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第4話
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先ほど酒場に居た男が一人、ともすれば荒くなる息を殺してじっとその穴の向こうを凝視していた。
男が出せる金ではこんな時間でしか、この場所に入る権利を買えなかった。一番楽しめそうな時間は、女主人によって途方もない金額に吊り上げられていたのだ。
「ちくしょう、あのババァ、足元見やがって!」
男の口から思わず小さな声が漏れ出てしまった。
バスルームの鏡を見ながら、解いた髪を整えていたメイドがその瞬間、怪訝な顔で振り返った。
男は思わず自身の口を両手で押さえた。
ドクンドクン、自分の心臓の音が妙に大きく感じた。出来れば無遠慮に音を立てる心臓も止めてしまいたいと男は思った。
「ああ、若旦旦那様の声ですね」
メイドは自身を納得させるかのようにそう呟くと、また鏡に向かって艶やかな黒髪にブラシを通し始めた。
それを見て男は胸を撫でおろした。
ここでメイドに騒がれでもしたら完全にアウトだった。メイドに間違いなくこの覗き部屋の事を勘づかれる。例えそうなってもあの女将なら、メイドやあの若い商人を口先三寸で巧い事誤魔化してしまうだろう。ただ、そんなミスを犯した自分は女将だけじゃなく、この部屋の愛用者全員……すなわちこの街の男達全員から後で酷い私刑にかけられる事はまず間違いなかった。
男はゆっくり、そして音が漏れない様に細心の注意をしながら深呼吸をして心臓の高鳴りを押さえた。
出来ればあのメイドの入浴時間を買って、あの珍しい黒い瞳に黒髪と言う女の裸体を堪能したかった。そして出来ればあの奇妙な仮面に隠された素顔も。しかし、メイドはバスルームに入っても仮面を外さなかったし、服も脱ぐことはなかった。今はここまでが限界と男は割り切り、メイドの後ろ姿を見て妄想を膨らまながら自慰でもして元を取ろうと男がズボンを下ろし始めたその時だった。
メイドがそのロングスカートの裾をいきなり引き上げたのだ。
一度は落ち着きかけた男の心臓がまた口から飛び出そうなほど鼓動を速めた。同時に股間に垂れていたモノがいきなりビクンと天を向いて立ち上がった。
引き上げられたスカートの下、黒いストッキングに包まれた美しい曲線を描くメイドの長い脚が男の目に飛び込んで来た。メイドは片足をバスタブに乗せると編み上げブーツの紐をほどき始めた。そしてそのままメイドはブーツを脱ぐと、もう片方のブーツも同じ様にして脱いだ。
男はほとんど無意識に自身のモノをゆっくりしごき始めていた。
ブーツを脱いだメイドは、自身が履くストッキングをなぞる様に自分の手をさらに上へと滑らせた。メイドに手に引きずられる様にしてスカートの裾もずり上がる。するとすぐに素晴らしく引き締まった太ももが露わになった。男にはストッキングを吊る黒いレースの紐までもが妙に艶めかしく思えた。
メイドはそのままその手をストッキングの一番上まで滑らせると、慣れた手つきでストッキングを吊っていた紐の金具を外した。そして、履いていたストッキングをするりと引き下ろして脱いでしまった。メイドの素足は普段見慣れた娼婦たちの足より、少し黄色がかっている様だった。それでもその黒髪と黒いロングドレスとの対比で眩しい程に白く見えた。いや、ともすれば青い血管や染みが目立つここの女どもの白さより、少しクリーム色がかったこのメイドの肌の方が美しいと男には思えた。実際、触る事は出来ないが、そのきめの細かさと触り心地は見るからにこのメイドの方が上だった。
メイドは、棚に置いてあった新しいストッキングを手に取ると、今度は器用にそれに足を通してすぅっと上まで引き上げていった。先ほどのストッキングは厚手の物だったが、今メイドが履き替えているのは白色で肌が透けるほど薄手の物だった。
メイドはおもむろにもう片方のストッキングも履き替え始めた。男は無意識の内に自身のモノに添えた手の動きを速めていた。ちょうど角度が良かったのかバスタブに掛けたメイドの足の間から黒いレースの下着までちらりと見えた。
男が出せる金ではこんな時間でしか、この場所に入る権利を買えなかった。一番楽しめそうな時間は、女主人によって途方もない金額に吊り上げられていたのだ。
「ちくしょう、あのババァ、足元見やがって!」
男の口から思わず小さな声が漏れ出てしまった。
バスルームの鏡を見ながら、解いた髪を整えていたメイドがその瞬間、怪訝な顔で振り返った。
男は思わず自身の口を両手で押さえた。
ドクンドクン、自分の心臓の音が妙に大きく感じた。出来れば無遠慮に音を立てる心臓も止めてしまいたいと男は思った。
「ああ、若旦旦那様の声ですね」
メイドは自身を納得させるかのようにそう呟くと、また鏡に向かって艶やかな黒髪にブラシを通し始めた。
それを見て男は胸を撫でおろした。
ここでメイドに騒がれでもしたら完全にアウトだった。メイドに間違いなくこの覗き部屋の事を勘づかれる。例えそうなってもあの女将なら、メイドやあの若い商人を口先三寸で巧い事誤魔化してしまうだろう。ただ、そんなミスを犯した自分は女将だけじゃなく、この部屋の愛用者全員……すなわちこの街の男達全員から後で酷い私刑にかけられる事はまず間違いなかった。
男はゆっくり、そして音が漏れない様に細心の注意をしながら深呼吸をして心臓の高鳴りを押さえた。
出来ればあのメイドの入浴時間を買って、あの珍しい黒い瞳に黒髪と言う女の裸体を堪能したかった。そして出来ればあの奇妙な仮面に隠された素顔も。しかし、メイドはバスルームに入っても仮面を外さなかったし、服も脱ぐことはなかった。今はここまでが限界と男は割り切り、メイドの後ろ姿を見て妄想を膨らまながら自慰でもして元を取ろうと男がズボンを下ろし始めたその時だった。
メイドがそのロングスカートの裾をいきなり引き上げたのだ。
一度は落ち着きかけた男の心臓がまた口から飛び出そうなほど鼓動を速めた。同時に股間に垂れていたモノがいきなりビクンと天を向いて立ち上がった。
引き上げられたスカートの下、黒いストッキングに包まれた美しい曲線を描くメイドの長い脚が男の目に飛び込んで来た。メイドは片足をバスタブに乗せると編み上げブーツの紐をほどき始めた。そしてそのままメイドはブーツを脱ぐと、もう片方のブーツも同じ様にして脱いだ。
男はほとんど無意識に自身のモノをゆっくりしごき始めていた。
ブーツを脱いだメイドは、自身が履くストッキングをなぞる様に自分の手をさらに上へと滑らせた。メイドに手に引きずられる様にしてスカートの裾もずり上がる。するとすぐに素晴らしく引き締まった太ももが露わになった。男にはストッキングを吊る黒いレースの紐までもが妙に艶めかしく思えた。
メイドはそのままその手をストッキングの一番上まで滑らせると、慣れた手つきでストッキングを吊っていた紐の金具を外した。そして、履いていたストッキングをするりと引き下ろして脱いでしまった。メイドの素足は普段見慣れた娼婦たちの足より、少し黄色がかっている様だった。それでもその黒髪と黒いロングドレスとの対比で眩しい程に白く見えた。いや、ともすれば青い血管や染みが目立つここの女どもの白さより、少しクリーム色がかったこのメイドの肌の方が美しいと男には思えた。実際、触る事は出来ないが、そのきめの細かさと触り心地は見るからにこのメイドの方が上だった。
メイドは、棚に置いてあった新しいストッキングを手に取ると、今度は器用にそれに足を通してすぅっと上まで引き上げていった。先ほどのストッキングは厚手の物だったが、今メイドが履き替えているのは白色で肌が透けるほど薄手の物だった。
メイドはおもむろにもう片方のストッキングも履き替え始めた。男は無意識の内に自身のモノに添えた手の動きを速めていた。ちょうど角度が良かったのかバスタブに掛けたメイドの足の間から黒いレースの下着までちらりと見えた。
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