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番外編 執事との恋
執事で夫
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兄のルカが王太子としてスワン様の長女であるオディールと結婚式を挙げたその翌年。
18歳になったサンドルは、ヤードと結婚式を挙げた。
親族や親しい者のみのパーティは、他国の貴人も来て賑やかだった。
ヤードは結婚まで、それはもう嫌がらせや襲撃を受けていた。
だが、涼しい顔でそれを全て打ち返していた。
銃弾は自家製の特殊な盾で撃ち返し、経理の罠や嘘の情報は見抜いて、やり返した。
将来の王弟の婿の座は、それはもう魅力的だったのだ。
アレックスに似た美しいサンドルを手に入れたい。
そう思う者も多かった。
レナード陛下やルカは自分たちが不届きものを処分するつもりでいたが、ヤードは格の違いを見せつけておかないと、いつまでもこういう輩が現れるとして、サンドルの身の回りの護衛の強化を頼むのみで、本当に全て自分で片づけてしまった。
「な……なんだよ。なんでこんなやつが『伯爵令息』なんだよ。なんで『執事』なんかやってるんだよ。暗部のトップか騎士団長って言われた方が分かるぞ。」
「こ……これが天才か。」
結婚式を挙げる頃には、もう、ヤードが伯爵令息で執事だからと言って軽んじる者はいなくなった。
ヤード=クリフォート伯爵令息は、執事とは仮の姿で王太子の側近かつ暗部のトップである。
まことしやかに噂されるが、それが真実かどうかは誰にもわからない。
意味深にほほ笑む陛下と妃殿下、王太子がいるだけである。
「やっとお嫁さんになれて嬉しい!よろしくお願いします。」
腕の中にすっぽりと。
飛び込んでくる純白の花嫁。
皆の祝福の中、二人は初めてのキスをした。
初めてだったから歯があたって、おでこをごっつんこしてしまったのは、ご愛敬である。
18歳になったサンドルは、ヤードと結婚式を挙げた。
親族や親しい者のみのパーティは、他国の貴人も来て賑やかだった。
ヤードは結婚まで、それはもう嫌がらせや襲撃を受けていた。
だが、涼しい顔でそれを全て打ち返していた。
銃弾は自家製の特殊な盾で撃ち返し、経理の罠や嘘の情報は見抜いて、やり返した。
将来の王弟の婿の座は、それはもう魅力的だったのだ。
アレックスに似た美しいサンドルを手に入れたい。
そう思う者も多かった。
レナード陛下やルカは自分たちが不届きものを処分するつもりでいたが、ヤードは格の違いを見せつけておかないと、いつまでもこういう輩が現れるとして、サンドルの身の回りの護衛の強化を頼むのみで、本当に全て自分で片づけてしまった。
「な……なんだよ。なんでこんなやつが『伯爵令息』なんだよ。なんで『執事』なんかやってるんだよ。暗部のトップか騎士団長って言われた方が分かるぞ。」
「こ……これが天才か。」
結婚式を挙げる頃には、もう、ヤードが伯爵令息で執事だからと言って軽んじる者はいなくなった。
ヤード=クリフォート伯爵令息は、執事とは仮の姿で王太子の側近かつ暗部のトップである。
まことしやかに噂されるが、それが真実かどうかは誰にもわからない。
意味深にほほ笑む陛下と妃殿下、王太子がいるだけである。
「やっとお嫁さんになれて嬉しい!よろしくお願いします。」
腕の中にすっぽりと。
飛び込んでくる純白の花嫁。
皆の祝福の中、二人は初めてのキスをした。
初めてだったから歯があたって、おでこをごっつんこしてしまったのは、ご愛敬である。
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