ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ

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第ニ章︙魔法都市編

主の捜索

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クロスSIDE


主が僕達の前から姿を消してはや一週間。
たくさんの精霊たちに呼びかけ、必死に探したけれど未だに主の行方は分からないまま。

「あといるとしたら……深淵大陸、魔法都市、地下帝国の三つだけれど…」

魔法都市、地下帝国には強力な結界や古代魔術が敷いてあるせいで内部の状況を探るのは難しい。
まあ、それも僕やアクアが直接出向けばいいけれど、問題は深淵大陸。

深淵大陸の場所は基本的に隠蔽されている。
理由は魔族の大陸、つまり悪魔の根城だ。

もし主が深淵大陸に転移していたとしたら非常に不味い。遅かれ早かれ深淵大陸にいる限り主の特別な魔力欲しさに狙う者が現れてくる。
そうなったら主の身に危険が迫るだろう。
もしそうなってしまったら……僕が何も言わなくても悪魔と魔族対精霊による総力戦が始まってしまう。


なんとしてもそれだけは最後の手段として実行しないようにしないと。


「はぁ……いつになったら見つけられるんだ…」

今までこんなに時間が長く感じられたのは初めてだ。
まさかここまで僕が主を必要としているとは思っていなくて、主が傍にいない衝撃は存外大きい。


「精霊王。そろそろここは我々精霊に任せてご自分で探しに行っても……」

「いや、駄目だ。僕は主から精霊王として褒められているからね。自分の責務は全うしないと。
それに、なによりこの前みたいにアスモデウスのような原初の悪魔が攻めてきたら、最上位精霊もいないのに勝てる見込みなんてないだろう」

「……申し訳ございません。我々の不徳の致すところで…」

「いや、君達のせいじゃないよ。元はといえば僕が戦いが終わったと思って少し気を抜いていたのがいけなかったんだ。細心の注意を払って主を守らなければいけなかったのに……」


僕の不注意のせいでこんな事態になったんだ。僕が最初から警戒なんてせずに、全力で殺しにいっていればこんなことにはならなかったはず。僕にはそれを実行できる力と強さを持っていたのにも関わらず、主が姿を消してしまう状況になってしまったのだ。

「だから……だからこそ、早く主を見つけてあげないと。僕のせいで主に迷惑をかけたんだ。しっかり謝って、それで今後しっかりフラフラと変なことをしないよう言っとかないと。まだ主は……ちっちゃいんだからね」

「………そうですか。それは精霊みんなが思っていることですよ」


そうだ。主を心配しているのは僕だけじゃない。たくさんの仲間が主を心配しているんだ。
……そういえば主がいなくなってからアクアやフレイたちの精霊が暴走して外に飛び出していったな。

確か……

「うちのダイキ様に何かあったら……あの天使のような子を早く見つけないと!!汚い悪魔に捕らえられたらどうしましょう!!」

「安心しなさい。もしそうなら地獄の果まで追いかけて、末代どころか未来永劫悪魔共を抹殺して差し上げればいいだけのこと。だから……早くダイキ様を見つけ出さないと!!」

「貴方達、行くわよ!!」

「「「「はいっ!!」」」」


そう雄叫びをあげて世界各地へ飛び立っていったらしいけれど……うん。悪魔如きが主を襲おうもんなら呪うだけじゃ駄目なのはそうだな。そんな不確定なものに頼らず自分たちでしっかりと報復してやらないとね。

それにしても頼もしい限りだ。彼女達ベテラン精霊ならそこらの悪魔も蹴散らせるはずだし、とても主をかわいがっていたので裏切ることもないだろう。
やはり主の可愛さは正義。

主と契約する前までは神に契約できる人が欲しいと祈ったりしたこともあった。
でも、主に出会ってから神という存在が僕の考えていた神という存在とはかけ離れたものだと思い知らされた。

主から度々見られる神について語っている様子は、まるで……こう言ってはなんだが、まるで自分のおやつを勝手に食べた仇の様な口調だった。

なにより、主は本当は大人の身体で時空神に小さくされたのだとか。
主の言動を見る限りそんなことは俄に信じられないけれど、僕は主を信じることにした。
だって主、「あのかみさま……つぎあったら、いっぱつやってやる!!」ってとても怒っていたからね。

まあとにかく、主のおかげか僕は色々変わることができた。こうして精霊たちと普通に話せるのも主の恩恵だし、とても感謝している。




「せ、精霊王!!いい知らせだ!!」

そうして僕が主との時間に浸っていたとき、扉を勢いよく開けたクロウが慌てた様子、それも期待を顔に出して興奮したように僕に向かって叫んだ。

「どうしたの?もしかして……」

……主が……見つかった?
僕は緊張してクロウの言葉を待っていると、クロウはハッとして少し気まずそうに顔を逸らす。

「そう、じゃないんだが……」

それを聞いてなんだと肩を落とした僕は、次の言葉を聞くと驚きで目を見開いた。

「それが……魔法都市でどうやら、女神が降臨したと騒いでいるらしくてな。実力者が多数いる魔法都市のことだ。生半可な騙し芸じゃ通用しないはずだし、ある程度は確かなはずだ」

「……そうだね」

あの魔法都市のことだ。あのハイエルフ……確か、デオライトって名前だったかな?
出会った時はまだ子供の姿だったけれど、あの強い力を秘めていたハイエルフがいる場所だし、あながち嘘じゃない可能性が高い。

「それで……女神の降臨の現場にいたのが、まだ年端もいかない子供二人。そして……白く強大な力を持つ犬のような魔物を従えていたそうだ」


子供……二人なのは何故かわからないが、白い強大な力を持った魔物……これはもう、主の従えていたシルしかいないだろう。
まさか他の子供がフェンリル以上の力を持った魔物を従えているとは思えない。
女神の降臨が本当かどうかは知らないけれど、これだけ大事をポンポン起こす子供なんて過去にも未来にも僕は一人しか知らない。


………やっと見つけた。今、迎えに行くからね。



「クロウ。すまないけど、ここは任せたよ」



僕は転移魔法を発動した。


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いつも読んでくださりありがとうございます!

ファンタジー大賞、188位だったのが皆様のおかげでいつの間にか数日で63位までいっていました!!
とても嬉しいかぎりです。
良いねやお気に入り、エールをしてくださる方も、感謝感激感涙の嵐……もはや神です。

少しペースを上げて投稿していくので、気に入ってくださったら投票をポチりんしてくださると嬉しいです。

これからも…末永くよろしくお願いします!!
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