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ラックスター
ラックスター1
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「ララちゃん。ヤマト君は本当に鬼神三枚おろしを使ったのかい?」
「……うん。使った。トドメはそれだった。」
イリアに呼ばれやってきた魔王は、ララの言葉に考え込み、沈黙が流れ、重い空気が顔を出す。
「それにしても、イリア。あんたって本当にポンコツだよね。手加減も知らないし。強化魔法まで使ってるし。」
そんな中、エリは突然イリアに向かって避難じみた口調でそう言い放つ。そして、それにアリシアも同調し便乗した。
「そうだよ。イリアは本当に手加減を知らない。昔からそうだよね。普通なら確実に死んでるよ?」
二人に責められ、イリアはシュンと怒られた犬のようにうなだれて答える。
「し、仕方ないじゃないですか。私だって、つい条件反射で殴ってしまったのですから……。強化魔法もクセですよ。クセ。魔法で強化しないと、私の攻撃力は激弱なのですから。」
「いやいやいや。主様は、モンスターじゃねぇし。殴らなくていいし。あんたの胸は、ペッタンコ~♪なんだから仕方ないだろ?主様は、正直な感想を言ったまでさね。」
「そうだよ。イリアのお胸はペッタンコ~♪魔力と違ってペッタンコ~♪魔力に吸われてペッタンコ~♪でしょ?歌にもなってるじゃない?」
エリとアリシアは息ピッタリにイリアに言う。
「はあ?あなた達……なに魔動学校時代の歌、持ち出しているのですか??それに誰です?それを作ったのは??アリシア、あなたでしょ??それに、胸の話は今、関係ないではないですか?」
胸の話をされ、イリアはリスのように頬を膨らませ反論する。
「何が『関係ない』だよ?実際問題、その無い胸が悪いんじゃないかい?」
「そうだよ。そうだよ。その無い胸が原因じゃん。関係なくないよ~。」
「悔しかったら、オレ達みたいにデカくなってみろよ~。」
「そうだよ~。私みたいになってみな~。」
エリとアリシアは我慢しながら大人しく座っているイリアの顔に自分達の胸を押し当て挑発する。
流石に、言いたい放題言われ、されたい放題され、イリアは怒ったぞ!と言わんばかりに抵抗を始めた。
ほんと、イリアの表情はころころ変わる。ララはそのやり取りを見て微笑ましいと思った。からかわれているイリアはどう思っているか分からないが、エリとアリシアは重苦しくなった空気を和らげるように、わざとイリアをからかっているのだ。それをララも分かった。そして、そんな思い出があることを羨ましくも思っていた。
そして、その声に混じり、階段を駆け上がる音がしたと思ったら、家のドアが勢い良く開く。
「ヤマト様は!ヤマト様は、ご無事なんですか!?」
ターニャだ。
王宮から走ってきたのだろう。息を切らせ、真冬なのに汗を流していた。
なんだかんだ言って、ターニャもヤマトの事を気にかけている。いや、常に一番心配しているのはターニャなのじゃないかと、ララは思っていた。イリアに会うためだと、新作料理の研究だと言っては、イリアのメイドとしての仕事が激減したせいか公務に追われているが、公務以外はやって来る。そして、ヤマトの隣りや近くに陣取ろうとする。今もそうだ。寝ているヤマトの顔の横に座り、「大丈夫ですか?ヤマト様……。」と心配そうに頬に手をあて撫でている。
その様子は、まさに恋人を心配するそれだ。イリアと接する時なんかより、余程優しく接しているではないか。ララはそう思ったが口にはしなかった。もはや、家族というカテゴリーになっているんだ。余計な波風は立てない方が良いという判断なのだろう。
それから数分後。
「ヤマト君のステータスを見せてもらった時に、もしかしたらとは思っていたんだ。女王が保管していた心臓だ。普通のエルフではないと思っていた。」
魔王はポツリと言う。
「……魔力ゼロのエルフ。考えれば答えは一つしか無かった。ヤマト君に使われた心臓は彼……『金色のキマイラ』を単騎で討伐した英雄、ラックスター。」
「ラックスター??」
アリシアは聞かない名前を不思議そうに言う。
「……ラックスターは約千年位前に存在したエルフだと……聞いている。魔法の効かない……魔力の効かない、金色の毛を持つモンスター『金色のキマイラ』を単騎で討伐した。英雄。そして、異端のエルフ。でも……。」
「ラックスター……。私も家にある文献で読んだ事があります……。」
「僕はラックスターと直接何回か会った事があるよ。魔力が無い代わりに運のステータスが異様に高かった。丁度、今のヤマト君みたいにね……。そして、いい青年だったよ。礼儀正しく、勇敢で優しい……そして、人を疑う事を知らない……。」
ララとターニャ、魔王は互いに言葉の最後を濁らせた。
「何で二人は言葉を濁すんだい?あたいは、名前くらいしかラックスターの事は知らないけど、言葉を濁す事なんてあるのかい?」
「私もエリと同じように名前くらしか聞いた事がありませんね。」
エリとイリアは、言葉を濁したララと魔王に違和感を覚えて、そう口にする。
「……そうだね。一般的にはそうだ。名前は知っている。聞いた事がある。『金色のキマイラ』をソロで討伐した。それだけだね。でも、キミ達は、ラックスターの事を……最期を本当に知っているかい?聞いた事はあるかい??数多くの勇者や英雄が口伝や書物で語られているのに対してラックスターは何が残っている?それしか残っていないんだ。一般的には……変だと思わないかい?」
魔王はイリア達に問い掛ける。
それに、イリア達は黙ってしまう。
そう。最後……最期なんて習ってはいなし聞いてもいない。伝記みたいな書物にすら最期は載ってはいない。数々の勇者、英雄は詳しく書いてあるのにだ。ラックスターの事を書いてある記事は少ない。ただ、『金色のキマイラ』を単騎で討伐した。それくらいしか書いてない。
そして、また魔王は聞かなくても答えは分かっていると言うように、考える時間を殆ど与えず、口を開く。
「口伝でも書物でも『金色のキマイラ』を単騎で討伐した英雄。それくらだろう?アリシアが知らないのは当然なんだよ。ラックスターは歴史から名前と討伐したモンスターの名前以外を葬られている。」
「何で……そんな事が?」
イリアは魔王の『葬られている』と言う言葉を聞いて理解した。
「……うん。使った。トドメはそれだった。」
イリアに呼ばれやってきた魔王は、ララの言葉に考え込み、沈黙が流れ、重い空気が顔を出す。
「それにしても、イリア。あんたって本当にポンコツだよね。手加減も知らないし。強化魔法まで使ってるし。」
そんな中、エリは突然イリアに向かって避難じみた口調でそう言い放つ。そして、それにアリシアも同調し便乗した。
「そうだよ。イリアは本当に手加減を知らない。昔からそうだよね。普通なら確実に死んでるよ?」
二人に責められ、イリアはシュンと怒られた犬のようにうなだれて答える。
「し、仕方ないじゃないですか。私だって、つい条件反射で殴ってしまったのですから……。強化魔法もクセですよ。クセ。魔法で強化しないと、私の攻撃力は激弱なのですから。」
「いやいやいや。主様は、モンスターじゃねぇし。殴らなくていいし。あんたの胸は、ペッタンコ~♪なんだから仕方ないだろ?主様は、正直な感想を言ったまでさね。」
「そうだよ。イリアのお胸はペッタンコ~♪魔力と違ってペッタンコ~♪魔力に吸われてペッタンコ~♪でしょ?歌にもなってるじゃない?」
エリとアリシアは息ピッタリにイリアに言う。
「はあ?あなた達……なに魔動学校時代の歌、持ち出しているのですか??それに誰です?それを作ったのは??アリシア、あなたでしょ??それに、胸の話は今、関係ないではないですか?」
胸の話をされ、イリアはリスのように頬を膨らませ反論する。
「何が『関係ない』だよ?実際問題、その無い胸が悪いんじゃないかい?」
「そうだよ。そうだよ。その無い胸が原因じゃん。関係なくないよ~。」
「悔しかったら、オレ達みたいにデカくなってみろよ~。」
「そうだよ~。私みたいになってみな~。」
エリとアリシアは我慢しながら大人しく座っているイリアの顔に自分達の胸を押し当て挑発する。
流石に、言いたい放題言われ、されたい放題され、イリアは怒ったぞ!と言わんばかりに抵抗を始めた。
ほんと、イリアの表情はころころ変わる。ララはそのやり取りを見て微笑ましいと思った。からかわれているイリアはどう思っているか分からないが、エリとアリシアは重苦しくなった空気を和らげるように、わざとイリアをからかっているのだ。それをララも分かった。そして、そんな思い出があることを羨ましくも思っていた。
そして、その声に混じり、階段を駆け上がる音がしたと思ったら、家のドアが勢い良く開く。
「ヤマト様は!ヤマト様は、ご無事なんですか!?」
ターニャだ。
王宮から走ってきたのだろう。息を切らせ、真冬なのに汗を流していた。
なんだかんだ言って、ターニャもヤマトの事を気にかけている。いや、常に一番心配しているのはターニャなのじゃないかと、ララは思っていた。イリアに会うためだと、新作料理の研究だと言っては、イリアのメイドとしての仕事が激減したせいか公務に追われているが、公務以外はやって来る。そして、ヤマトの隣りや近くに陣取ろうとする。今もそうだ。寝ているヤマトの顔の横に座り、「大丈夫ですか?ヤマト様……。」と心配そうに頬に手をあて撫でている。
その様子は、まさに恋人を心配するそれだ。イリアと接する時なんかより、余程優しく接しているではないか。ララはそう思ったが口にはしなかった。もはや、家族というカテゴリーになっているんだ。余計な波風は立てない方が良いという判断なのだろう。
それから数分後。
「ヤマト君のステータスを見せてもらった時に、もしかしたらとは思っていたんだ。女王が保管していた心臓だ。普通のエルフではないと思っていた。」
魔王はポツリと言う。
「……魔力ゼロのエルフ。考えれば答えは一つしか無かった。ヤマト君に使われた心臓は彼……『金色のキマイラ』を単騎で討伐した英雄、ラックスター。」
「ラックスター??」
アリシアは聞かない名前を不思議そうに言う。
「……ラックスターは約千年位前に存在したエルフだと……聞いている。魔法の効かない……魔力の効かない、金色の毛を持つモンスター『金色のキマイラ』を単騎で討伐した。英雄。そして、異端のエルフ。でも……。」
「ラックスター……。私も家にある文献で読んだ事があります……。」
「僕はラックスターと直接何回か会った事があるよ。魔力が無い代わりに運のステータスが異様に高かった。丁度、今のヤマト君みたいにね……。そして、いい青年だったよ。礼儀正しく、勇敢で優しい……そして、人を疑う事を知らない……。」
ララとターニャ、魔王は互いに言葉の最後を濁らせた。
「何で二人は言葉を濁すんだい?あたいは、名前くらいしかラックスターの事は知らないけど、言葉を濁す事なんてあるのかい?」
「私もエリと同じように名前くらしか聞いた事がありませんね。」
エリとイリアは、言葉を濁したララと魔王に違和感を覚えて、そう口にする。
「……そうだね。一般的にはそうだ。名前は知っている。聞いた事がある。『金色のキマイラ』をソロで討伐した。それだけだね。でも、キミ達は、ラックスターの事を……最期を本当に知っているかい?聞いた事はあるかい??数多くの勇者や英雄が口伝や書物で語られているのに対してラックスターは何が残っている?それしか残っていないんだ。一般的には……変だと思わないかい?」
魔王はイリア達に問い掛ける。
それに、イリア達は黙ってしまう。
そう。最後……最期なんて習ってはいなし聞いてもいない。伝記みたいな書物にすら最期は載ってはいない。数々の勇者、英雄は詳しく書いてあるのにだ。ラックスターの事を書いてある記事は少ない。ただ、『金色のキマイラ』を単騎で討伐した。それくらいしか書いてない。
そして、また魔王は聞かなくても答えは分かっていると言うように、考える時間を殆ど与えず、口を開く。
「口伝でも書物でも『金色のキマイラ』を単騎で討伐した英雄。それくらだろう?アリシアが知らないのは当然なんだよ。ラックスターは歴史から名前と討伐したモンスターの名前以外を葬られている。」
「何で……そんな事が?」
イリアは魔王の『葬られている』と言う言葉を聞いて理解した。
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