義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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毎日が幸せ

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2人で薔薇園を作る。


「王家の庭園みたいに広くはないけど、パーティもあるし、もうちょっと綺麗に整備しようと思って。どうも僕はロマンティックに欠けるみたいだから、ロイも手伝ってくれない?」


ロイの発案で、ハート型のアーチや、植え込みで囲まれた中にベンチや二人乗りブランコを配置する。

さすが心は乙女。



「ちょっと疲れちゃったね。」


気が付けば、陽が沈みかけ、オレンジ色であたりが染まる。

月の色にも紅が指し、端の方から夜が来る。



2人で作ったブランコに、2人で座って庭園を見る。


「お客様たち、喜んでくれるかしら。」

「評判が良かったら、町の中にもこんな感じの場所を作りたいね。きっと、みんなの憩いの場になる。」



2人で過ごす、なんでもない日々が最高の幸せ。



「ロイ。」


ぴとっと彼の肩に頭をつけるようにして、体を預ける。


「僕ね、いっぱい子どもが欲しいな。早く結婚したい。」

「お姉さまが来春だから、僕たちはその後になるよ。夏くらいかな。どんな式にするか、招待客はどうするか、二人でいっぱい考えよう。」


「そうだね。」







「シン様、ロイ殿下!そろそろ夕餉の時間ですよ。まずは二人でお風呂に入ってきてください!」


爺やがこちらに向かって合図を送った。



「お風呂!?お風呂はいいとして、二人で?」

またロイが真っ赤になった。

「もうこんなに遅くなっちゃったんだから、二人一緒の方がいいでしょ。」


「まぁ、そうなんだけど…。」

ロイはスッと自分が先に立って、僕をエスコートして立たせた。



ロイのバカ。

キスしてほしかったのに。


頭をくっつけて密着して甘えても、キスしてくれなかった。


不満はあるけど、顔には出さない。






ふいに、ロイの手が僕の顎に触れて―――――――。


重ね合わせるだけの、優しいキス。


「さ、行こうか!」


「うん!」


手を繋いで屋敷に戻る。



ふふっ、キスしてくれた。

嬉しくて、たぶん僕の頬も染まっている。



お風呂場で、ちょっと誘惑しちゃおうかな。

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