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食事は…※       (ベルside)

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 私はクレマ様に一線を引いたつもりになっていた。あの日から……私が男達に抱かれるのをクレマ様にわざと見させた日から。そう、あれはクレマ様に仕掛けた罠だった。
 そして、私にとってもそれは試練になった。本当は怖かった。クレマ様に蔑まれるようになって、クレマ様が私を専属から外す可能性もあったからだ。

 …………それでも、私はクレマ様を信じてもいた。私はクレマ様が幼少の時から側で使えていた使用人だ。クレマ様も、私の食事風景を少しは受け入れてくれると自身に言い聞かせながら男達に抱かれていた。
 そして、クレマ様が扉越しに部屋の中を、私の食事を覗いてるのが分かった。
クレマ様と目があった瞬間、私はクレマ様に対して…誤魔化しながら言葉を呟いた。クレマ様からしたら私を抱いてる男に言ったように見えただろう。もちろん、そう見えるように私がしたのだから…当たり前だ。


 「愛してる…__________」


 これで、本当にクレマ様に軽蔑されて一生後悔することがあっても…私は、思い残すことなんてない。
 私はクレマ様のことを愛している。その愛にはいろんな私のクレマ様に対する感情が渦巻いて愛という感情の一括りになってしまった。
 



弟のような家族としての慈愛・親愛



守り育てる者としての愛護



私の主人としての敬愛



 そして、いつしか、その中には含まれてはいけない愛も生まれてしまう……。それをまだ私は知らない。




私はクレマ様が扉の前から慌てて走り去るのを眺めながら笑う。


(少し、刺激が強すぎたかもしれない…)


 まだ子供のクレマ様に私が見せた光景は性的虐待になるかもしれない。それを分かっていながら私はクレマ様が幼いうちに私の醜さを分かってほしくて…我慢できずに食事風景を見せてしまった。幼いうちは受け入れやすい…私はもしかしたらクレマ様に穢れきった私を受け入れて貰いたかったのかもしれない。
 
 私は私の醜さを、本当の醜さをこの時知ってしまった。






 結局、私の食事はクレマ様に受け入れられた。そして、クレマ様に距離を取ってもらうはずの罠だったのに…その罠は真逆に作用してしまった。


罠にかけられたのは醜い穢れた私だったのかもしれない。







____________________________________


私は、迷子のような顔をして私の胸の中に飛び込むのを我慢しているクレマ様に微笑む。
 すると、クレマ様は迷いを捨てたような真剣な顔をした。




「…ベルの食事は僕がさせる」




「………………それは、どういう意味でしょうか」



 クレマ様がズボンのベルトを音を立てながら外していく。その行動に驚いて目を見開いていると、クレマ様が私にクレマ様の生殖器を勃たせ見せてきた。
 クレマ様の生殖器から垂れる先走りの匂いが私の喉を鳴らしてしまう。紛らわしていたはずの空腹感が蘇ってくる。

そんな喉を鳴らしてしまう私にクレマ様が笑って言う。



「今までは僕から直に食事してこなかったよね? いいよ、僕の性器から直接精液を吸って食べても…ベルの為ならいくらでもイッてあげる。それなら、さっきの食事も断ったかいがあったってものでしょ?」




 いつもは私を無視して無理やり生殖器を触らせてこないクレマ様が、私の手を掴み近くの椅子に私を座らせる。そして、私の目の前にはクレマ様の生殖器がくる。



「なッ、何を!?」




「…ん? ベルに食事させようとしてるんだよ」




 クレマ様は身長がだいぶ伸びた…今では私の身長をもう少しでこしてしまうくらいに。
 椅子に座ったことでクレマ様に見下げられる形になる。そのままクレマ様が私の手を掴み、クレマ様の生殖器に私の手をかけさせ上下に動かさせる。



「…はぁ…ッ」



 クレマ様が私の顔の目の前で生殖器を私の手に触らせて自慰行為する。そして、私の唇にその固くなった生殖器をつけてくる。



「…舐めて? お腹空いてるんでしょ」




 私はクレマ様に生殖器を唇に押し当てられることで、唇にクレマ様の先走りがついてしまったのを感じてしまう。そのことに我慢が出来なくなり唇を少しずつ開けてしまう。クレマ様もそれを見逃さず私の口の中に生殖器を押し込んできた。
 私はこの時、初めてクレマ様の生殖器を直接的に舐め取った。

クレマ様は初めて人の口の中に生殖器を入れるのか、力任せに私の喉奥に生殖器を押し当てる。生殖器を舐め慣れてる私でなかったら今頃むせて吐いていただろう。
 私はクレマ様の生殖器を舐めながらクレマ様の顔を見上げる。


「ッ…んッ……」


 すると、私と目があった瞬間クレマ様は私の喉奥に精液を浴びせた。
私はクレマ様の精液を零さぬように一気に飲み込む。喉に当たる精液が心地よい…、クレマ様の生殖器は私を気持ちよく感じさせてくる。そのせいで、私の生殖器も勃ちそうになる。いつもは制御できるのに、この時ばかりは私の言う事を聞かなかった。だから、私はクレマ様に気づかれないように腰を低くし隠す。
 クレマ様はイくことが気持ち良いのか私の行動に気づいていない。私も、そのままクレマ様の生殖器を綺麗に舌で舐め取る。



「……美味しい?」




クレマ様のその言葉に私は頷く。
 本当にクレマ様の精液は他の者達と違って、それ以上に美味しく感じさせた。そのせいで最近は、クレマ様の味に慣れてしまって他の者達にイマラチオはしてなかった。
 そして、クレマ様の自慰行為を手伝うようになってからは、なるべく抱かれることもしなくなった。

 クレマ様の精液を少しばかり分けてもらったことで、それだけで少しは抱かれずに生き延びられたからだ。そして、少しの不健康さを補ってくれたのは他でもないコリウスだった。

コリウスにクレマ様が嫉妬してしまったことは誤算だった。このクレマ様の行動は、コリウスに挑発されたのだと推測できる。
 コリウスにはいつも辞めろと言っていたのに、それも聞かず「食事」と必ずクレマ様の前で私の耳元で囁いていた。

なのに、今日はクレマ様に聞こえる声で私を食事に誘った…。


本当に私の思い通りに事は進まない。
 精液を舐め取りながら私はクレマ様の少し赤らんだ顔を見上げる。クレマ様も私を見下げている。

その瞳は、私の考えをも見透かしているようだった。
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