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11話
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耳かき狂いのこの日常にも慣れてきた。というかスポーツが耳かきであること以外は今までの日常と変わらない。かつての部活仲間は娯楽部にいたことになっていた。マイナースポーツ研究会のようなものだったらしい。いつかはサッカーをしてみたいよなと、元部長が言っているのは中々名状し難い気持ちになった。
中学の友達も何人かは別の高校で耳かきの活動を始めてるらしい。男子プロが活発に活動していることで、高校も男子耳かきプレイヤーを求める声が高まっていると言っていた。
つまり、男同士の地獄のような耳かき戦もありえるということなのでは?
「実際どうなんですか?宮古先輩。」
「まあ、なくはないだろうけど、女性プレイヤーが男性プレイヤーと戦える時に、態々他の男に譲るってことはあんまりないんじゃない?」
「というと?」
「耳かきって、基本女子の世界だし。最近は減ったけど、男が入ってくるなんて生意気!って人は結構いるよ。後は身体接触が大きいから邪な目的で男狙いとかね。後輩は手段選ばない所あるからよりリスクあるかもね。気をつけた方がいいよ。」
んな馬鹿な。
「えぇ?じゃあ友梨奈先輩も?」
「あの子はただ、耳かき人口を増やして自分が好きなだけ耳かきできるようになりたいだけだよ。お前、友梨奈がモテたいとか男が耳かきなんて!って頭があるように見える?」
「・・・見えませんね。」
そして、宮古先輩は友梨奈先輩が好きなんだろうし。
「私もお前を態々いじめてやろうみたいなことは思ってないし。なにかと安全な環境だからな。大会始まるまでに覚悟だけはしといた方がいいと思うぞ。他所の学校が私達みたいに、お気楽組ばかりってわけじゃないから。」
なるほど・・・。やっぱりこの耳かき世界基準でも友梨奈先輩は変人なのか。いやそれよりも。
「でも言っても宮古先輩も僕のこといじめてましたよね?」
「あれは可愛がりだ。後輩ならだれでも先輩に可愛がられるもんだろ。」
それをいじめというのでは?
「まあ、わかりました。異性との試合になっても心乱さないで耳かきすることが重要なんですね?」
そう、重要なのはそこだ。自分が野郎の膝枕をしたりされたりするのは、異性にするのとは違った意味できつい。
「お前の場合はやりすぎて後で試合外でのトラブルにならんかの方が心配だけどな。」
「信用ないなぁ・・・最近は5分切りも安定して来たじゃないですか。」
耳かきはやっていると無意識に楽しんでしまうという指摘を受けてから、部活での練習でもタイムの意識をしながら取り組んでおり、友梨奈先輩にも宮古先輩にも5分切りが安定するようになっている。
「お前の場合は技術点がやや未知数なのがな。審査員によって重視するところは違うけど、大物をそのままとるとか、効率よくとるとか、相手を気持ち良くさせるとかは基本だ。けどやりすぎて、プレイヤーの尊厳まで奪うとやりすぎで失格なんてことになりかねない。ルールブックにも書いてあるだろ。」
「もちろん、それはわかってますけど・・・」
受け側の反応と審査員の組み合わせ次第でいくらでも変わるようなレッドカードを気にしても仕方ないのではなかろうか。
「お前は、耳かきでの相手の反応を楽しんでる。楽しめるってことはちゃんと見極める力はあるはずだ。相手の尊厳を破壊しない耳かきを心がけろよ。」
「はぁ。まあ。わかりました。・・・それより、友梨奈先輩遅いですね。」
「話逸らしたな・・・まあいいか。友梨奈は今日は予算会議だよ。今年は大会でるから予算たくさん取ってくるって張り切ってた。」
「あの人にそんな大事な会議ができるんですか・・・?」
「今まで問題になったことないし大丈夫でしょ。ウチは弱小になったとはいえ、耳かき部自体はメジャーな部活だし。予算おりないってことはないよ。」
そういって宮古先輩が退屈そうに体を伸ばした瞬間。
「みゃーちゃん!助けて!予算出さないって生徒会長が意地悪するの!!」
「誰が意地悪ですか!!あなた去年も実績出してなかったでしょう!」
幼児のように泣きながら宮古先輩にすがる部長と、メガネに長髪の女子が半ギレで友梨奈先輩に詰め寄っている。
ダメそうだった。
中学の友達も何人かは別の高校で耳かきの活動を始めてるらしい。男子プロが活発に活動していることで、高校も男子耳かきプレイヤーを求める声が高まっていると言っていた。
つまり、男同士の地獄のような耳かき戦もありえるということなのでは?
「実際どうなんですか?宮古先輩。」
「まあ、なくはないだろうけど、女性プレイヤーが男性プレイヤーと戦える時に、態々他の男に譲るってことはあんまりないんじゃない?」
「というと?」
「耳かきって、基本女子の世界だし。最近は減ったけど、男が入ってくるなんて生意気!って人は結構いるよ。後は身体接触が大きいから邪な目的で男狙いとかね。後輩は手段選ばない所あるからよりリスクあるかもね。気をつけた方がいいよ。」
んな馬鹿な。
「えぇ?じゃあ友梨奈先輩も?」
「あの子はただ、耳かき人口を増やして自分が好きなだけ耳かきできるようになりたいだけだよ。お前、友梨奈がモテたいとか男が耳かきなんて!って頭があるように見える?」
「・・・見えませんね。」
そして、宮古先輩は友梨奈先輩が好きなんだろうし。
「私もお前を態々いじめてやろうみたいなことは思ってないし。なにかと安全な環境だからな。大会始まるまでに覚悟だけはしといた方がいいと思うぞ。他所の学校が私達みたいに、お気楽組ばかりってわけじゃないから。」
なるほど・・・。やっぱりこの耳かき世界基準でも友梨奈先輩は変人なのか。いやそれよりも。
「でも言っても宮古先輩も僕のこといじめてましたよね?」
「あれは可愛がりだ。後輩ならだれでも先輩に可愛がられるもんだろ。」
それをいじめというのでは?
「まあ、わかりました。異性との試合になっても心乱さないで耳かきすることが重要なんですね?」
そう、重要なのはそこだ。自分が野郎の膝枕をしたりされたりするのは、異性にするのとは違った意味できつい。
「お前の場合はやりすぎて後で試合外でのトラブルにならんかの方が心配だけどな。」
「信用ないなぁ・・・最近は5分切りも安定して来たじゃないですか。」
耳かきはやっていると無意識に楽しんでしまうという指摘を受けてから、部活での練習でもタイムの意識をしながら取り組んでおり、友梨奈先輩にも宮古先輩にも5分切りが安定するようになっている。
「お前の場合は技術点がやや未知数なのがな。審査員によって重視するところは違うけど、大物をそのままとるとか、効率よくとるとか、相手を気持ち良くさせるとかは基本だ。けどやりすぎて、プレイヤーの尊厳まで奪うとやりすぎで失格なんてことになりかねない。ルールブックにも書いてあるだろ。」
「もちろん、それはわかってますけど・・・」
受け側の反応と審査員の組み合わせ次第でいくらでも変わるようなレッドカードを気にしても仕方ないのではなかろうか。
「お前は、耳かきでの相手の反応を楽しんでる。楽しめるってことはちゃんと見極める力はあるはずだ。相手の尊厳を破壊しない耳かきを心がけろよ。」
「はぁ。まあ。わかりました。・・・それより、友梨奈先輩遅いですね。」
「話逸らしたな・・・まあいいか。友梨奈は今日は予算会議だよ。今年は大会でるから予算たくさん取ってくるって張り切ってた。」
「あの人にそんな大事な会議ができるんですか・・・?」
「今まで問題になったことないし大丈夫でしょ。ウチは弱小になったとはいえ、耳かき部自体はメジャーな部活だし。予算おりないってことはないよ。」
そういって宮古先輩が退屈そうに体を伸ばした瞬間。
「みゃーちゃん!助けて!予算出さないって生徒会長が意地悪するの!!」
「誰が意地悪ですか!!あなた去年も実績出してなかったでしょう!」
幼児のように泣きながら宮古先輩にすがる部長と、メガネに長髪の女子が半ギレで友梨奈先輩に詰め寄っている。
ダメそうだった。
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