したアデルは脱走した。 そして、連れ戻されたくないからダンジョン暮らしすることに決めた。 旦那ラグナーと義両親はアデルを探すが当然みつからず、実はアデルが神子という神託があってラグナー達はざまぁされることになる。 アデルはダンジョンで、たまに会う黒いローブ姿の男と惹かれ合う。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

処理中です...