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【特別編】陽葵と理玖〜運命の日〜(2)
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「陽葵ちゃんは座ってていいよ。俺がご飯作るから待ってて」
「私も手伝うよ。理玖くんだってお仕事疲れてるでしょ?」
「いーの。俺がやりたいの。甘やかしたいから座ってて」
そう言ってソファまで連れてこられるとそのままポスッと座らされる。
キッチンに戻る理玖くんの背中を見つめると私の心はギューッと締め付けられた。
1度溢れ出した黒い感情はどんどん私を支配し、とめどなく流れ出てくる。
いつか私に向けられるこの優しさも何もかも誰かに取られてしまうんじゃないかと考えてしまった。
だけど大好きな理玖くんに振られるなんて辛すぎて受け入れられない。
それなら自分が傷つく前に、自分から身を引くべきだ。
(ごめん理玖くん⋯⋯弱くて、ごめん)
押しとどめた感情の逃げ場を失った私は相談することなく1人で答えを出してしまい、ある決意をした私は最後の時間まで幸せな思い出にしようとご飯を作る理玖くんの背中を見つめた。
しばらくするとキッチンからはいい匂いが漂ってくる。
「理玖くん。今日の夜ご飯なにー?」
「ナポリタンだよ。もうすぐできるからいい子にしてて」
子供扱いされている気もするが、理玖くんはいつもこんな調子だ。
とことん私を甘やかすなんでもできる彼氏だった。
「さてと陽葵ちゃん、できたよ。お待たせ」
「すっごい美味しそう。ありがとう」
いい匂いのナポリタンとスープ、そしてサラダというバランスのいい夕食をいとも簡単に作ってくれた理玖くん。
なんでもできる彼は本当に欠点がないと思えるくらい完璧な彼氏だ。
そんな彼を真っ直ぐ見つめナポリタンを頬張りながら他愛もない話を繰り返す。
理玖くんはいつも私の話もちゃんと聞いてくれる。
大学でどんなことがあったのか、どんなことを今はしているのか。
会えない時間を埋めるように理玖くんは私の全部を知ろうとしてくれていた。
「ねえ陽葵ちゃん。なんか言いたいことあるんだよね?」
「え⋯っ?」
「最近ずっと陽葵ちゃんの様子おかしいから。何かあるなら言って欲しい」
「⋯⋯⋯」
理玖くんには全てがお見通しのようだ。
私が必死に隠していた感情も全部理玖くんには筒抜けになっていたのかもしれない。
それなら話は早い。
私が抱えている感情を理玖くんにぶつけてしまえば、きっと私は楽になる。
学生らしい浅はかな考えだ。
「理玖くん。別れて欲しいの」
「⋯⋯どうして?」
「⋯理玖くんと一緒にいると自分が、嫌になるから」
これは嘘ではないけど本当の理由は言えない。
理玖くんに嫉妬をぶつける勇気もなくて、大人になっていく理玖くんにめんどくさい彼女だと思われたくなくて言わないだけだ。
大人の女性に囲まれる理玖くんが私を見なくなるかもしれない不安や別れを告げられる恐怖を自分から逃げることで解放されようとしている。
本当の私は卑怯で子供っぽいんだ。
「俺は別れたくないよ。陽葵ちゃんのこと好きだもん」
「⋯⋯でも私は理玖くんと一緒にいると、自分がどんどん嫌になっていく」
「俺に出来ることはないの?別れるしか選択肢はない?」
「⋯⋯うん」
まだ子供だった私にはそれ以外の選択肢がなくて、素直に気持ちをぶつけられるほど余裕もなかった。
しばらく黙り込み、時折唇を噛み締めたり眉間に皺を寄せたりしながら理玖くんはいろんなことを考えているようだ。
長考の末、理玖くんは泣きそうな顔で私を見つめて、小さく分かった、と呟いた。
たったその一言だけで私たちの2年間は終わりを迎える。
重たくなった空気に耐えられなくなった私は準備してくれたご飯を綺麗に食べ終えてキッチンへと運んだ。
そして楽しい夜を過ごすはずだった私は、理玖くんに背を向けて部屋を出ようとする。
「そんなすぐ帰るの?」
「うん。別れたのに、ここに長くいちゃダメだと思う」
「送ってくから、待ってて」
「いいよ、大丈夫」
「俺が大丈夫じゃない。振られたって俺は陽葵ちゃんのこと好きだし、1人で帰すなんて危ないからできないよ」
こんな時にまで優しい理玖くんはずるい。
もう1度彼の胸に飛び込みたくなってしまう。
だけど全身の理性を働かせ、私たちは静かに家を出た。
駅に着いてしまえばもう私たちが会うことはないだろう。
そう思うと理玖くんと付き合っていた2年間の日々の幸せが一気に走馬灯のように頭を流れた。
どの思い出も幸せで最高に楽しかったのに。
「ねえ陽葵ちゃん。俺たち、本当に終わりなの?」
「⋯⋯うん。別れるよ」
「俺はこんなにも陽葵ちゃんのことが好きなのに?」
「⋯⋯⋯」
駅に近づくに連れて理玖くんの足取りは重くなる。
まるで帰したくないと行動で表しているようだった。
「最後に聞かせて欲しいんだけど、俺のこと嫌いになって別れたくなったの?」
「それは違うよ。嫌いになんかなってない」
「⋯⋯⋯そっか」
「私がただ弱かっただけ。理玖くんは何も悪くないよ。私と付き合ってくれてありがとう」
今にも泣き出しそうな理玖くんの顔を見るとギュッと心臓が掴まれる。
嫌いになんかなってない、今だってこんなにも好きだ。
だけどどんどん醜い感情が大きくなって、いつか理玖くんを傷つけてしまうんじゃないかと思うとそれも怖くなる。
だったら自分から去った方が誰も傷つかない。
「先に帰って。理玖くん」
「やだ。陽葵ちゃんを見送る」
「ううん、最後くらい見送らせて欲しい」
そう言うと理玖くんは何かを言いかけた唇を噛み締め、小さく息を吐いてまたね、と呟いた。
私はそれに何も返さずただ笑みを浮かべて彼の背中を見送る。
私よりも身長も高く身体も大きいはずなのに、私に背を向ける理玖くんはどこか小さく見えた。
もう会えないなんて嫌だ、行かないで、そんな言葉をグッと強く拳を握り言葉を飲み込む。
(そんなこと言う資格、私にはない⋯⋯)
理玖くんの背中が見えなくなるまで私は彼を見送り続けた。
私がもっと素直に理玖くんに気持ちを伝えられていたら何か変わっていたのだろうか。
今更考えたってもう遅い。
目尻にたまった涙を拭い、私も背中を向けて歩き出す。
さよなら⋯大好きだった理玖くん───。
もっと大人で理玖くんの隣を歩くに相応しい人と幸せになって欲しい。
この時の私は再び再会するなんて思ってもなかった───。
「私も手伝うよ。理玖くんだってお仕事疲れてるでしょ?」
「いーの。俺がやりたいの。甘やかしたいから座ってて」
そう言ってソファまで連れてこられるとそのままポスッと座らされる。
キッチンに戻る理玖くんの背中を見つめると私の心はギューッと締め付けられた。
1度溢れ出した黒い感情はどんどん私を支配し、とめどなく流れ出てくる。
いつか私に向けられるこの優しさも何もかも誰かに取られてしまうんじゃないかと考えてしまった。
だけど大好きな理玖くんに振られるなんて辛すぎて受け入れられない。
それなら自分が傷つく前に、自分から身を引くべきだ。
(ごめん理玖くん⋯⋯弱くて、ごめん)
押しとどめた感情の逃げ場を失った私は相談することなく1人で答えを出してしまい、ある決意をした私は最後の時間まで幸せな思い出にしようとご飯を作る理玖くんの背中を見つめた。
しばらくするとキッチンからはいい匂いが漂ってくる。
「理玖くん。今日の夜ご飯なにー?」
「ナポリタンだよ。もうすぐできるからいい子にしてて」
子供扱いされている気もするが、理玖くんはいつもこんな調子だ。
とことん私を甘やかすなんでもできる彼氏だった。
「さてと陽葵ちゃん、できたよ。お待たせ」
「すっごい美味しそう。ありがとう」
いい匂いのナポリタンとスープ、そしてサラダというバランスのいい夕食をいとも簡単に作ってくれた理玖くん。
なんでもできる彼は本当に欠点がないと思えるくらい完璧な彼氏だ。
そんな彼を真っ直ぐ見つめナポリタンを頬張りながら他愛もない話を繰り返す。
理玖くんはいつも私の話もちゃんと聞いてくれる。
大学でどんなことがあったのか、どんなことを今はしているのか。
会えない時間を埋めるように理玖くんは私の全部を知ろうとしてくれていた。
「ねえ陽葵ちゃん。なんか言いたいことあるんだよね?」
「え⋯っ?」
「最近ずっと陽葵ちゃんの様子おかしいから。何かあるなら言って欲しい」
「⋯⋯⋯」
理玖くんには全てがお見通しのようだ。
私が必死に隠していた感情も全部理玖くんには筒抜けになっていたのかもしれない。
それなら話は早い。
私が抱えている感情を理玖くんにぶつけてしまえば、きっと私は楽になる。
学生らしい浅はかな考えだ。
「理玖くん。別れて欲しいの」
「⋯⋯どうして?」
「⋯理玖くんと一緒にいると自分が、嫌になるから」
これは嘘ではないけど本当の理由は言えない。
理玖くんに嫉妬をぶつける勇気もなくて、大人になっていく理玖くんにめんどくさい彼女だと思われたくなくて言わないだけだ。
大人の女性に囲まれる理玖くんが私を見なくなるかもしれない不安や別れを告げられる恐怖を自分から逃げることで解放されようとしている。
本当の私は卑怯で子供っぽいんだ。
「俺は別れたくないよ。陽葵ちゃんのこと好きだもん」
「⋯⋯でも私は理玖くんと一緒にいると、自分がどんどん嫌になっていく」
「俺に出来ることはないの?別れるしか選択肢はない?」
「⋯⋯うん」
まだ子供だった私にはそれ以外の選択肢がなくて、素直に気持ちをぶつけられるほど余裕もなかった。
しばらく黙り込み、時折唇を噛み締めたり眉間に皺を寄せたりしながら理玖くんはいろんなことを考えているようだ。
長考の末、理玖くんは泣きそうな顔で私を見つめて、小さく分かった、と呟いた。
たったその一言だけで私たちの2年間は終わりを迎える。
重たくなった空気に耐えられなくなった私は準備してくれたご飯を綺麗に食べ終えてキッチンへと運んだ。
そして楽しい夜を過ごすはずだった私は、理玖くんに背を向けて部屋を出ようとする。
「そんなすぐ帰るの?」
「うん。別れたのに、ここに長くいちゃダメだと思う」
「送ってくから、待ってて」
「いいよ、大丈夫」
「俺が大丈夫じゃない。振られたって俺は陽葵ちゃんのこと好きだし、1人で帰すなんて危ないからできないよ」
こんな時にまで優しい理玖くんはずるい。
もう1度彼の胸に飛び込みたくなってしまう。
だけど全身の理性を働かせ、私たちは静かに家を出た。
駅に着いてしまえばもう私たちが会うことはないだろう。
そう思うと理玖くんと付き合っていた2年間の日々の幸せが一気に走馬灯のように頭を流れた。
どの思い出も幸せで最高に楽しかったのに。
「ねえ陽葵ちゃん。俺たち、本当に終わりなの?」
「⋯⋯うん。別れるよ」
「俺はこんなにも陽葵ちゃんのことが好きなのに?」
「⋯⋯⋯」
駅に近づくに連れて理玖くんの足取りは重くなる。
まるで帰したくないと行動で表しているようだった。
「最後に聞かせて欲しいんだけど、俺のこと嫌いになって別れたくなったの?」
「それは違うよ。嫌いになんかなってない」
「⋯⋯⋯そっか」
「私がただ弱かっただけ。理玖くんは何も悪くないよ。私と付き合ってくれてありがとう」
今にも泣き出しそうな理玖くんの顔を見るとギュッと心臓が掴まれる。
嫌いになんかなってない、今だってこんなにも好きだ。
だけどどんどん醜い感情が大きくなって、いつか理玖くんを傷つけてしまうんじゃないかと思うとそれも怖くなる。
だったら自分から去った方が誰も傷つかない。
「先に帰って。理玖くん」
「やだ。陽葵ちゃんを見送る」
「ううん、最後くらい見送らせて欲しい」
そう言うと理玖くんは何かを言いかけた唇を噛み締め、小さく息を吐いてまたね、と呟いた。
私はそれに何も返さずただ笑みを浮かべて彼の背中を見送る。
私よりも身長も高く身体も大きいはずなのに、私に背を向ける理玖くんはどこか小さく見えた。
もう会えないなんて嫌だ、行かないで、そんな言葉をグッと強く拳を握り言葉を飲み込む。
(そんなこと言う資格、私にはない⋯⋯)
理玖くんの背中が見えなくなるまで私は彼を見送り続けた。
私がもっと素直に理玖くんに気持ちを伝えられていたら何か変わっていたのだろうか。
今更考えたってもう遅い。
目尻にたまった涙を拭い、私も背中を向けて歩き出す。
さよなら⋯大好きだった理玖くん───。
もっと大人で理玖くんの隣を歩くに相応しい人と幸せになって欲しい。
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