90 / 97
第2章
089
しおりを挟む
割れたクリスタルから溢れた魔力は空気を震わせ、〝ある存在〟に対してのみ効果のある音波を発生させる。
その音波に〝ある存在〟の紋章術は強制的に共鳴し、持ち主の意思を無視して内部から力を爆発させる。
もちろん、その経過を一部始終観察する人間たちに害の無いよう、共鳴した音波と紋章術の波がぶつかる箇所に魔力遮断の隔離壁が発生するようになっている。
実験施設で使用されている対〝人工紋章術の使い手〟用の制御アイテムに関して、シグドはミラノからそう聞いていた。
本来ならば、あのクリスタルを見た瞬間にその使用を阻止すべきだったのだろう。
だけどシグドは理解していた、自分と敵との距離があまりにも開きすぎていたことを。青年がどんな行動をしようと、それが使われるのを事前に防ぐことは出来ないことを。
だから彼は、敵を押さえ付けるのではなく彼女を守ることを優先させた。
つんざくような悲鳴が耳を、そして天を衝く。
単純に性能だけで考えるならば、どんな紋章術相手にも引けを取らない〝音の紋章術〟は、クリスタルが発生させた隔離壁などたやすく破壊した。
解放され溢れ出た音の衝撃波は、何よりも先に彼女の傍にいる彼を襲う。
「ミラノ!」
片膝をつき、シグドは彼女の名を呼んだ。
衝撃波をもろに受けた体を、シグドは地面に刺した重剣を支えにすることで崩れ落ちるのを防ぐ。そんなことで倒れているわけにはいかないのだ。
背後でクロノたちが雪原に倒れる音が、そして『人魚姫の領域』が割れる音が聞こえた。
だが、今のシグドにはそれらを気にする余裕などなかった。
銀世界が消えていき、クロノたちが倒れた場所が雪上から崩れかけた建物へと姿を変える。
が、しばらくもしないうちに崩れかけの屋敷は完全に崩壊した。それら全てをやったのが、未だ響き続けるミラノの叫び声による紋章術なのは一目瞭然だろう。
「ミラ、ノ……っ」
支えにした重剣を頼りに、それに掴まるようにしながらシグドはふらふらと立ち上がる。
ただ鳴り渡っているだけの紋章術は、確かにある程度は有害であるが、結局はただ相手にダメージを与えるだけの衝撃波しか発生させない。
たかが攻撃、されど攻撃。
意図して照準を絞った攻撃ではないにしろ、音の紋章術は人体の外部と内部のどちらもに影響のある衝撃波を放つ。紋章術の暴走が収まるまで、彼女の魔力が枯渇するまで待っていたのでは衝撃波を受け続けた体が文字通り壊れてしまうだろう。身体が無事でも、クロノのように紋章術が使えなくなる可能性だってあるなわけで。
いや、それ以前に。
ミラノは『人魚姫』の鍵の片割れでもある。魔力の枯渇なんて訪れるのかどうかもわからないのだ。
「何で、起き上がれるの……?」
微かに聞こえた声の方へシグドが視線を向ければ、膝をついているだけですんでいるグラールの人間たちが見えた。いくらか距離があるおかげで受けた被害は比較的少なかったようだが、仕掛けた罠で自分たちもダメージを受けるなど自業自得も良いところだろう。
とは言え彼らを一瞥したシグドが思ったのは、橙色のツインテールに「この間の借り」という言葉を思い出し、やっぱり面倒事を手伝うんじゃなかった、と場違いな後悔ぐらいだったが。
「くっそ」
シグドが小さく漏らした舌打ちは何に対してのものだったのか。
事態を止められなかった自身か、事態を引き起こした聖杯の少女か、数日前の電話越しでの助太刀か。そのどれかに向けられた苛立ちは、どちらにしろ、この場に反響する声によって掻き消されたので、吐いた本人にも届いていなかった。
地面に刺した重剣を支えに立ち上がったシグドは、おもむろにもう一本の重剣を抜く。
そして、報復だと言わんばかりに、一瞥した視線の先へそれを投げて攻撃した。
迷いなく放たれた重剣は、真っ直ぐに橙色の少女へとその刃を突き刺そうとしている。
「っ?!」
目を見開いたカルナの目の前で鮮血が上がった。
だが、剣を投げた本人は結果を見届けるどころか、すでに攻撃したことすら忘れたかのようにその深紫の瞳を、今もなお叫び続ける彼女へと向けている。
「待ってろ、今、助けてやるから」
シグドが伸ばした腕が、ふらつきながらも、ミラノの肩に触れる。
ミラノが『人魚姫』の鍵の片割れと呼ばれるのは、『人魚姫』の鍵をシグドとミラノで共有しているからだ。それによりミラノが鍵の恩恵を授かれるわけだが、実は、共有した鍵を媒体に互いの魔力も共有している。……そもそも鍵と呼ばれる存在は、自身の魔力と鍵の魔力が連結しているので、その鍵自体を共有すればそういうことも起こるのだろう。互いに相手の紋章術を使えるわけではないのだが、魔力共鳴による紋章術の同調、つまり互いの紋章術を重ねた複合紋章術を放つことができるのだ。
だからこそ、魔力共鳴による紋章術の同調を逆手に取れば、シグドがミラノの代わりに彼女の紋章術が暴走しているのを止めることもできる。
触れた肩から溢れるように伝わってくるミラノの紋章術の振動を、シグドは『人魚姫』の鍵の魔力を通じて強制的に押さえつける。他人の紋章術を操るなど初めてのことだが、四の五の言ってられる状況ではない。
その間もミラノの咆哮は刃となってシグドを襲う。
シグドはクロノのように紋章術の器を破壊されることはない。だが、その分、体力や気力を削られていく。シグドの意識が朦朧としてきた頃だ。
「っ」
反響なのか残響なのか、判別できないその叫び声が、ピタリと止んだ。
力無く倒れてきたミラノの体をシグドは両手で抱き留める。小さく息を吐いた彼もまた、二人分の体を支えられるほどの体力に余裕などなく、そのまま勢いに任せて地面に倒れる。
木製の固い床に転がったシグドは視界の隅で、自身の剣が突き刺さる真っ赤に染まった白い布を確認する。殺し損ねたと物騒なことを考えたが、これ以上どうすることもできない。
朦朧とする意識が遠のく中で、微かに旧友が起きる気配を感じた。
その音波に〝ある存在〟の紋章術は強制的に共鳴し、持ち主の意思を無視して内部から力を爆発させる。
もちろん、その経過を一部始終観察する人間たちに害の無いよう、共鳴した音波と紋章術の波がぶつかる箇所に魔力遮断の隔離壁が発生するようになっている。
実験施設で使用されている対〝人工紋章術の使い手〟用の制御アイテムに関して、シグドはミラノからそう聞いていた。
本来ならば、あのクリスタルを見た瞬間にその使用を阻止すべきだったのだろう。
だけどシグドは理解していた、自分と敵との距離があまりにも開きすぎていたことを。青年がどんな行動をしようと、それが使われるのを事前に防ぐことは出来ないことを。
だから彼は、敵を押さえ付けるのではなく彼女を守ることを優先させた。
つんざくような悲鳴が耳を、そして天を衝く。
単純に性能だけで考えるならば、どんな紋章術相手にも引けを取らない〝音の紋章術〟は、クリスタルが発生させた隔離壁などたやすく破壊した。
解放され溢れ出た音の衝撃波は、何よりも先に彼女の傍にいる彼を襲う。
「ミラノ!」
片膝をつき、シグドは彼女の名を呼んだ。
衝撃波をもろに受けた体を、シグドは地面に刺した重剣を支えにすることで崩れ落ちるのを防ぐ。そんなことで倒れているわけにはいかないのだ。
背後でクロノたちが雪原に倒れる音が、そして『人魚姫の領域』が割れる音が聞こえた。
だが、今のシグドにはそれらを気にする余裕などなかった。
銀世界が消えていき、クロノたちが倒れた場所が雪上から崩れかけた建物へと姿を変える。
が、しばらくもしないうちに崩れかけの屋敷は完全に崩壊した。それら全てをやったのが、未だ響き続けるミラノの叫び声による紋章術なのは一目瞭然だろう。
「ミラ、ノ……っ」
支えにした重剣を頼りに、それに掴まるようにしながらシグドはふらふらと立ち上がる。
ただ鳴り渡っているだけの紋章術は、確かにある程度は有害であるが、結局はただ相手にダメージを与えるだけの衝撃波しか発生させない。
たかが攻撃、されど攻撃。
意図して照準を絞った攻撃ではないにしろ、音の紋章術は人体の外部と内部のどちらもに影響のある衝撃波を放つ。紋章術の暴走が収まるまで、彼女の魔力が枯渇するまで待っていたのでは衝撃波を受け続けた体が文字通り壊れてしまうだろう。身体が無事でも、クロノのように紋章術が使えなくなる可能性だってあるなわけで。
いや、それ以前に。
ミラノは『人魚姫』の鍵の片割れでもある。魔力の枯渇なんて訪れるのかどうかもわからないのだ。
「何で、起き上がれるの……?」
微かに聞こえた声の方へシグドが視線を向ければ、膝をついているだけですんでいるグラールの人間たちが見えた。いくらか距離があるおかげで受けた被害は比較的少なかったようだが、仕掛けた罠で自分たちもダメージを受けるなど自業自得も良いところだろう。
とは言え彼らを一瞥したシグドが思ったのは、橙色のツインテールに「この間の借り」という言葉を思い出し、やっぱり面倒事を手伝うんじゃなかった、と場違いな後悔ぐらいだったが。
「くっそ」
シグドが小さく漏らした舌打ちは何に対してのものだったのか。
事態を止められなかった自身か、事態を引き起こした聖杯の少女か、数日前の電話越しでの助太刀か。そのどれかに向けられた苛立ちは、どちらにしろ、この場に反響する声によって掻き消されたので、吐いた本人にも届いていなかった。
地面に刺した重剣を支えに立ち上がったシグドは、おもむろにもう一本の重剣を抜く。
そして、報復だと言わんばかりに、一瞥した視線の先へそれを投げて攻撃した。
迷いなく放たれた重剣は、真っ直ぐに橙色の少女へとその刃を突き刺そうとしている。
「っ?!」
目を見開いたカルナの目の前で鮮血が上がった。
だが、剣を投げた本人は結果を見届けるどころか、すでに攻撃したことすら忘れたかのようにその深紫の瞳を、今もなお叫び続ける彼女へと向けている。
「待ってろ、今、助けてやるから」
シグドが伸ばした腕が、ふらつきながらも、ミラノの肩に触れる。
ミラノが『人魚姫』の鍵の片割れと呼ばれるのは、『人魚姫』の鍵をシグドとミラノで共有しているからだ。それによりミラノが鍵の恩恵を授かれるわけだが、実は、共有した鍵を媒体に互いの魔力も共有している。……そもそも鍵と呼ばれる存在は、自身の魔力と鍵の魔力が連結しているので、その鍵自体を共有すればそういうことも起こるのだろう。互いに相手の紋章術を使えるわけではないのだが、魔力共鳴による紋章術の同調、つまり互いの紋章術を重ねた複合紋章術を放つことができるのだ。
だからこそ、魔力共鳴による紋章術の同調を逆手に取れば、シグドがミラノの代わりに彼女の紋章術が暴走しているのを止めることもできる。
触れた肩から溢れるように伝わってくるミラノの紋章術の振動を、シグドは『人魚姫』の鍵の魔力を通じて強制的に押さえつける。他人の紋章術を操るなど初めてのことだが、四の五の言ってられる状況ではない。
その間もミラノの咆哮は刃となってシグドを襲う。
シグドはクロノのように紋章術の器を破壊されることはない。だが、その分、体力や気力を削られていく。シグドの意識が朦朧としてきた頃だ。
「っ」
反響なのか残響なのか、判別できないその叫び声が、ピタリと止んだ。
力無く倒れてきたミラノの体をシグドは両手で抱き留める。小さく息を吐いた彼もまた、二人分の体を支えられるほどの体力に余裕などなく、そのまま勢いに任せて地面に倒れる。
木製の固い床に転がったシグドは視界の隅で、自身の剣が突き刺さる真っ赤に染まった白い布を確認する。殺し損ねたと物騒なことを考えたが、これ以上どうすることもできない。
朦朧とする意識が遠のく中で、微かに旧友が起きる気配を感じた。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
白き魔女と黄金の林檎
みみぞう
ファンタジー
【カクヨム・エブリスタで特集していただきました。カクヨムで先行完結】
https://kakuyomu.jp/works/16816927860645480806
「”火の魔女”を一週間以内に駆逐せよ」
それが審問官見習いアルヴィンに下された、最初の使命だった。
人の世に災いをもたらす魔女と、駆逐する使命を帯びた審問官。
連続殺焼事件を解決できなきれば、破門である。
先輩審問官達が、半年かかって解決できなかった事件を、果たして駆け出しの彼が解決できるのか――
悪しき魔女との戦いの中で、彼はやがて教会に蠢く闇と対峙する……!
不死をめぐる、ダークファンタジー!
※カクヨム・エブリスタ・なろうにも投稿しております。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる