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強引にいかねばならぬ時もある。
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エリヴィラちゃんの長~い黒髪の三つ編みももう終わりだ。
最後に先をリボンでしっかり結びつける。
「はい。これでいいかしら?」
「どうもありがとう」
「さて、私は自分の課題をしないと」
封印された箱を手に取るが、どうすりゃいいの?
くるくる回して全体的に見てみるが、そんなしっかりした箱じゃないしちょっとぶつけたら壊せそうだな。
いや、そんな開け方じゃない。
わかっとるわ。
この紙を剥がせばいいんだろうけど、ロックの呪いが込めたられた札が簡単にはがれるわけが……剥がれるぞこれ?
「んん?」
ぺりぺりと簡単に札が剥がれた。
……なんだこれ、不良品。
「すごいのね。ロックをそんな簡単に」
「すごいのかしら? 私にはあなたのゴーレムのほうがすごいと思うのだけど」
「まさか。ゴーレム術なんてありきたりですよ」
「ありきたりな魔法が一番大切なんじゃないの。炎の魔法が使えなかったらどれだけ大変か」
料理とか大体、火の札でやってるみたいだし。
もちろん薪とか油とかも使ってるけど、燃えカスも出ないし、かさばらず保存も輸送も楽な札が流通するのは至極当然。
「……そうね。自分の持っていない物はうらやましくなるようなものかしら」
「的確な表現ね」
さて、なんか入ってる感じだけど中身は。
「あら」
箱の中には茶色い紙に包まれたクッキーが数枚入っていた。
「リゼットちゃんからの差し入れみたい」
「リゼット……モーリア先生?」
あ、いけね。
「あのね、モーリア先生とは以前同級生だったのよ」
「ああ。なるどそれでですか」
「それで、仲良しだったのだけど……今は先生と生徒よ。リゼ――モーリア先生は贔屓なんてする人じゃないから!」
「ええ。見ていればわかります。隠す理由もわかるわ。邪推する人がいないとも限らないし」
「モーリア先生にとっても大切な時だし、迷惑はかけたくないの」
「そうですね」
「だから、これ半分こね」
クッキーを半分エリヴィラちゃんに渡す。
「口止め料よ」
「そんな」
「ふふ。モーリア先生と私のことを話そうとしたら、つまみ食いをしたこともばれてしまう。完璧な作戦よ」
「それを聞いたら食べないほうがいいと思えるんだけど」
「あら、食べないの? これね、モーリア先生の地元の特産でおいしいのよ? 王宮からの買い付けもあるんだから」
「……いただきます」
「ええ。私も」
本当なら授業中の時間に、こっそりおやつ。
ふふふ、これはドキドキしますな。
百合的にもたいへんよろしい!
小さな秘密を共有! お約束だけど何度あっても素晴らしい!
難点は視点固定なこと!!
百合空間に居ながら、百合が見れない!!
バカなの!?
アホなの!?
「あ、おいしい」
一口食べたエリヴィラちゃんが口元を抑える。
「でしょう? 私も大好きなの」
「でも……飲み物がほしいですね」
「確かにそうね」
おいしいけどほろほろのクッキーは水分なしでは確かにきつい。
「残りは後でお茶といただきます」
お茶。
そういやグローリアちゃんたちが、お茶のレクチャー受けに来るんだったよな。
「もし紅茶に興味があるなら、お茶の講習会に来ない?」
「紅茶ですか?」
「ええ、私の家はお茶を取り扱ってるの。味には自信があるわよ。いかがかしら?」
「興味はありますが――」
「それならぜひ!」
今断ろうとしたな?
わかっているが逃さぬ!
グローリアちゃんたちもエリヴィラちゃんとの接し方がわからない感じだったし、話せば打ち解けるきっかけになるだろう。
なにより呪われた張本人である俺が、全く気にせずエリヴィラちゃんと一緒にいることによって、魔法が呪いの系統とか誰も気にしてないってことを示すのだ!!
「週末に何か予定は入っている?」
「いえ……」
「じゃあ、この日ね。約束ね」
ちょっと強引で申し訳ないが、お付き合い願おう!!
最後に先をリボンでしっかり結びつける。
「はい。これでいいかしら?」
「どうもありがとう」
「さて、私は自分の課題をしないと」
封印された箱を手に取るが、どうすりゃいいの?
くるくる回して全体的に見てみるが、そんなしっかりした箱じゃないしちょっとぶつけたら壊せそうだな。
いや、そんな開け方じゃない。
わかっとるわ。
この紙を剥がせばいいんだろうけど、ロックの呪いが込めたられた札が簡単にはがれるわけが……剥がれるぞこれ?
「んん?」
ぺりぺりと簡単に札が剥がれた。
……なんだこれ、不良品。
「すごいのね。ロックをそんな簡単に」
「すごいのかしら? 私にはあなたのゴーレムのほうがすごいと思うのだけど」
「まさか。ゴーレム術なんてありきたりですよ」
「ありきたりな魔法が一番大切なんじゃないの。炎の魔法が使えなかったらどれだけ大変か」
料理とか大体、火の札でやってるみたいだし。
もちろん薪とか油とかも使ってるけど、燃えカスも出ないし、かさばらず保存も輸送も楽な札が流通するのは至極当然。
「……そうね。自分の持っていない物はうらやましくなるようなものかしら」
「的確な表現ね」
さて、なんか入ってる感じだけど中身は。
「あら」
箱の中には茶色い紙に包まれたクッキーが数枚入っていた。
「リゼットちゃんからの差し入れみたい」
「リゼット……モーリア先生?」
あ、いけね。
「あのね、モーリア先生とは以前同級生だったのよ」
「ああ。なるどそれでですか」
「それで、仲良しだったのだけど……今は先生と生徒よ。リゼ――モーリア先生は贔屓なんてする人じゃないから!」
「ええ。見ていればわかります。隠す理由もわかるわ。邪推する人がいないとも限らないし」
「モーリア先生にとっても大切な時だし、迷惑はかけたくないの」
「そうですね」
「だから、これ半分こね」
クッキーを半分エリヴィラちゃんに渡す。
「口止め料よ」
「そんな」
「ふふ。モーリア先生と私のことを話そうとしたら、つまみ食いをしたこともばれてしまう。完璧な作戦よ」
「それを聞いたら食べないほうがいいと思えるんだけど」
「あら、食べないの? これね、モーリア先生の地元の特産でおいしいのよ? 王宮からの買い付けもあるんだから」
「……いただきます」
「ええ。私も」
本当なら授業中の時間に、こっそりおやつ。
ふふふ、これはドキドキしますな。
百合的にもたいへんよろしい!
小さな秘密を共有! お約束だけど何度あっても素晴らしい!
難点は視点固定なこと!!
百合空間に居ながら、百合が見れない!!
バカなの!?
アホなの!?
「あ、おいしい」
一口食べたエリヴィラちゃんが口元を抑える。
「でしょう? 私も大好きなの」
「でも……飲み物がほしいですね」
「確かにそうね」
おいしいけどほろほろのクッキーは水分なしでは確かにきつい。
「残りは後でお茶といただきます」
お茶。
そういやグローリアちゃんたちが、お茶のレクチャー受けに来るんだったよな。
「もし紅茶に興味があるなら、お茶の講習会に来ない?」
「紅茶ですか?」
「ええ、私の家はお茶を取り扱ってるの。味には自信があるわよ。いかがかしら?」
「興味はありますが――」
「それならぜひ!」
今断ろうとしたな?
わかっているが逃さぬ!
グローリアちゃんたちもエリヴィラちゃんとの接し方がわからない感じだったし、話せば打ち解けるきっかけになるだろう。
なにより呪われた張本人である俺が、全く気にせずエリヴィラちゃんと一緒にいることによって、魔法が呪いの系統とか誰も気にしてないってことを示すのだ!!
「週末に何か予定は入っている?」
「いえ……」
「じゃあ、この日ね。約束ね」
ちょっと強引で申し訳ないが、お付き合い願おう!!
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