ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ

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第一章︙精霊編

出会い

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「よし!きょう、ここをおれのばしょにするぞ!」

俺は意気揚々と腕を組んで宣言した。
丁度微かに光を発している大きな木の根元があいていたので夜も怖くないだろう。
あとちょっとで日が沈みそうだからテントを作るのは後回しにして食べ物を探すことにした。

「これは………おいしくないやつ………あ、これはよさそーなやつだ。」

俺は原初の魔導書グリモアを片手に目に入った植物達を調べながら近くを散策していると、中々に美味しそうなキノコたちがあった。
………………………グリモアが毒茸だって教えてくれなければ食べてたかもしんないけど。

結局俺は美味しくて食べれる茸や果実を厳選して採っていくと少ししか取れなかった。

少しガッカリしたけれど、そういえば俺ちっちゃいんだって気づいた。
つい高校生のときの量を見てたから少ないと思ったけど今の俺なら十分だな。

そう思いながら俺は木の根本に戻ると人影が見えた。


「あ………だれ?」

ポツリと呟いた俺の声が聞こえたのか木の根元にいたその人は振り返った。

「っ……すごい!」

その人は身体が透き通っていて顔の造形が見たこともないくらいに美しかった。
銀色の髪に黒と青が交ざった吸い込まれるような瞳で、体つきや骨格で男の人だって分かるけどいかんせん顔が凄すぎて人間を超越した感じを醸し出している。
………そもそも透けてるし人間じゃないのか。

「君は……」
「すけすけだ………」

透けてる男の人が口を開くと同時に俺も喋ってしまった。
………なんか気まずい。

どちらとも口を噤んでいると最初に男の人が喋りかけてきた。

「………君は人間だよね。」


………なに当たり前のことを聞いてくるんだ?
俺がうんと頷くと男の人は何やらぶつぶつ言い始めた。

「どういうことだ?ここは人間達が立ち入ることが出来ない聖域なのに何故入れている。………明らかにこの子は人族の血が流れているのは確かだな。けれど完全に人族でもないなんて………」

「あ、あの!」

ぶつぶつ言ってる眼の前の男の人に俺は勇気を振り絞って声をかけた。
ぱっと顔を上げた男の人に俺はきれいな人だなーなんて思いながら話し始める。

「えっと………その………ここ、おれ、きょてんにしたいので、テントたてるから………ちょっとどいてください………」

「え?あ………そうか。ごめんね。今から退くから」

男の人はハッとしたようにそう言うと、空中移動しながら隣の木のそばに行った。

「君はどうしてここにいるんだい?」

え………いや、どうしてって言われても………

「ここにてんい、させられたから?」

俺はうーんと考えながら答えると男の人は少し驚いたように目を見開いた。

「じゃあ、誰に送られたのか知ってる?」

「えーと……かみさまだけど、たしか……あ!じくーのかみさまだ!」

「神様……?じゃあ時空っていうのはその神様が司っているということかな?」

ウンウンと俺が満面の笑みで頷くと、暫く黙り込んでいた男の人はなにか納得したように微笑んだ。

「……そうなんだ。君は異世界から来た子供なんだね。私は精霊王。これから宜しくね。一応時空間を司る精霊だよ」

………異世界早々こんなすごい人に鉢合わせするとは思わなかった。

「おれは…………え、えっと………いせかいからきました。」

ちょっと噛んじゃったところもあったけど我ながら上々の出来だな。

宜しくとお互い挨拶をした後に俺はテントを出した。
グリモアを開いて使い方を見ると。

① 建てたい場所に投げる。
② 片付けるときには収納ボックスと唱える。


これで終わりだった。
すごく便利………便利すぎない?

試しに俺は木の根元の所に投げてみると、ポンッと音がして一瞬でテントが出来た。
次にボックスと唱えるとテントは少し浮いてシュパッと元の形に戻った。

これから片付けも簡単だなーなんて思いながら中に入るともっとすごかった。
うん、ベットと椅子に机、あと床全面にフカフカの絨毯が置かれていた。
これ絶対に普通のテントじゃないでしょ。
俺は一つ一つグリモアで調べていくと、椅子や机を足したいときとかは魔力を消費することでできるやつなんだとか。

………俺の持ち物は魔力を使うやつが多いし、早めに魔力の取り扱いを覚えないといけなさそう。

明日グリモアで魔力の使い方でも調べちゃうかなーなんて考えながら外に出ると、すでに日は沈み夜空に星が輝いていた。

「…………どうだった?」

なにやら興味津々で声をかけてきた精霊王さんに俺はスゴかったと答えると目を輝かせた。

「僕も中に入れてもらってもいいかな?」

俺がいいよと答えると精霊王さんはものすごい速さでテントの中に入っていった。
………凄い珍しいのかな?

精霊王さんがそんなに気になるほどなのかと思いながら俺採ってきた果実を食べ始めたのだった。
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