75 / 136
その笑顔の裏側には(2)
しおりを挟む
講演会場には巨大なスクリーンに映し出された資料が見えるようにズラっと並べられた長テーブルと椅子は何百席もあった。
全国から大小問わずIT企業のエンジニアやプログラマーたちが集まるため、これ程の規模になるんだろう。
「すごい大掛かりなんですね」
「まぁ年に1回の講演会だしな。かなり力入れてるんだろ」
「私たちの席は⋯⋯」
前から数えた方が近い場所に私たちは3人の席が設けられていた。
今日は講演会がメインとなっており、明日は情報交換がメインの立食パーティーがあるらしい。
席に座ってそれぞれパソコン開き、講演会が始まるまでじっと待つ。
するとぞろぞろと私たちの前に2人の男女が姿を現した。
「───これはこれはforefrontの皆さんじゃないか」
高級そうなスーツに身を包み、綺麗にまとめられた髪は所々白髪が混じっているがそれさえもオシャレに見えるくらい、貫禄がある男性だった。
私たちを見下ろすその視線は冷たく、嘲笑われているような気がして居心地が悪い。
「これは、どうも。お元気そうで何よりです」
「笠井くんも元気そうだな」
40代後半くらいのその男性と対峙する笠井さんはどこかピリッとしていて空気がだんだんと重くなっていくのが分かる。
私の隣に座る横山くんはずっと顔を俯かせたまま、一向に上げようとしない。
その態度こそがこの人物が横山くんの父親であることを表していた。
この人が横山くんのお父さんであり、forefrontと並ぶ大手企業であるevolveのIT部門の統括リーダーをしている男性だ。
「久しぶりだな蓮。父親に挨拶くらいしたらどうだ?」
「⋯⋯⋯」
「なんだ、話すこともできなくなったのか?」
「⋯久しぶりです」
「うちに来ずにただの平社員で働く気分はどうだ?蓮」
「⋯⋯⋯」
言葉の節々からトゲトゲしさを感じて、それを私に向けられているわけでもないのにすごく心が痛い。
直接的に向けられている横山くんは今どんな気持ちでいるんだろう。
考えるだけで胸が痛くなる。
それを察した笠井さんは横山くんを庇うように言葉を続けた。
「横山はよくやってくれてますよ。うちの優秀なエンジニアです」
「いやいや、こいつは父親の言うこともろくに聞けない愚息だよ」
そのセリフを聞いた瞬間、私の中で何かが切れるような音がした。
勢いよく立ち上がろうとする私を制したのは笠井さんだ。
私の腕を掴んで力を入れられたため、私は立ち上がることを許されなかった。
驚いて笠井さんの方を見るが、彼は横山さんを真っ直ぐ見つめたまま視線を逸らさない。
「こちらの社員のことをあまり悪く言わないでいただけませんかね。我々とあなた方は別の会社の人間なんです。こちらはこちらでうまくやっているので」
「⋯⋯俺はいずれこいつをforefrontから辞めさせるつもりだ。せいぜいそれまで頼みますよ」
「残念ですが横山は必要な人材ですので、辞めさせる訳にはいかないですよ横山さん」
「まぁいい。そういえば遅くなりましたが紹介します。うちのエンジニアの安井だ」
ずっと黙っていた女性が口を開いた。
パッチリとした二重の瞳はニコリと和らげられ、胸下ほどの綺麗な黒髪は巻かれており、前髪をかき上げるその姿はとても綺麗な女性だ。
「安井美鈴です。よろしくお願いします」
「そちらの女性は?」
「百瀬陽葵です。エンジニアをしています」
「陽葵⋯⋯⋯?」
「はい。あの⋯何か?」
「⋯いえ、なんでもありません。可愛らしい名前だなと思っただけです」
そう言って安井さんは誰もが見惚れてしまうような綺麗な笑みを浮かべた。
美人な人、とはこういう人を言うんだろう。
安井さんの浮かべる笑顔がどこか張り付いているようにも見え、それが少しだけ怖いと思った。
少しだけ居心地が悪い気がして顔を俯かせる。
それから私たちはそれぞれの席に着いて講演会に参加した。
お昼休憩を挟んで講演会は順調に進んでいく。
講演会の間はとても穏やかだった。
先程までのピリッとした時間がまるで嘘のように何事も無かったかのように。
だけどさっきの会話を私は鮮明に覚えている。
巨大なスクリーンに映し出された資料をパソコンにメモしながらも、頭の中ではその会話を思い出してしまっていた。
横山くんを辞めさせようとしている事実や本当に父親なのかと疑いたくなるくらい、冷たい目を横山くんに向けているその表情。
隣で後輩が刃物のような言葉を向けられているというのに私は何も言い返せなかった。
それを私も含めて丸ごと守ってくれのは上司である笠井さんだ。
まだまだ自分が頼りないことを突きつけられた気がする。
「今日の夜、飲みに付き合え2人とも」
「えぇ突然ですね」
「いいだろ別に。付き合え」
「僕行きます。今日は飲みたい気分です!」
珍しく横山くんが前のめりだったのが嬉しかったのか笠井さんは口角を上げて笑う。
これは私も参加せざるを得ない状況になったようで、私たちは3人で飲みに行くことになった。
飲みに行く前に理玖くんに一言入れておこうと思う。
どうせまた駄々をこねられるのは目に見えて分かるが、言わないともっと大変なことになりそうだし。
***
『もしもし陽葵ちゃん!講演会お疲れ様!!』
「ありがと。そっちはどう?」
『仕事は問題ないよ。でも陽葵ちゃんいないからすげー寂しい。早く帰ってきて欲しい』
「明日には帰るから待っててね」
『待ってる。これから圭哉と横山くんとご飯?』
「うん。ちょっといろいろあって、横山くんが飲みたい気分なんだって」
講演会を終えて1度部屋に戻ってきた私は夜ご飯の前に連絡を入れていた。
すると聞き慣れた理玖くんの愛おしい声が聞こえてきて、不思議と安心する。
理玖くんの声を聞くだけでホッとする事ができるなんてまるで魔法使いのようだ。
私自身も声を聞いてしまうと早く会いたいと思えてきた。
「明日も早いからお酒は飲まないつもり。美味しいご飯だけ食べてくるね」
『お酒飲まないのは俺のため?』
「ふふっそうだよ理玖くんがすぐ心配するから」
『陽葵ちゃんのそういうとこ好きだな』
束の間の理玖くんとの会話を楽しんだ私は名残惜しそうにしながらも理玖くんとの電話を切る。
ロビーにはきっと笠井さんたちが待っているだろう。
全国から大小問わずIT企業のエンジニアやプログラマーたちが集まるため、これ程の規模になるんだろう。
「すごい大掛かりなんですね」
「まぁ年に1回の講演会だしな。かなり力入れてるんだろ」
「私たちの席は⋯⋯」
前から数えた方が近い場所に私たちは3人の席が設けられていた。
今日は講演会がメインとなっており、明日は情報交換がメインの立食パーティーがあるらしい。
席に座ってそれぞれパソコン開き、講演会が始まるまでじっと待つ。
するとぞろぞろと私たちの前に2人の男女が姿を現した。
「───これはこれはforefrontの皆さんじゃないか」
高級そうなスーツに身を包み、綺麗にまとめられた髪は所々白髪が混じっているがそれさえもオシャレに見えるくらい、貫禄がある男性だった。
私たちを見下ろすその視線は冷たく、嘲笑われているような気がして居心地が悪い。
「これは、どうも。お元気そうで何よりです」
「笠井くんも元気そうだな」
40代後半くらいのその男性と対峙する笠井さんはどこかピリッとしていて空気がだんだんと重くなっていくのが分かる。
私の隣に座る横山くんはずっと顔を俯かせたまま、一向に上げようとしない。
その態度こそがこの人物が横山くんの父親であることを表していた。
この人が横山くんのお父さんであり、forefrontと並ぶ大手企業であるevolveのIT部門の統括リーダーをしている男性だ。
「久しぶりだな蓮。父親に挨拶くらいしたらどうだ?」
「⋯⋯⋯」
「なんだ、話すこともできなくなったのか?」
「⋯久しぶりです」
「うちに来ずにただの平社員で働く気分はどうだ?蓮」
「⋯⋯⋯」
言葉の節々からトゲトゲしさを感じて、それを私に向けられているわけでもないのにすごく心が痛い。
直接的に向けられている横山くんは今どんな気持ちでいるんだろう。
考えるだけで胸が痛くなる。
それを察した笠井さんは横山くんを庇うように言葉を続けた。
「横山はよくやってくれてますよ。うちの優秀なエンジニアです」
「いやいや、こいつは父親の言うこともろくに聞けない愚息だよ」
そのセリフを聞いた瞬間、私の中で何かが切れるような音がした。
勢いよく立ち上がろうとする私を制したのは笠井さんだ。
私の腕を掴んで力を入れられたため、私は立ち上がることを許されなかった。
驚いて笠井さんの方を見るが、彼は横山さんを真っ直ぐ見つめたまま視線を逸らさない。
「こちらの社員のことをあまり悪く言わないでいただけませんかね。我々とあなた方は別の会社の人間なんです。こちらはこちらでうまくやっているので」
「⋯⋯俺はいずれこいつをforefrontから辞めさせるつもりだ。せいぜいそれまで頼みますよ」
「残念ですが横山は必要な人材ですので、辞めさせる訳にはいかないですよ横山さん」
「まぁいい。そういえば遅くなりましたが紹介します。うちのエンジニアの安井だ」
ずっと黙っていた女性が口を開いた。
パッチリとした二重の瞳はニコリと和らげられ、胸下ほどの綺麗な黒髪は巻かれており、前髪をかき上げるその姿はとても綺麗な女性だ。
「安井美鈴です。よろしくお願いします」
「そちらの女性は?」
「百瀬陽葵です。エンジニアをしています」
「陽葵⋯⋯⋯?」
「はい。あの⋯何か?」
「⋯いえ、なんでもありません。可愛らしい名前だなと思っただけです」
そう言って安井さんは誰もが見惚れてしまうような綺麗な笑みを浮かべた。
美人な人、とはこういう人を言うんだろう。
安井さんの浮かべる笑顔がどこか張り付いているようにも見え、それが少しだけ怖いと思った。
少しだけ居心地が悪い気がして顔を俯かせる。
それから私たちはそれぞれの席に着いて講演会に参加した。
お昼休憩を挟んで講演会は順調に進んでいく。
講演会の間はとても穏やかだった。
先程までのピリッとした時間がまるで嘘のように何事も無かったかのように。
だけどさっきの会話を私は鮮明に覚えている。
巨大なスクリーンに映し出された資料をパソコンにメモしながらも、頭の中ではその会話を思い出してしまっていた。
横山くんを辞めさせようとしている事実や本当に父親なのかと疑いたくなるくらい、冷たい目を横山くんに向けているその表情。
隣で後輩が刃物のような言葉を向けられているというのに私は何も言い返せなかった。
それを私も含めて丸ごと守ってくれのは上司である笠井さんだ。
まだまだ自分が頼りないことを突きつけられた気がする。
「今日の夜、飲みに付き合え2人とも」
「えぇ突然ですね」
「いいだろ別に。付き合え」
「僕行きます。今日は飲みたい気分です!」
珍しく横山くんが前のめりだったのが嬉しかったのか笠井さんは口角を上げて笑う。
これは私も参加せざるを得ない状況になったようで、私たちは3人で飲みに行くことになった。
飲みに行く前に理玖くんに一言入れておこうと思う。
どうせまた駄々をこねられるのは目に見えて分かるが、言わないともっと大変なことになりそうだし。
***
『もしもし陽葵ちゃん!講演会お疲れ様!!』
「ありがと。そっちはどう?」
『仕事は問題ないよ。でも陽葵ちゃんいないからすげー寂しい。早く帰ってきて欲しい』
「明日には帰るから待っててね」
『待ってる。これから圭哉と横山くんとご飯?』
「うん。ちょっといろいろあって、横山くんが飲みたい気分なんだって」
講演会を終えて1度部屋に戻ってきた私は夜ご飯の前に連絡を入れていた。
すると聞き慣れた理玖くんの愛おしい声が聞こえてきて、不思議と安心する。
理玖くんの声を聞くだけでホッとする事ができるなんてまるで魔法使いのようだ。
私自身も声を聞いてしまうと早く会いたいと思えてきた。
「明日も早いからお酒は飲まないつもり。美味しいご飯だけ食べてくるね」
『お酒飲まないのは俺のため?』
「ふふっそうだよ理玖くんがすぐ心配するから」
『陽葵ちゃんのそういうとこ好きだな』
束の間の理玖くんとの会話を楽しんだ私は名残惜しそうにしながらも理玖くんとの電話を切る。
ロビーにはきっと笠井さんたちが待っているだろう。
4
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる